北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸上防衛作戦部隊論(第三七回):装甲機動旅団編制案の概要 通信科部隊と装甲車及び無人機

2015-11-10 21:41:44 | 防衛・安全保障
■通信科部隊と装甲車及び無人機
 装甲機動旅団編制案の通信について搬送と伝送の面で前回は小型装甲車を多用する必要性を示しました。

 通信部隊は電波を発信する関係上必ず標定を受け、通信基盤への各種妨害、航空や砲迫攻撃は勿論電子戦により攻撃を受ける事となります、この為可能な限り小型化し、搬送装置を小型化、装甲車両により輸送すると共に必要であれば伝送装置中継器を小型無人車両に搭載し、装甲車両から管制する必要も生じるでしょう。

 その上で無人機による空中伝送能力構築は真剣に検討されるべきです、通信基盤の応急補正に用いる視点で、第一線付近においては活用を模索すべきです、もちろん前線航空統制調整所を構築し無人偵察機との航空管制が必要ですし、部隊集結など攻撃徴候を秘匿しなければならない状況下に無人機を暴露させることがあってはならないため、あくまで補完的要素となりますが、無人機空中通信伝送体系の構築は旅団通信大隊にとり必要です。特に航空機動旅団の様に航空機を通信伝送に使えない装甲機動旅団には必須です。

 さて、通信への需要は、10式戦車がC4I能力を付与し、90式戦車や74式戦車へも基幹連隊指揮統制システムへの加入により従来、特科情報装置のみが果たしていた部隊間情報連携が全ての部隊に普及する兆しがあり、遠からず個々人の近接戦闘要員へも広域多用途無線機の簡易版、個人用小型情報端末の普及も進むでしょうから、大容量の伝送線確保が急務となるでしょう。ニュートリノ素粒子のような透過性の高い素粒子を用いた通信などは潜水艦用に研究があるとのことですが、陸上車両用には実現しておらず、現在の技術延長線上で対応するとなりますと無人機と無人車両に装甲車となる。

 ただ、基地局受信感度を抜本的に向上させることで、送信体系の装備簡略化と共に基地局数の増大を圧縮する可能性があり、単純に通信量増大へ基地局の実の増大で対応する以外の選択肢は残ります、しかし必然的に増大する通信量に対応する基地局機能と通信端末の持続的近代化は瞬時でも怠れば民間通信応力との通信能力格差が表面化し、勿論脆弱性により我が国が本土で想定するような有事には対応できない為利用は制限されるのですが、第一線部隊からの懸念が寄せられることは否定できません。

 実は通信科部隊はその装備更新を丹念に行えば、単一種類の正面装備よりも遥かに多くの費用を必要とする分野でもあります、他方で情報優位が戦域優位に直結するとは、遥か昔からの鉄則であり、ナポレオン戦争時にウェリントン将軍が、生涯最も悩んだのは戦場の丘の向こうがどうなっているかであり勝機は丘の向こうを知る事であったがその手段がなかった、と回顧している点にすべてが表れているといえます。

 他方、通信部隊の広範な戦域通信網整備へ確たる常続的施策への共通理解が全自衛隊規模で共有できれば、例えば偵察機材や無人航空機等の制御と情報伝送等の装備体系の独立性への固執から自衛隊通信基盤依拠を前提とした装備簡略化等が実現でき、これは指揮官の状況認識基盤の向上、遠距離火力投射能力効率化による基数弾薬の有効利用による戦闘能力向上などにも寄与するといえましょう。

北大路機関:はるな くらま
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防衛装備庁技術シンポジウム2015 ホテルグランドヒル市ヶ谷 にて明日から開催

2015-11-09 19:05:31 | 先端軍事テクノロジー
■防衛装備庁技術シンポジウム2015
 防衛装備庁技術シンポジウム2015,明日から二日間、防衛省本省に隣接したホテルグランドヒル市ヶ谷にて執り行われます

 これまで防衛省技術研究本部防衛技術シンポジウムとして行われてきましたが、防衛装備庁の発足に伴い名称を防衛装備庁技術シンポジウム、としたものです。事前登録ではなく、当日手続きを行う事で自由に聴講することができ、また、各種装備品の技術資料などの映像や施策装備等の展示も行われます。

 一日目は、防衛生産・技術基盤戦略及び総合取得改革,超音速機研究および高高度無人機研究,軽量戦闘車両システムの研究フィージビリティスタディ&乗員防護技術,サイバー攻撃対処技術に関する研究,2波長赤外線センサを用いた2波長融合処理について,CBRN脅威評価システム技術の研究,などの講演が行われるとのこと。

