北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】日本・ポーランドのイージスアショア情報と超兵器AGM-183極超音速ミサイル

2021-09-14 20:12:20 | インポート
■週報:世界の防衛,最新11論点
 防衛情報、今週はイージスアショアを筆頭にミサイル防衛や防空と地対艦ミサイルなどミサイル関連の最新11論点を視てみましょう。

 自衛隊が導入を予定しているイージスアショア陸上配備型ミサイル防衛システムの代替装備として防衛省は多胴船型イージスシステム搭載艦を建造する方針を示した、4月28日付読売新聞が報じている。イージスアショア陸上配備型ミサイル防衛システムはミサイル迎撃の際に切り離したブースター部分が陸上の自衛隊敷地外に落下するとして中止された。

 多胴船型イージスシステム搭載艦は洋上において安定したプラットフォームとなる利点があるが、既に防衛省が発注したSPY-7レーダーは海上配備用にアメリカ海軍が導入するSPY-6と異なり洋上運用を想定していない為、不具合の懸念が拭えない。これも含め、多胴船型イージスシステム搭載艦について、政府は民間企業へ調査研究を依頼するとのこと。

 多胴船型イージスシステム搭載艦は海上自衛隊では音響測定艦ひびき型などで実用化されていますが、イージスシステムを搭載するには音響測定艦よりも船体は大型化すると思われ、アメリカ軍ミサイル防衛局のSBX海上配備Xバンドレーダーのような双胴船を想定しているのかもしれません。SBXは排水量50000t、弾道ミサイルを洋上で監視する装備です。
■ポーランドイージスアショア
 日本も無理に新しくせず使い慣れたSPY-1を陸上配備していればと思う事もあります。

 アメリカのMDAミサイル防衛局は6月22日、ポーランド国内へのイージスアショア陸上配備ミサイル防衛システム建設を開始したと発表しました。設置場所はポーランドのレジコボ基地です。MDAミサイル防衛局は2010年に東欧配備を決定、チェコに一カ所、ポーランドに二箇所イージスアショア陸上配備ミサイル防衛システム設置を発表しています。

 イージスアショア陸上配備ミサイル防衛システムは当初、イランから西欧地域を狙う弾道ミサイル防衛に充てる計画ですが、ロシア政府がNATOへの自国によるミサイル抑止力への重大な挑戦であるとして2010年より一貫して反発しており、NATOとの冷戦後の蜜月関係は一転しました。ただ、欧州地域は、新たに北朝鮮ミサイルの脅威に曝されています。

 イージスアショアはレーダー部分と共に迎撃にはスタンダードSM-3を用いる事となっています。日本ではイージスアショア配備計画に際し落下するブースター部分の危険が問題となっていますが、ブースターが落下した場合よりは弾道ミサイル、特に核弾頭が落下し人口密集地で爆発した場合の方が危険は大きく、欧州ではそれ程、問題視されていません。
■SPY-1方式イージスアショア
 ポーランドに新しく建設されるイージスアショアについて。

 アメリカのMDAミサイル防衛局がポーランドのレジコボ基地に建設を開始したイージスアショア陸上配備ミサイル防衛システムはSPY-1レーダーを採用します。SPY-1レーダーはタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦やアーレーバーク級ミサイル駆逐艦、こんごう型ミサイル護衛艦、あたご型ミサイル護衛艦、まや型ミサイル護衛艦に採用されているもの。

 イージスアショア陸上配備ミサイル防衛システムは日本でも建設に向けレーダーアンテナが既に発注されていますが、実績の無いSPY-7レーダーを採用する事となりました。SPY-1レーダーよりも探知距離が大幅に強化されているデータは存在するものの、アメリカ本土防空用にアラスカに設置される以外現時点で全く実績が無く、この点で対照的決定です。
■改良型中距離地対空誘導弾
 改良型03式中距離地対空誘導弾は将来的に射程延伸型がペトリオットの後継となり得るのか気に成りますね。

