■すずかぜ型巡視艇後継に
島嶼部防衛や基地防衛を考えた場合、海上自衛隊は特別機動艇SB-25型等を装備していますがいずれも複合高速艇であり強度などに限界があります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/d3/281bb4586436d468e5f46524df211b04.jpg)
CB-90襲撃艇、スウェーデンの沿岸砲兵隊がフィヨルド海岸での上陸作戦用に開発した小型高速艇です。艇首部分に開閉扉を有していて、かなり振動がすごいということですが40ノットで沿岸部を疾走し、緩衝材を信じて岩場で急制動を掛け接岸、ハッチを開いて沿岸猟兵21名を上陸させる。武装としては12.7mm双連機銃が前部、後部にRWSを置く。
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海上保安庁の巡視艇に最適だと考える、臨検に際して相手の船舶に乗り込む際に船首の扉は便利ですし、機銃についてはオプションです、実際スウェーデン港湾警察が海軍から借用しているものについては機関銃が搭載されていない。過剰防衛にもなりませんし、グレーゾーン事態で警察の機動隊輸送にも、もちろん海上保安庁のSSTを輸送することも。
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12.7mm機銃ですが、海上保安庁も採用しています。いや巡視艇には40mm機関砲を備えているものもありますので過剰な武装ではないのです、ですから近グルベルク社製RWS遠隔操作銃塔に12.7mm機銃を備えて、警告射撃や正当防衛射撃などに高い精度で対応させることも可能ですし、北欧製で暖房は万全、中東で運用されており冷房能力も高い。
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防弾装甲はオプションで、中東地域での運用艦艇についてはその特性から防弾装甲を追加したものとなっています、オマーン湾やアデン湾などで海賊の取り締まりに当たるものも防弾装甲を備えている。他方、1999年にスウェーデン海軍が訓練中に30ノットで岸壁に衝突する事案はありましたが、大半が負傷したものの負傷で済む程度に衝撃には強い。
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沿岸砲兵は冷戦終結後の2000年にスウェーデン水陸両用戦軍団へ改編されていて、軍団とは言うもののその隷下にあるのは第1水陸両用戦連隊のみという、実質連隊戦闘団のような名誉呼称としての軍団ですが縮小改編されています。ただ147隻のCB-90は製造されたもののスウェーデン海軍では予備役に近い扱いとなっていて、各国へ貸与もされる。
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海上保安庁と自衛隊にこのCB-90が最適であると感じたのは、スウェーデンの装備であるために暖房装備がすごいことは認識していたのだけれども、自衛隊が想定し海上保安庁が専従部隊を置いている南西諸島では冷房装備の方が重要であり、もちろん増設は出来るのだろうけれども中東並みに酷暑が日常茶飯事である南西方面での不安の払しょくで。
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アメリカ海軍とイギリス海軍がリース取得したCB-90はペルシャ湾での哨戒任務にあたっているという。日本の暑さは異常ですがそれでも、1992年の海上自衛隊ペルシャ湾掃海任務“ガルフドーン作戦”では佐世保地方隊に装備されている掃海艇の冷房能力が追い付かなかったという、つまり、日本より暑い地域での運用実績がCB-90にはある、という。
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すずかぜ型巡視船の後継に、というCB-90の提案ですが、CB-90は居住性が多少良いのです。具体的には、すずかぜ型は後期建造船として居住区に長椅子を配置し簡易ベッドとして用いるという、そして簡易シャワー装置も備えているという。巡視船ならばシャワーがありましたが、巡視“艇”という小型の警備船にはいままでなかったこころみとのこと。
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CB-90,居住性については最高速度を発揮しているときの乗り心地が最悪、というはなしを昔イギリス人留学生から聞いたことがあった、どこで乗ったのかは話をぼかされてしまったけれども、他方でそれは海兵隊を、スウェーデンでは沿岸猟兵というそうですが目いっぱい詰め込んで輸送している状況です、しかし通常のCB-90は3名の乗員で運用可能だ。
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21名の沿岸猟兵を輸送できるという事はそれだけ座席があり、もっともベンチシートではなく揺れる艇内で吹き飛ばされないように個人用シートベルトと独立座席となっていますので、寝台スペースに転用するには583系寝台電車のような荒業を用いるか、兵員、じゃない、機動隊輸送を行わない場合はキャビンモジュールとするか工夫が必要ですが。
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キャビンモジュールに転用するならば、21名の完全武装の兵員を収容できる区画という事ですので、要するに陸上自衛隊のAAV-7水陸両用車並みの広さがあるという事です、乗員は3名ですので簡易キッチンと簡易シャワーと簡易寝台に簡易食堂と簡易個室を配置することもできるでしょうし、乗員はCB-90が3名、すずかぜ型よりも四割少ない。
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離島の警備任務を念頭にその有用性を強調しましたがもう一つ、もともとは哨戒能力のある揚陸艇である200TpbS強襲輸送艇の後継に揚陸能力のある哨戒艇的な装備として開発されたのがCB-90ですので、沿岸部での運用能力は高く、例えば南海トラフ地震のような津波被害を伴う災害においても、沿岸部での運用が容易で、この点も強みでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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島嶼部防衛や基地防衛を考えた場合、海上自衛隊は特別機動艇SB-25型等を装備していますがいずれも複合高速艇であり強度などに限界があります。