 二日目の講演は、防衛技術・装備品等の海外移転管理及びデュアルユース技術管理に係る経済産業省の取り組み,平成27年度安全保障技術研究推進制度について,人工知能と人工意識の未来~機械と脳の競争と協調,日米共同研究「高速多胴船の最適化」について,CB防護技術に関する日英共同研究プロジェクト,CBRN対応遠隔操縦作業車両システムの研究,艦艇装備研究所における無人航走体技術への 取り組みについて,など。

 昨年度の防衛技術シンポジウム2014では、将来戦闘に帰還する防衛省技術研究本部の技術開発とその方向性や将来航空戦に関する視座などが示され、どういった任務へ対応するための研究が進められているか、また、その構想を実現するための技術面の研究はどの程度まで進展しているのか、これまで蓄積された技術に依拠しての開発研究と構想等は大きな注目を集めました。

 今年度のシンポジウムにおいて注目したいのは、軽量戦闘車両システム、高速多胴船の最適化、CBRN対応遠隔操縦作業車両システム、など。軽量戦闘車両システムは装軌型の機動戦闘車というべき新区分の車両で将来戦車研究の一視点として受け取る事が出来る次世代車両の研究です、高速多胴船の最適化はコンパクト護衛艦以降の小型水上戦闘艦艇に関する部分研究として考えられます、CBRN対応遠隔操縦作業車両システムは福島第一原発事故を受け開発が進められた装備ですが無人陸上装備体系の要素を多分に含むものです。

北大路機関:はるな くらま
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岐阜基地航空祭2015詳報【第八回】 岐阜飛行開発実験団、最新装備の展示群

2015-11-08 22:12:50 | 航空自衛隊 装備名鑑
■岐阜基地最新装備の展示
 地上展示装備の写真と共に、当日話題となりました新型カメラの話題を。CANONの新型コンデジ、G-5XとG-9XがG-7Xに並び新たに市場へ投入うされました。

 実は当方も次期コンパクトデジタルカメラ選定、通称C-X選定を進めています、岐阜基地でC-Xはどうなるのだろうか、とか熱く語っていると、周りの会話を一部だけ聞いている方が当方と遠方のC-2輸送機を何度も見比べるという一幕があるのですが、Cは輸送機ではなくカメラのCです。

 PowershotG7X,こちらがG-16の次に出ましたPowershotGシリーズなのですが、レリーズ使用不能、光学ファインダー廃止、と、コレ、ホントにGシリーズなのかね、と気になる部分が多いのですが、つい先日はいつ倍になったばかりのPowershotG5Xがこの二つの部分を後継機種として備えていました。

 しかし、CANONのコンデジ最上位機種というはなしではあるが、G5Xは光学ファインダーを電子光学ファインダーとして、一眼レフのようなペンタ部に統合していますので、なんとなくネオ一眼、つまりレンズを交換できない一眼レフですが、ネオ一眼としての機能をもっているのではないか、とも。

 そしてPowershotG5Xは実売価格が9万円前後と、一眼レフのEOS-KissX7本体価格の倍近い値段なので、コンデジ=安価、という構図が崩れてしまっているというのと、手を簡単に出せるものではないなあ、と。対して小型の最上位機種としてPowershotG9Xが出たのだけれども、これはこれで。

 カメラの話題で、更にPowershotG5Xを買いに行ったらば、予約していなければ買えませんよ、とそっけなく突き返された、というお話を聞きまして、一応売れている機種ではあるようです。CANONユーザーは、まちがえてもCOOLPIX P7800なんかには手を出さないでしょうが、FUJIFILMX-30はどうか。

 CANONユーザーがコンデジだけNIKONを調達すると、ちょっと格好悪いという気はするのですが、COOLPIX P7800、お値段はPowershotG5Xの四割程度、お値段手頃で必要な性能を十分満たしているので気にはなるのですよね、買う買わないでは後者ですが、このくらいのものをCANONが出さないかという事で。

 一方でFUJIFILMX-30については、CANONも要注意しなければならないだろうなあ、と。FUJIFILMの一眼レフで全部そろえて航空祭の臨むというのは性能上無理なのだけれども、コンデジだけX-30を携行する、というものは、特にコンデジなのにズーム操作がマニュアル式ということで他に競合相手が無い為、別カテゴリといえる。

 FUJIFILM X-30は従来のFUJIFILM X-20に電子光学ファインダーを搭載したもので、外見がさっぱりしているのが特色です。電子光学ファインダーは接眼レンズに顔が近づくとセンサーが感知してファインダー内に映像を投影するのですが、X-30はG5Xよりも反応時間が早い。S-95後継機種に検討している方も、電子光学ファインダーって使い勝手どうなんだろ、と気になる模様だ。