 陸上自衛隊は初の改良型03式中距離地対空誘導弾の配備を開始しました。これは4月16日に沖縄県の沖縄本島に所在する知念分屯基地において報道公開されたもので、第15旅団第15高射特科連隊隷下の第1中隊へ配備されたもの。03式中距離地対空誘導弾は改良ホークの後継として開発されたもので、改良型は射程等が従来よりも延伸しているとされる。

 03式中距離地対空誘導弾改、通称“中SAM改”の配備は第15旅団が最初となります。03式中距離地対空誘導弾は沖縄本島に加え沖縄県内で宮古島及び石垣島へ配備されていますが、陸上自衛隊はこれらの03式中距離地対空誘導弾も順次改良型へ置き換えてゆく方針です。また03式中距離地対空誘導弾の射程延伸は今後も継続的に行われるとされています。
■M-SHORADストライカー
 米軍の弱点は野戦防空、M-SHORAD防空型ストライカー装輪装甲車は海兵隊に提示された防句型LAV-25の様な立ち位置なのか本気なのか。

 アメリカ陸軍は在独米軍部隊へM-SHORAD防空型ストライカー装輪装甲車の配備を開始した。M-SHORADには、MEP多用途砲塔にスティンガーミサイル四連装発射装置とM-914/30mm機関砲及びM-240/7.62mm機銃に加えロングボウヘルファイアミサイル2発を搭載し、IFF敵味方識別アンテナ及びGCS複合光学兼赤外線照準装置を搭載している。

 M-SHORAD防空型ストライカー装輪装甲車の配備は4月、在独米軍の5/4防空砲兵大隊こと代4防空砲兵連隊第5大隊へ配備されており、在独米軍のミサイル防衛強化に資するとのこと。M-SHORAD防空型ストライカー装輪装甲車には弾道ミサイル迎撃は不可能ですが、ペトリオットミサイルを自爆型無人機等の攻撃から防護する運用が考えられるでしょう。
■NASAMS-AMRAAM-ER
 自衛隊の03式地対空油満天星射程延伸の話題と共に所謂西側のミサイル装備体系で最大射程がロシアと比べ少し短いように思える。

 アメリカとノルウェーが共同開発する中距離防空システムNASAMS-AMRAAM-ERは2021年5月、初の発射試験を完了させました。これはアメリカのレイセオンミサイルディフェンス社とノルウェーのコングスベルク社が共同で実施するもので、AMRAAM空対空ミサイルを地対空ミサイル型としましたコングスベルク社製NASAMSの最新改良型です。

 NASAMS-AMRAAM-ERは射程延伸型のAMRAAM-ERをNASAMSミサイルシステムへ適合化させたもので、発射試験はノルウェーロフォーテン諸島最北部のアンドーヤロケット発射場にて実施されています。これは発射装置への適合性を試験したもので、NASAMSのレーダーシステムへの適合試験は年内に再度実施、2022年に開発を完了する計画です。
■ルーマニアNSMミサイル導入
 自衛隊の地対艦ミサイルと立ち位置的に同じものですが地対艦ミサイルという新しい潮流が周辺情勢にどう影響するのか。

 ルーマニア軍は黒海防衛強化の為にノルウェー製NSM海軍打撃ミサイルの導入を発表しました。NSMミサイルは地対艦ミサイルで元々はノルウェーのコングスベルク社により同国海軍が運用したペンギンミサイルの後継として開発されていますが、現在はレイセオンミサイルディフェンス社が供給を担当します。このミサイルは地形追随飛行能力を持つ。

 NSM海軍打撃ミサイルはトラックにより機動し沿岸部から射程180kmの打撃力を発揮します。アメリカ海兵隊などでも島嶼部戦闘へ有用性の高い次世代装備と見做されており、ルーマニア軍は2024年までに配備開始する計画です。ただ、ルーマニア軍の配備要求数は2億8600万ドルと見積もられており、経済的な問題が配備を遅らせる可能性はあります。
■ルーマニアペトリオット採用
 アメリカとの相互互換性を考えた結果なのでしょうが、東欧諸国は最近西欧装備よりもアメリカ製装備を重視しているように見える。