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CB-90襲撃艇、スウェーデンの沿岸砲兵隊がフィヨルド海岸での上陸作戦用に開発した小型高速艇です。艇首部分に開閉扉を有していて、かなり振動がすごいということですが40ノットで沿岸部を疾走し、緩衝材を信じて岩場で急制動を掛け接岸、ハッチを開いて沿岸猟兵21名を上陸させる。武装としては12.7mm双連機銃が前部、後部にRWSを置く。
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海上保安庁の巡視艇に最適だと考える、臨検に際して相手の船舶に乗り込む際に船首の扉は便利ですし、機銃についてはオプションです、実際スウェーデン港湾警察が海軍から借用しているものについては機関銃が搭載されていない。過剰防衛にもなりませんし、グレーゾーン事態で警察の機動隊輸送にも、もちろん海上保安庁のSSTを輸送することも。
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12.7mm機銃ですが、海上保安庁も採用しています。いや巡視艇には40mm機関砲を備えているものもありますので過剰な武装ではないのです、ですから近グルベルク社製RWS遠隔操作銃塔に12.7mm機銃を備えて、警告射撃や正当防衛射撃などに高い精度で対応させることも可能ですし、北欧製で暖房は万全、中東で運用されており冷房能力も高い。
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防弾装甲はオプションで、中東地域での運用艦艇についてはその特性から防弾装甲を追加したものとなっています、オマーン湾やアデン湾などで海賊の取り締まりに当たるものも防弾装甲を備えている。他方、1999年にスウェーデン海軍が訓練中に30ノットで岸壁に衝突する事案はありましたが、大半が負傷したものの負傷で済む程度に衝撃には強い。
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沿岸砲兵は冷戦終結後の2000年にスウェーデン水陸両用戦軍団へ改編されていて、軍団とは言うもののその隷下にあるのは第1水陸両用戦連隊のみという、実質連隊戦闘団のような名誉呼称としての軍団ですが縮小改編されています。ただ147隻のCB-90は製造されたもののスウェーデン海軍では予備役に近い扱いとなっていて、各国へ貸与もされる。
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海上保安庁と自衛隊にこのCB-90が最適であると感じたのは、スウェーデンの装備であるために暖房装備がすごいことは認識していたのだけれども、自衛隊が想定し海上保安庁が専従部隊を置いている南西諸島では冷房装備の方が重要であり、もちろん増設は出来るのだろうけれども中東並みに酷暑が日常茶飯事である南西方面での不安の払しょくで。
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アメリカ海軍とイギリス海軍がリース取得したCB-90はペルシャ湾での哨戒任務にあたっているという。日本の暑さは異常ですがそれでも、1992年の海上自衛隊ペルシャ湾掃海任務“ガルフドーン作戦”では佐世保地方隊に装備されている掃海艇の冷房能力が追い付かなかったという、つまり、日本より暑い地域での運用実績がCB-90にはある、という。
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すずかぜ型巡視船の後継に、というCB-90の提案ですが、CB-90は居住性が多少良いのです。具体的には、すずかぜ型は後期建造船として居住区に長椅子を配置し簡易ベッドとして用いるという、そして簡易シャワー装置も備えているという。巡視船ならばシャワーがありましたが、巡視“艇”という小型の警備船にはいままでなかったこころみとのこと。
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CB-90,居住性については最高速度を発揮しているときの乗り心地が最悪、というはなしを昔イギリス人留学生から聞いたことがあった、どこで乗ったのかは話をぼかされてしまったけれども、他方でそれは海兵隊を、スウェーデンでは沿岸猟兵というそうですが目いっぱい詰め込んで輸送している状況です、しかし通常のCB-90は3名の乗員で運用可能だ。
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21名の沿岸猟兵を輸送できるという事はそれだけ座席があり、もっともベンチシートではなく揺れる艇内で吹き飛ばされないように個人用シートベルトと独立座席となっていますので、寝台スペースに転用するには583系寝台電車のような荒業を用いるか、兵員、じゃない、機動隊輸送を行わない場合はキャビンモジュールとするか工夫が必要ですが。
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キャビンモジュールに転用するならば、21名の完全武装の兵員を収容できる区画という事ですので、要するに陸上自衛隊のAAV-7水陸両用車並みの広さがあるという事です、乗員は3名ですので簡易キッチンと簡易シャワーと簡易寝台に簡易食堂と簡易個室を配置することもできるでしょうし、乗員はCB-90が3名、すずかぜ型よりも四割少ない。
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離島の警備任務を念頭にその有用性を強調しましたがもう一つ、もともとは哨戒能力のある揚陸艇である200TpbS強襲輸送艇の後継に揚陸能力のある哨戒艇的な装備として開発されたのがCB-90ですので、沿岸部での運用能力は高く、例えば南海トラフ地震のような津波被害を伴う災害においても、沿岸部での運用が容易で、この点も強みでしょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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