 一方で、EOS-7Dを当方もその方も使っているのだけれども、薄暮の時間帯ではEOS-7Dは性能的に限界が来ているので、そろそろmark2に買い替えようと思う、との事です、やはりEOS-7D後継機にはほぼ全員がEOS-7Dmark2だ、と答えるのですよね。当方も一眼レフに関しては例外ではありません。

 コンデジ、というよりも一時期はやったネオ一眼に近いですが、CANONの新型PowershotG3にも注目です、実に600mm相当の超望遠ズームが、電子ズームではなく光学ズームで可能という事で、その分本体のおおきさはミラーレス一眼よりも大型になってしまいましたが、ズームとしてはコンデジの区分を出ているほど。

 G3は用途としては登山など、望遠レンズを持ち歩けない方へ、という需要見積から開発されたもの、との事です、しかし、600mmとなれば当然航空祭に対応するのかという視点になってきましょうが、物凄く素早く動く被写体に対しては、ピントが合う前にフレームアウトしてしまう可能性が高いかな、と。

 G3にダットサイトを装着し、航空機をおう事は機能としてできるでしょうけれども、カメラ本体が目標を認識しピントを合わせられないのではちょっと困りもの、勿論お値段がG-3は一眼レフのキットレンズでおなじみ、18-200mmISレンズと同程度ですので、価格相応の性能だ、といえばそれまでなのでしょうけれども、ね。

 ミラーレスについては、CANONではEOS-M,最初のEOS-Mはポートレートと風景写真以外全く使えないほどAFが像を結びませんでしたが、EOS-M3はずいぶん早くなりました、それで、続いて出たばかりのEOS-M10は使えるのか、という話題になりましたけれども、EOS-M10,使ってみた事は、実はある。

 結論ですが、EOS-M10に300mmF2.8ISを取り付けても、恐らく航空祭を十分満足した写真を撮影する事は無理なのでは、という程度のAFの速度でした、聞けばEOS-M2のセンサーを応用しているので、EOS-M3程はやくない、とのこと。そのうち技術が進めば、十年後くらいにはEOS-KissN程度のAF速度を期待したいですね。

 そして、EOS KissX-7の小型さの凄さなどを語り合っていますと、まあ飛行展示再開までの時間稼ぎとなりました。編隊飛行午前の部が終わってから少なくなっていたここ南側会場最前列付近にも、岐阜基地名物異機種大編隊の時間が近づくと共に、徐々に喧騒と活気が戻ってきましたよ。

北大路機関:はるな くらま
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岐阜基地航空祭2015詳報【第七回】 岐阜飛行開発実験団、第一回編隊飛行

2015-11-07 22:15:12 | 航空自衛隊 装備名鑑
■岐阜航空祭第一回編隊飛行
飛行開発実験団の航空祭、今回は午前中の編隊飛行を中心に、メイン会場と南側会場での写真ですが、その待ち時間、雑談はやはり空腹の話題に。

自衛隊の航空祭ではお目に掛かりませんが、米軍基地の定番はペパロニピザ、ピザソースとチーズ、それにサラミと若干のオニオンだけ、という定番のピザでして、我が国のピザはコーンにツナにマヨネーズと、本家本元のピザ大国アメリカから不審の目で見られるものばかり載せて単価が大きくなっていますが、シンプルが最高だ、とペパロニピザは教えてくれます。

頑丈な紙の箱に収まるピザは米軍ピザとして、横田日米友好祭にて開門一番に基地へ入り、4~5箱積んで帰宅しホームパーティへ進む猛者も。シンプル、というもの、本場から離れれば複雑怪奇なものになりまして、日本からは鮨がアメリカでカルフォルニアンロールとして滅茶苦茶なものになっているをみるようなものなのかもしれません。

ステーキ、探してみますとステーキ串500円、というワゴンは来ていました、何か違うのですよね、米軍基地ではプラスティックフォークとプラスティックナイフで固い米国産牛肉ステーキに挑むのですが、焼き加減次第で物凄く柔らかく、そして美味しいものがあります。焼き手の得手不得手がある、ということ。

岐阜基地航空祭では、ステーキ串まで、でしょうか。佐世保バーガーに行列ができていまして、ボリュームジューシー、もといボリューム重視は佐世保バーガーのみのもよう、ナイフとフォークでガシガシ頂き、航空祭を見上げる、そんな需要が航空祭に求められるのは米軍だけ、というものなのでしょうね。

一番近いものは那覇基地航空祭の出店でしょうか、千歳基地航空祭も凄かった。 いや、小牧基地航空祭の浜焼きはシーフードが安く食べられて、しかも焼きたてで大きう、あれはあれでよかったなあ、とも。新田原基地航空祭の地鶏黒焼きは1000円でしたが、タッパーにあふれる程の美味い地鶏がよかった。