 ルーマニア陸軍は2022年にレイセオン製能力向上型ペトリオットの受領を開始する。ルーマニア軍は黒海沿岸部の緊張増大を受け2020年にペトリオットミサイルの緊急導入を発表、これを受けて、アメリカ政府及びレイセオン社は記録的とされる迅速な供給実施により2020年9月にペトリオットミサイル一個中隊所要をルーマニア軍へ配備する事となった。

 ペトリオットミサイル能力向上型はレーダー情報処理能力や戦闘指揮装置及び指揮統制能力に関してプログラム能力向上が行われているとのこと。2022年に新しく導入される一個中隊が能力向上型であり、更に現在運用しているルーマニア軍一個中隊も能力向上型へ改修されるとのこと。黒海はウクライナ東部紛争やロシアシリア展開の影響を受けています。
■LRSO戦略スタンドオフ兵器
 日本のスタンドオフミサイルシステムより一桁上での導入計画がアメリカでは進む。

 アメリカ空軍はLRSO戦略スタンドオフ兵器システムの開発についてレイセオン社と20億ドルの契約を結びました。この契約は最終段階に当るEMD製造開発フェーズにあたるものとされています。LRSO戦略スタンドオフ兵器システムは戦略爆撃機などに搭載する核弾頭搭載の空中発射巡航ミサイルで、射程は1500マイル即ち2414kmを発揮するもの。

 LRSO戦略スタンドオフ兵器システムは正式名称をAGM-129A、ステルス性と超音速巡航能力を有しており、現在運用されるAGM-86空中発射巡航ミサイルが2030年代に退役するのに合わせて開発されており、現在搭載が計画されているのはB-52ストラトフォートレス戦略爆撃機、そして開発中のB-21レイダー戦略爆撃機へ搭載される計画となっています。

 B-21レイダー戦略爆撃機とB-52ストラトフォートレス戦略爆撃機が提示されていますが、B-1ランサー戦略爆撃機とB-2アメリカンスピリッツ戦略爆撃機の名が提示されていません、これは爆弾倉に搭載できるかというLRSO戦略スタンドオフ兵器システム筐体そのものの大きさとともにこの二機種の爆撃機の将来展望が示されているとも理解できましょう。
■AGM-183AARRW
 日米の想定戦域が重なり装備互換性を真剣に考えると、日本の装備体系の射程などに関する基本的な考えはこのままで良いのかと素朴な疑問を感じる時があります。

 アメリカ空軍はAGM-183AARRW極超音速ミサイル初の実弾頭発射試験を実施しました。支援はフロリダのエグリン空軍基地第780実験飛行隊がB-52ストラトフォートレス戦略爆撃機による発射試験を成功させました。AGM-183AARRWは4月にも南カリフォルニア沖ポイントマグ訓練海域にて試験を実施していますが、この際には発射に失敗している。

 AGM-183AARRW極超音速ミサイルは空中発射高速応答兵器とも称される新世代のミサイルであり、脅威情報に際し即応し発射すると共に極超音速により極めて短時間で目標に対処可能となっています。アメリカ空軍ではAGM-183AARRWと同時期にAGM-129Aを開発していますが、AGM-183AARRWは通常兵器、AGM-129Aは核兵器という点が違います。
■米海兵隊トマホーク導入
 島嶼部防衛で南西諸島を考えますと日本も今後ミサイル主義時代へ転換してゆくのでしょうか。

 アメリカ海兵隊はNSM地対艦ミサイルに加えて新たにトマホーク巡航ミサイルの導入を開始します。アメリカ海兵隊が導入するトマホーク巡航ミサイルはRGM-109EとUGM-109Eであり、48発を9600万ドルで取得するとのこと。これらはアメリカ海軍で運用、射程1670kmと海兵隊が導入する地対艦ミサイルよりも射程が大幅に延伸しています。

