■車高増大が阻む将来発展性
装輪装甲車-改開発中止、試作車公開時に高すぎる車高と原型で付け足した感が否めない形状に少々驚かされ、具体的にはあれはないよなあ、とおもったものでしたが。

新型装甲車/装輪装甲車-改、96式装輪装甲車の改造、という当初の開発でしたが、試作車が防衛装備庁により公開されたと同時に、余りに高い車高に驚かされました。実際、新型装甲車/装輪装甲車-改は96式装輪装甲車は車高が2m未満に抑えられていたのに対し改造した事で3m近い車高となっており、車幅よりも遥かに大きな車高に驚かされたものです。

局地無線搬送端局装置JMRC-C80や70式地雷原処理装置、重装備を固め機動打撃力を重視する北部方面隊の総合近代化師団や総合近代化旅団ではこれら装備品を96式装輪装甲車に車載運用しています。従って、安易に車高の高い装甲車両を導入してしまいますと、これら装備を追加した際に更に安定性に響くものとなります、高車高にいい事はありません。

96式装輪装甲車からの大きな変容に驚かされたのは、防衛予算概算要求に際して当初提示されたイメージ図があくまで96式装輪装甲車の改良型であり、過度に高い車高などの試作車の特徴とはかけ離れていた為です。もっとも10式戦車と新戦車、16式機動戦闘車と機動戦闘車、過去数多の事例からイメージ図とはあくまでイメージ図ではあったのですが、ね。

新型装甲車/装輪装甲車-改、全長8.40m、全幅2.50m、全高2.90m、重量20tという要目でした。しかし、96式装輪装甲車の要目は全長6.84m、全幅2.48m、全高1.85m、重量14.5t、となっていますので、大型化の域を出ている、といえるでしょう。実際、今回の新型装甲車/装輪装甲車-改は小松製作所が現在生産中であるNBC偵察車が原型と考えられています。

NBC偵察車は化学防護車や生物偵察車の後継車両として核汚染地域の偵察や化学兵器と生物兵器の汚染状況の偵察、除染に必要な情報収集と共に自車から離れた地域への化学剤散布状況等を標定する自衛隊の車両で、全長8.00m、全幅2.50m、全高3.20m、重量20t、新型装甲車/装輪装甲車-改は高すぎるNBC偵察車の車高を抑え全長を若干延長したかたち。

新型装輪装甲車について、要求性能から第一線装輪装甲車の形状を採った耐爆車両が求められていたのでは、との指摘がコメント欄にてありまして、それならばいろいろと納得がいくものだなあ、と感じました。そして同時に、無理に一車種にしようとした弊害が表面化したといえるのかもしれません。普通科部隊用は車幅を広げ安定性を増す設計が必要だ。

82式指揮通信車等、そろそろ後継車両を考えなければならない車両は幾つか存在します。73式装甲車転用の通信車輌等も。今回の新型装輪装甲車原型のNBC偵察車を無理に触らず、NBC偵察車をそのまま輸送防護車、指揮通信車、通信中継車、施設作業車、装甲救急車、自走迫撃砲、近距離防空システム、等々に転用しておけばよかったのかな、と思う。

二車種に分ける事は非合理に感じ得るかもしれませんが、例えば歩兵の第一線戦闘用と支援車両を統合化する事は逆に非合理です。アメリカもM-2装甲戦闘車とM-113装甲車を、ドイツもフクスとボクサーに分けています。特に戦車と直協する歩兵用装甲車は安易な軽装甲では直協以前に撃破されてしまいますので、年々高度化と高価格化を辿っています。

ドイツ連邦軍フクス、連邦軍が戦域輸送車として開発し、六輪駆動と第一線用のフランスVAB軽装甲車よりも、かなり高度な性能を持つがAPCではなく弾薬輸送や支援用として導入した装輪装甲車です。連邦軍ではフクスをあくまで支援用として、第一線装輪装甲車にはボクサー重装輪装甲戦闘車を充てています、33トンもある怪物のような装輪装甲車です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
装輪装甲車-改開発中止、試作車公開時に高すぎる車高と原型で付け足した感が否めない形状に少々驚かされ、具体的にはあれはないよなあ、とおもったものでしたが。