航空祭で美味しいものを頂くためには、やはり数人で展開し、撮影位置を保持し合って交代で食べ歩きに行ける事がコツです、築城基地航空祭や百里基地航空祭に小松基地航空祭ではこれが難しかった、千歳基地航空祭は一人でしたが、混雑前にブルーインパルスを南千歳駅で撮影するべく転進したので、その際に廻れました、入間基地航空祭でも同じ。

例外は、ブルーインパルスが飛行する時間帯でも人口密度に余裕があった鹿屋航空基地祭、あとは那覇基地航空祭で気づけば周囲全員伊丹空港か関空から展開の方々ですぐ打ち解け和えた時などは、お互いで荷物視ていてもらいました、遠方の航空祭ほどまだ混雑していない印象です。那覇航空祭でブルーインパルスの真ん前で頂いたタコライスはほんと美味しかったなあ。

待機時間が長いといろいろな話題、ご一緒した方々との話題、他の航空祭では初対面の方との雑談等に花が咲きます、他の航空祭で初対面の方々とお話しする際には、遠方の方ですと他の航空祭や駐屯地祭の情報交換、撮影ポイントやビジネスホテルに温泉など、撮影場所の転換のタイミングなど話題に。

情報交換は非常に重要で、例えば築城基地航空祭のプログラムへの傾向と対策をお教えいただき、お返しに新田原基地航空祭の眺鷲台展望台から基地への移動のタイミングなんかを、何故か小松基地で情報交換したこともありました。地元の方がお隣にいますと、地元の名物などお教えいただくことも多い。

今回の話題は、今季アニメの批評など。今期は不作ではないかといわれる昨今ですけれども、当方が観ている作品は続編ものを中心に新作も、コメット・ルシファー、終物語、ランス・アンド・マスクス、学戦都市アスタリスク、緋弾のアリアAA、櫻子さんの足下には死体が埋まっている、という感じ。

聴いてきますと、ヘヴィーオブジェクトという作品が、軍事的に突っ込みどころが満載で逆に面白いのだとか。そして、あの手の軍事に少しでも知識があれば、若しくはなくとも気づきそうな矛盾点は、武器が出るアニメは見るという程度の一般の人にはどのように映っているのだろうか、と。

CANON PowershotG5X,もう一つの大きな話題は出たばかりの新型コンパクトデジタルカメラです。一行のうちもう一方がCANONユーザーでしてPowershotS-95を使い続けているのですが、そろそろ後継機種を、という事でお店に行くとPowershotSシリーズがPowershotGシリーズに統合されていて、検討中という。

北大路機関:はるな くらま
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平成二十七年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2015.11.07/08)

2015-11-06 23:29:18 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
晩秋のなか、いよいよ自衛隊行事も少なくなってきましたところ。

 今週末の自衛隊関連行事は、明日土曜日に海上自衛隊の小月航空基地祭、日曜日に航空自衛隊の浜松基地航空祭が行われます、航空祭2日連続という日程ではありますが、残念ながら転機の方の予報を見ますと明日は西日本から天候が崩れ始め、日曜日には中部日本も天候が崩れてしまうもよう。

 エアフェスタ浜松2015が開かれる浜松基地は、航空教育集団司令部と第1航空団に第1術科学校および第2術科学校、航空総隊直轄警戒航空隊司令部と第602飛行隊に高射教導隊、中部航空音楽隊などが展開しています。浜松基地もメイン会場と広報館側の順光の撮影ポイントに分かれています。

 小月航空基地祭スウェルフェスタ2015、関門海峡に程近い山口県下関市松屋本町に位置する小月航空基地は、小月航空教育群小月教育航空隊、第201教育航空隊、第201整備補給隊が展開しておりT-5練習機を運用しています、T-5の飛行展示は0900時からと1200時から予定されています。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭
・11月08日:エアフェスタ浜松2015…http://www.mod.go.jp/asdf/hamamatsu/
・11月07日:小月航空基地祭スウェルフェスタ2015…http://www.mod.go.jp/msdf/oz-atg/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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岐阜基地航空祭2015詳報【第六回】 岐阜飛行開発実験団、大編隊へC-1輸送機離陸

2015-11-05 22:35:28 | 航空自衛隊 装備名鑑
■大編隊へC-1輸送機離陸
カメラレンズの話題と共に、C-1輸送機の離陸と機動飛行の様子を紹介しましょう、C-1は高速で運動性が高い。

