■防衛情報-ウクライナ戦争
現状を見ますと安易に民間企業に頼ることなく軍事機構自身がその能力を保持するという建設工兵の重要性が分ります。
ウクライナ軍はアウディイフカ西方に新し防衛線を構築できぬままロシア軍は過去18か月間には確認されない程の速度で攻撃前進を続けています。この背景には防衛線を構成するウクライナ軍の建設工兵能力という問題があるようで、ウクライナ軍では塹壕や対戦車壕に胸壁や地雷原構築に民間建設会社に依存する部分が多かったとされています。しかし。
ウクライナ軍自身の工兵能力不足とともに、予備役動員などにより民間建設会社が大幅な人手不足に陥り、また民間企業は群体のような自己完結能力が無く砲撃が加えられる前線後方地域での建機稼働維持や建設作業を行えない状況が防衛線を構築できない状況となっているもよう。また状況を機動防御に切替える為の訓練不足なども影響しているもよう。
■旧ソ連諸国への影響力低下
第三世代戦車の大半を喪失している現状をロシアはいまだ無傷だというには無理があるところです。
イギリス国防省ウクライナ戦況報告2月27日付報告によれば、ロシアウクライナ戦争はロシアと旧ソ連諸国の関係に大きな悪影響を及ぼしている一方、ロシアは旧ソ連諸国への影響力を維持する事はロシア自身の安全保障と経済的地位の補償に非常に重要な高い優先度の命題と考え続けていると指摘、一方でロシアの影響力は2022年以降低下が続いている。
ロシアの旧ソ連諸国への影響力低下は、ウクライナへ投入した軍事的リソースの消耗と共に軍事的目標の達成失敗によりロシアの伝統的位置づけが疑問視されているとイギリス国防省は指摘しており、ロシアのウクライナ侵攻という行為そのものがロシアの安全保障を自ら危機的状況に曝しているとして分析しました。ただ、一つ側面が無視されていないか。
■世界政治の新しい懸念要素
弱体化という側面のリスクについて。
ロシアウクライナ戦争において、ロシアがキエフを攻略できるかは疑問符が付きますが、戦争が長期化する場合は旧ソ連諸国のロシア離反が戦争中に顕在化する懸念があり、戦争が中期的に停戦した場合でも旧ソ連諸国の離反を自陣営へ取り戻すために、ロシアが離反した旧ソ連諸国へ軍事的アプローチを試し、別方面の戦争が起こり得る、ということです。
それではロシアからの旧ソ連諸国自身の離反を防ぐにはどうするかという事ですが、これは旧ソ連諸国の意志ではなく周辺国からの軍事圧力や経済的圧力に従来防波堤となったロシアが弱体化した事で起こったものであり、離反は原因ではなくロシアウクライナ戦争の弱体化という原因に対する結果ということで、世界政治の新しい懸念要素といえます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
現状を見ますと安易に民間企業に頼ることなく軍事機構自身がその能力を保持するという建設工兵の重要性が分ります。
ウクライナ軍はアウディイフカ西方に新し防衛線を構築できぬままロシア軍は過去18か月間には確認されない程の速度で攻撃前進を続けています。この背景には防衛線を構成するウクライナ軍の建設工兵能力という問題があるようで、ウクライナ軍では塹壕や対戦車壕に胸壁や地雷原構築に民間建設会社に依存する部分が多かったとされています。しかし。
ウクライナ軍自身の工兵能力不足とともに、予備役動員などにより民間建設会社が大幅な人手不足に陥り、また民間企業は群体のような自己完結能力が無く砲撃が加えられる前線後方地域での建機稼働維持や建設作業を行えない状況が防衛線を構築できない状況となっているもよう。また状況を機動防御に切替える為の訓練不足なども影響しているもよう。
■旧ソ連諸国への影響力低下
第三世代戦車の大半を喪失している現状をロシアはいまだ無傷だというには無理があるところです。
イギリス国防省ウクライナ戦況報告2月27日付報告によれば、ロシアウクライナ戦争はロシアと旧ソ連諸国の関係に大きな悪影響を及ぼしている一方、ロシアは旧ソ連諸国への影響力を維持する事はロシア自身の安全保障と経済的地位の補償に非常に重要な高い優先度の命題と考え続けていると指摘、一方でロシアの影響力は2022年以降低下が続いている。
ロシアの旧ソ連諸国への影響力低下は、ウクライナへ投入した軍事的リソースの消耗と共に軍事的目標の達成失敗によりロシアの伝統的位置づけが疑問視されているとイギリス国防省は指摘しており、ロシアのウクライナ侵攻という行為そのものがロシアの安全保障を自ら危機的状況に曝しているとして分析しました。ただ、一つ側面が無視されていないか。
■世界政治の新しい懸念要素
弱体化という側面のリスクについて。
ロシアウクライナ戦争において、ロシアがキエフを攻略できるかは疑問符が付きますが、戦争が長期化する場合は旧ソ連諸国のロシア離反が戦争中に顕在化する懸念があり、戦争が中期的に停戦した場合でも旧ソ連諸国の離反を自陣営へ取り戻すために、ロシアが離反した旧ソ連諸国へ軍事的アプローチを試し、別方面の戦争が起こり得る、ということです。
それではロシアからの旧ソ連諸国自身の離反を防ぐにはどうするかという事ですが、これは旧ソ連諸国の意志ではなく周辺国からの軍事圧力や経済的圧力に従来防波堤となったロシアが弱体化した事で起こったものであり、離反は原因ではなくロシアウクライナ戦争の弱体化という原因に対する結果ということで、世界政治の新しい懸念要素といえます。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)