新型装甲車/装輪装甲車-改、96式装輪装甲車の改造、という当初の開発でしたが、試作車が防衛装備庁により公開されたと同時に、余りに高い車高に驚かされました。実際、新型装甲車/装輪装甲車-改は96式装輪装甲車は車高が2m未満に抑えられていたのに対し改造した事で3m近い車高となっており、車幅よりも遥かに大きな車高に驚かされたものです。

局地無線搬送端局装置JMRC-C80や70式地雷原処理装置、重装備を固め機動打撃力を重視する北部方面隊の総合近代化師団や総合近代化旅団ではこれら装備品を96式装輪装甲車に車載運用しています。従って、安易に車高の高い装甲車両を導入してしまいますと、これら装備を追加した際に更に安定性に響くものとなります、高車高にいい事はありません。

96式装輪装甲車からの大きな変容に驚かされたのは、防衛予算概算要求に際して当初提示されたイメージ図があくまで96式装輪装甲車の改良型であり、過度に高い車高などの試作車の特徴とはかけ離れていた為です。もっとも10式戦車と新戦車、16式機動戦闘車と機動戦闘車、過去数多の事例からイメージ図とはあくまでイメージ図ではあったのですが、ね。

新型装甲車/装輪装甲車-改、全長8.40m、全幅2.50m、全高2.90m、重量20tという要目でした。しかし、96式装輪装甲車の要目は全長6.84m、全幅2.48m、全高1.85m、重量14.5t、となっていますので、大型化の域を出ている、といえるでしょう。実際、今回の新型装甲車/装輪装甲車-改は小松製作所が現在生産中であるNBC偵察車が原型と考えられています。

NBC偵察車は化学防護車や生物偵察車の後継車両として核汚染地域の偵察や化学兵器と生物兵器の汚染状況の偵察、除染に必要な情報収集と共に自車から離れた地域への化学剤散布状況等を標定する自衛隊の車両で、全長8.00m、全幅2.50m、全高3.20m、重量20t、新型装甲車/装輪装甲車-改は高すぎるNBC偵察車の車高を抑え全長を若干延長したかたち。

新型装輪装甲車について、要求性能から第一線装輪装甲車の形状を採った耐爆車両が求められていたのでは、との指摘がコメント欄にてありまして、それならばいろいろと納得がいくものだなあ、と感じました。そして同時に、無理に一車種にしようとした弊害が表面化したといえるのかもしれません。普通科部隊用は車幅を広げ安定性を増す設計が必要だ。

82式指揮通信車等、そろそろ後継車両を考えなければならない車両は幾つか存在します。73式装甲車転用の通信車輌等も。今回の新型装輪装甲車原型のNBC偵察車を無理に触らず、NBC偵察車をそのまま輸送防護車、指揮通信車、通信中継車、施設作業車、装甲救急車、自走迫撃砲、近距離防空システム、等々に転用しておけばよかったのかな、と思う。

二車種に分ける事は非合理に感じ得るかもしれませんが、例えば歩兵の第一線戦闘用と支援車両を統合化する事は逆に非合理です。アメリカもM-2装甲戦闘車とM-113装甲車を、ドイツもフクスとボクサーに分けています。特に戦車と直協する歩兵用装甲車は安易な軽装甲では直協以前に撃破されてしまいますので、年々高度化と高価格化を辿っています。

ドイツ連邦軍フクス、連邦軍が戦域輸送車として開発し、六輪駆動と第一線用のフランスVAB軽装甲車よりも、かなり高度な性能を持つがAPCではなく弾薬輸送や支援用として導入した装輪装甲車です。連邦軍ではフクスをあくまで支援用として、第一線装輪装甲車にはボクサー重装輪装甲戦闘車を充てています、33トンもある怪物のような装輪装甲車です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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