新EF100-400mmは単焦点に匹敵する画像描写力、といわれましても、うっそだぁ、と言いたくなるところで、値段も2.5倍ほど違うのですからその分の工程差がありますしレンズもF2.8の方が大きく明るい、技術差だけで物理的に越えられない壁があるのですけれども、もう一つ耳寄りな情報が、軽いよ、と。

軽い、結構重要です。カメラバックもサンニッパ一つでDOMKEバックも一番大きなものとしなければならない、 航空祭に展開するという事は、先ず基地まで前進しなければならない訳で、すると場合によっては相応の距離を徒歩機動しますし、開門その他へ待機時間も長いことがある。

現場でも機動性重視で撮影位置を細かに陣地変換した方が、重いレンズよりも一歩前に進み撮影が可能となる、といわれました。なにやら7.62mmの64式小銃と5.56mmの89式小銃、もしくは7.62mmのM-14と5.56mmのM-4M1、いやM-16A1,の違いに戸惑った世代の話を実感しているような感じ。一応将来検討してみましょう。

撮影、飛行展示は機動飛行と航過飛行がありますが、機動飛行は次の展開を予測して機首よりも前へ前へレンズを先位させ超高速で迫る被写体に都度都度ピントを合わせ短連写で2~3枚を、2~3枚を撮影です、EOS-7Dは毎秒7枚、EOS-7DmarkⅡは毎秒11枚撮影できるので、寸秒の決戦だ。

その昔は航空機撮影には其処まで連射性能は必要ないと考えていた時代もあったのですが、やはり戦闘機は物凄い速度でして、それを望遠レンズで引き付けて狙うようになりますと、連写して何枚かブレやフレームオーバーやピントズレなどで犠牲になる前提で撮影しますと、との意味が分かるというもの。

編隊飛行はひきつけ、しかし引き付けすぎてフレームから飛び出さないよう留意して、そしてピントが機体に合うよう、航空機と空のコントラストに留意して撮影です。編隊飛行では注意しなければこの種の錯誤が写真を台無しにしてしまいますので、初歩的ですが留意しなければなりません。

岐阜航空祭、稀有な編隊飛行、見事な機動飛行ともにいい写真が撮影できて、離発着もいい写真が撮れたのですが、南側会場、屋台もあります。一番の人気は佐世保バーガーでした、ただ、本場の佐世保バーガーと比べますと、そもそも佐世保市認定店なのか気になるところですが、お味の方は、本場の代用品という感じ。

人気で行列の佐世保バーガーはボリューム満点でしかも佐世保市内の佐世保バーガーよりもお安いのですけれども、こちらとしては横須賀で観艦式にあわせて横須賀ネイビーバーガーの本場をしっかり堪能、ミートパティが250gなければ認定されないネイビーバーガーを美味しく頂いたので、ちょっと屋台のものはなあ。

すると、ピザチェーン店の移動販売車が出ていまして、しかも待たずに購入できるほど人が並んでいないことに気付きます、航空祭=ピザ、この構図は岩国航空基地や横田基地に厚木基地などで御馴染みのコンビ、なのですけれども、岐阜基地航空祭でもピザ、という選択肢がある、試してみよう。

航空祭価格、いや、チェーン展開ピザの値段はこのくらいのものなのでしょうが、1ピース500円、となっていました。360度の一枚ピザに仕上げるには6ピース、お値段にして3000円でしょうか。一瞬、考えましたが、しかしそんなに食べたらこちらがピザになってしまいそうな恐れがある、2ピースに。

ペパロニピザに出来る限り一番近いものを、とおもいきや、4分ほどまたなければならないけれどもそれでいいか、と、いいでしょう。買って撮影位置に持ち帰り、さっそく箱から出して頬張りますと、おお、あつあつ、チーズが伸びる伸びる、ウーロン茶とともに航空祭の青空の下で頂いたピザはそれはそれは美味しかった。

ううむ、そういえば米軍基地であの大きなペパロニピザ、最近頂いていません、C-130の翼の下に陣取ってコーラで頂くペパロニピザ、10ドルでこんな大きなピザを米軍基地では頂けるのか、とTPP賛同に回ってしまいそうな美味しさがありました、米軍基地では巨大な鉄板で焼き上げるステーキも美味い。

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南シナ海人工島危機とASEAN拡大国防相会議決裂への我が国対応策の一考察

2015-11-04 22:20:00 | 国際・政治
■南シナ海危機と日本
 マレーシアで開かれたASEAN拡大国防相会議において、米中の南シナ海人工島に関する激しいやり取りがあり、共同宣言採択に至らず決裂しました。

 南シナ海は、我が国が面する東シナ海と比較し距離がある事から遠い東南アジア地域の問題と誤解されがちですが、東南アジア地域と日本とのシーレーンとして重要海域であり、この海域がいかなる国の領域であるかは問題ではありませんが、有事平時問わず海洋航行が制約される状況の可能性は、懸念すべき事態そのものでしょう。

 中東からの日本への石油シーレーンについては、オーストラリア南方海域を迂回すれば維持可能、という視点があり、例えばマラッカ海峡などが封鎖された状況でも日本の死活的利益とはならないのではないか、との視点はあります。しかし、東シナ海が閉鎖されますと、東南アジアから一旦豪州南方へ迂回し、日本へ向かう、という経路は選択し得ません。

 また、一国平和主義を掲げる我が国としては、憲法上の視点からは東南アジア諸国が全て中国へ武力制圧された場合でも、我が国へ直接の被害が及ばない限りは平和を訴える声明だけを発するだけで充分ですが、東南アジア諸国には南シナ海のシーレーンが遮断された場合、国家主権を維持できない状況が醸成され、仮にこの諸国が我が国シーレーン遮断を支援した場合、我が国への危機は看過できないものとなります。ですから、万一の際には防衛力を投射できる体制を以て、例え有事の際に、想定外故に対処不能です、という、あの東日本大震災で多用された方便を回避せねばならない。

 ここで、南シナ海において中国が人工島を造成し、ここを領土の起点として領海と接続水域並びに排他的経済水域を設定する目的を考えてみます。第一に海底資源を獲得する、中国はアメリカに並ぶ世界第二位の石油輸入国となっており自国での資源獲得の必要性が生じています、第二に、アメリカと関係が悪化した際の、大戦中に日本が設定した絶対国防圏のような防衛上の外郭線を構築する必要がある、という事が考えられます。

 海底資源開発を行う場合、特に南シナ海南沙諸島は東南アジア諸国の領域を中国が一方的に領有化を宣言し軍事力を背景に開発を強行しようとしている状況がありますので武力紛争への発展は必至であり、この海域において武力紛争が発生する事は、文字通り日本のシーレーンを遮断する事となります。第三国として日本行きの船舶だけ航行する、ということも、そもそも船舶にはサボ等は取り付けられておらず、行き先が不明ですので紛争地の戦闘海域を突破する事は出来ません。

 すると、日本としては関与する、つまりシーレーン遮断に至らないよう中国の人工島造成を撤去に追い込むための施策を行うか、シーレーン遮断を念頭に有事の際に南シナ海のシーレーンを維持するためのシーレーン保持を展開するに十分な海上航空防衛力と陸上防衛力の周辺国への投射準備を行うか、または日米関係を再編する覚悟を以て中国側を支持するか、と。

 海洋自由原則に代わる海洋原則は有り得ませんので、中国支持という選択肢という可能性は有り得ません、中国と戦争を回避する上では必要だとの視点で反論があるならばその選択肢はアメリカとの戦争に発展する可能性があり、最大の愚策です。シーレーン遮断を念頭に危機が起きてから対応する条件での原則は、憲法上最も妥当な選択肢です、が、武力紛争の規模は憲法を根底から変える程の規模となるでしょう。

 結果的に選択肢は、海洋自由原則を第一として人工島の領域基点化を認めないというもののほかに考えられません。この施策として我が国が執り得るものとしては、第一に海上保安庁の大型巡視船を強化し東南アジア諸国とのテロ対策及び海賊対処能力強化の共同訓練を行う、第二に護衛艦の東南アジア地域親善訪問と防災訓練を強化しその際に南沙諸島海域において東南アジア諸国海軍との親善訓練を行う。第三に南沙諸島海域への東南アジア諸国の人工島造成支援をODAにより行う。など。

 少なくとも現状の放置は憲法上の選択肢としては正しいのですが、それにより悪化する南シナ海情勢を回復させるには時間を経れば経る程に難易度が高まるでしょう。しかし、憲法上は東南アジア諸国と連携しての武力紛争回避の防衛協力は不可能です、故に可能な範囲内で防衛力による抑止力を以て南シナ海での紛争回避の努力を行うべきでしょう。ASEAN拡大国防相会議決裂は異常事態であり、何らかの対応が必要だ、この点だけは確かです。

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岐阜基地航空祭2015詳報【第五回】 岐阜飛行開発実験団、KC-767空中給油展示

2015-11-03 22:28:00 | 航空自衛隊 装備名鑑
■KC-767展示飛行
 岐阜基地航空祭、幸い最前列付近の撮影位置を確保出来ました、青空が広がる環境下、最高の撮影位置です。

 南側会場から入り、最初に順光の環境から青空を背景に航空機の美しい写真を収め、メインの大編隊と航空祭の盛況ぶりを午後からメイン会場で堪能しよう、という撮影時間配分もありでしょう、航空機を撮りに来たのではなく、航空祭へ写真を撮りに来たのだから、という考え、なのでしょうか。

 離陸する航空機も着陸する航空機も、思った通りの情景を撮影できたのですが、400mmISの長望遠レンズか×2テレコンバータを導入してもう少し望遠撮影能力を向上させられればなあ、と。決して短いレンズではないのですが、切替して遠方を旋回する航空機を撮影するには、やはり420mm相当では短い。

 もっとも、旋回する航空機を遠距離から撮影する場合、被写体の動きが緩慢で撮影する分には単に楽だ、という理由でもあります、しかし航空祭の見どころは機動飛行で、超望遠で遠くの航空機の旋回を撮るよりも、間近に迫る航空機を技術の実で撮影するほうが迫力があるのも確かだけれども。

 旋回動作や機動飛行の捻り、特に航空機の背面部分は普段の滑走路エンド付近での離着陸撮影時では見えないものですから、航空祭に折角足を運んだものなので、機動飛行で背面が地上から見える、大きな旋回の瞬間、捻り込みの瞬間というものを見逃さずにばちんとカメラに収めたい。

 戦闘機の動きが読めない以上、一瞬も目を離さずにカメラで追尾するのですが、連写には注意が必要です、被写体は新幹線の倍以上という物凄い速度で迫ってくるのですから、数枚十数枚連写しているだけでカメラのピントの圏外まで迫ってきてピンボケするのみ、2~3枚の点射でピントをAFで切り替え続ける。

 AFを多用するようではおしまい、とはオートフォーカスレンズが導入され始めた頃の話ですが、航空機、特に戦闘機の機動飛行に関してはマニュアルフォーカスで機動飛行に追随できるほどの技術が欲しい、AFよりも技術面でMFで対応できる技術があるならば、そちらのほうが間違いのない写真が期待できるでしょうね。

 一脚持ってきたらよかったかな、と一瞬や二瞬と考えるようになるほど重さが圧し掛かってきます、ただ、そこは、いやいや総合火力演習や観艦式と違って戦闘機は機動飛行ですぐに背後や頭上に飛び上がり飛び去る、一脚なんかあっても邪魔なだけだ、と言い聞かせるのですが、64式小銃と同じ重さのカメラを銃床使わず腕力だけで振り回しているところ。

 EF100-400mmISmarkⅡは凄いらしい、そんな話を方々で聞きます、以前の直線ズーム式のEF100-400mmISも便利な望遠ズームレンズとして親しまれていたのですが、新型は旧型発表から12年を経て投入された最新型、その技術進歩は一説には単焦点レンズに匹敵するものだとか。

北大路機関:はるな くらま
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陸上防衛作戦部隊論(第三六回):装甲機動旅団編制案の概要 通信科部隊の設計

2015-11-02 23:17:52 | 防衛・安全保障
■大隊編成と盤石化
装甲機動旅団案、今回は通信部隊について提示します。

通信大隊については、通信部隊ですので部隊規模をやや縮小し増強中隊規模である通信隊とする案、そして通信大隊を置くという選択肢があります、この部分についてでが、戦域通信網構築という意味から旅団通信中隊や通信隊編成では対応が困難となるでしょう、我が国への直接武力侵攻が展開される際には必ず海空での航空優勢と制海権確保に依拠し着上陸するものであり、端的には衛星通信回線や戦域内での民間通信インフラへ重大な打撃を受ける前提において独自の通信網を構築する困難さ故です。

戦域通信は民間通信インフラをどの程度応用するかにより、その部隊規模が決まります、視点によっては、例えば民間インフラ通信基盤への積極攻撃が避けられる地域紛争の実例が多い為、万一の際には一定程度民間通信基盤の応用を考える余地がありそうですが、二つの理由から本論では独自の通信基盤を重視すべきという結論に足しました。

第一に我が国の防衛政策は専守防衛であり国土戦となる事から我が本土への直接武力侵攻を試みる勢力に対し民間インフラ破壊を忌避する要件が無いこと、第二に装甲機動旅団など機動運用部隊は機動力を第一とするため、通信地域格差の偏差によりその恩恵を受けられない可能性が高いこと、以上です。

通信部隊の任務は搬送、有線無線通信網、システム構築、等に挙げられますが現在の師団通信システムは、電子交換装置交換装置系、幹線無線局地無線搬送装置と光伝送装置伝送装置系、移動加入基地局装置移動加入端末装置符号変換装置及び画像端末装置等端末装置系、多重データ回線連接装置系、として高度にクラウド化され盤石なシステムを構築するに至りましたが、通信量は確実に増大するため、装備群は拡大せざるを得ないでしょう。

装甲機動旅団の特色は航空機動旅団に対し、地上部隊の衝力持続性の大きさ、部隊の機動力の大きさは挙げられますが、航空機動部隊程の速度を持たないと共に航空機材よりは地上装甲部隊に重点を置いており、加えて地上基盤の通信網から部隊が逸脱した場合、早期の位置変換による通信網再加入への時間的空隙が如何にしても増大するという地上部隊故の難点からは逃れることが出来ません。

すると、小型装甲車を含めた地上伝送体系のクラウド化一層の増進、一部の通信基盤のdンし標定を受けての破壊を前提として、その破壊を受けた場合でも全体力をいち早く修復する機構の設計、更に技術研究本部により開発が進む無人車両体系を用いて、特に移動加入端末装置と移動加入基地局装置の発信装置は電波標定による位置暴露の危険性から陣地変換の恒常化による脆弱性払拭が必要となりますが、小型車両派生の遠隔操作式発信装置を、例えば戦略機動に際しては装甲車等により牽引し、戦闘加入に際し遠隔操作するなどの手法で生存性を高めるべきです。

北大路機関:はるな くらま
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航空防衛作戦部隊論(第二〇回):航空防衛力、機動戦闘施設部隊増勢の必要性

2015-11-01 22:01:15 | 防衛・安全保障
■日本版シービーの必要性
基地分散運用へは、単純に戦闘機を中隊ごとに分散する指揮命令系統だけではなく、基地機能そのものを分散させる枠組みが必要となります。

航空自衛隊には航空方面隊毎に航空施設隊が置かれています、基地業務隊施設隊という編成が戦闘機部隊である航空団や航空隊毎に置かれていますが、航空施設隊は機動運用部隊となっていまして、建機と除雪機材を中心とした装備は航空祭の装備品展示などでも並んでおり、装備を見ることが出来ます。航空攻撃などに際しては既知復旧の骨幹戦力となる事は云うまでもありません。

この観点から、例えば日本版シービーの必要性について、戦闘機部隊分散運用の面から考える必要が出てくるかもしれません。Seabee、海軍建設隊というアメリカ海軍の作戦部隊で、元々は第二次大戦前夜の時期に艦艇基地の前線施設工事や航空攻撃などにより損傷した飛行場施設の復旧と平時における施設建設、部外工事も含む組織です。特筆すべきは近接戦闘任務御含まれており、前線工事中に襲撃を受ければ歩兵としての役割も担う。レッドホースとしてアメリカ空軍の機動施設部隊がありますが近接戦闘部隊としての位置づけが違います。

航空施設隊を大幅に増勢し、必要ならば基地防御を行う前線部隊として対応する案でして、場合によっては海上自衛隊のミサイル艇部隊や艦艇基地の復旧を統合任務部隊に参加する事で対応する事も視野に含む案で、航空団の分散運用を行う上で展開する民間飛行場を臨時に暫定分屯基地へ拡張する際の工事、更に物資調達や有事における民有地借地に関する会計業務を含む機動業務隊としての任務も含み考えるべきでしょう。

その必要性についてですが、近年、大陸からの巡航ミサイル脅威が着実に増大しているほか、我が国を射程に収める中距離弾道弾の脅威も増加していますので、現状のままでも航空施設部隊は充分とはいえません。一方で航空施設隊をそのまま群編成の拡張という形で改編するのではなく、日本版シービーとしたのは機動運用を自走だけではなく輸送機や輸送艦等による機動展開に適した小型車両などを中心とする視点です。

航空施設隊の歴史は非常に長いものがありまして、1961年に創設、最初に創設された部隊は北部航空施設隊で除雪作業任務にあたりました、この他基地とレーダーサイトなどの分屯基地に撃おける土木工事とボイラーや空調施設工事を担ってきまして、北部航空施設隊は2個作業隊、中部航空施設隊は3個作業隊、西部航空施設隊は3個施設隊、南西航空施設隊は1個作業隊を隷下に置いています。

航空自衛隊の航空施設隊は、平時には基地施設補修と建設を担っていますが実戦部隊でもあり、例えば空爆からの基地復旧訓練としまして、演習場に模擬滑走路を構築し500ポンド爆弾数発分相当の爆薬を設置し実爆により模擬滑走路を破壊、そこから滑走路を復旧し基地機能を回復する実戦的な訓練も行っていますが、巡航ミサイル脅威と中距離弾道弾脅威が着実に増大している現状からみても部隊規模は充分とは言えません。

北大路機関:はるな くらま
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