 トマホーク巡航ミサイル、アメリカ海兵隊では地上発射型ミサイルとして運用しますが、これは近年特に重視する太平洋地域での島嶼部戦闘において水上戦闘艦に依存しない海兵隊の打撃力強化を目指す施策の一環、射程1670kmは1987年の中距離核戦力全廃条約加盟により通常弾頭型でも地上配備は出来ませんでしたが、トランプ政権時代に脱退しました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【防衛情報】空母クイーンエリザベス横須賀出航と中国軍九州台湾沖活動,北朝鮮新型ミサイル

2021-09-13 20:21:58 | 国際・政治
■特報:世界の防衛,最新論点
 防衛情報の最新防衛及び時事情報についてお伝えします。

 横須賀基地を初めて寄港したイギリス空母クイーンエリザベスを6日、岸防衛大臣が視察しました。クイーンエリザベスは5月にイギリスを出航、8月に日米英共同訓練を実施したのち、4日に横須賀入港、我が国では安倍政権時代より、自由で開かれたインド太平洋、その実現を進めており、日米やアジア諸国とともに欧州との防衛協力も重視しています。

 岸防衛大臣は続いてオランダ海軍のミサイルフリゲイトエヴァーツェンを視察、一連の視察ののちに記者会見において、東シナ海や南シナ海で生じている"国際法によらない海洋秩序の変更"へ欧州諸国が関心を持ち、プレゼンスを発揮することは地域の安定に寄与するものだ、としてイギリスやオランダの艦艇訪日を行う意義と重要性を強調しました。

 空母クイーンエリザベスは当初9日までの横須賀寄港の予定でしたが、8日に予定を早めて出航、その出航にはヘリコプター搭載護衛艦いせ、が先導するかたちをとり、ホストシップの役割を担っているような航行序列をとり、また観音崎付近でのアメリカ海軍イージス艦と並びフォトミッションを実施、日英と日米の防衛協力の新しい時代を強調しました。
■時事:中国潜鹿児島接続水域へ
 中国のものとみられる潜水艦が先行したまま鹿児島県御接続海域へ侵入しました。

 中国海軍の潜水艦が9月10日、沖縄県の我が国領海接続水域を先行し航行した、防衛省が発表しました。防衛省によれば事案が発生したのは鹿児島県の奄美大島東方の太平洋上で、潜水艦周辺には中国海軍艦艇が随伴していたとのこと。潜水艦は10日午前中に確認されていますが12日までに接続水域を出たとしています。海上自衛隊は警戒を続けている。

 潜水艦の型式や浮上航行時の写真などは公表されていません。潜水艦を含む鑑定には他国領海においても無害通航権をゆうしていますが、この場合は浮上し軍艦旗など国籍を示す必要があります。一方、接続水域についてはその限りではありませんが、奄美渡島東方海域は太平洋に面し国際海峡でも無く、特段潜航し接続水域を航行する目的は不可解です。
■時事:台湾沖に中国機19機
 空母クイーンエリザベスは極東地域の安定へ展開しましたが現状は杞憂とは真逆の緊張下にあります。

 台湾国防部は9月5日の発表で、中国軍機19機が台湾防空識別圏に相次いで侵入したと発表しました。台湾空軍は戦闘機などを緊急発進させ対応したとのこと。多数の中国機が侵入したのは5日、東沙諸島北方海域上空で戦闘機14機とH-6爆撃機4機および対潜哨戒機1機、台湾空軍は戦闘機を発進させると共に地対空ミサイルを展開させ防空を強化した。

 中国から台湾への多数航空機防空識別圏侵入は6月15日の28機連続侵入以来で、台湾では昨年に常識を越えた規模の防空識別圏侵入により空軍戦闘機が過剰運用を強いられ、機材に墜落を含む損耗が生じたため、一時的に戦闘機緊急発進を制限し地対空ミサイルと無線通信による警告で代替する非常措置が執られていましたが、今回の規模は異例でした。
■時事:アフガン内戦の懸念
 空母クイーンエリザベスが一時アフガン転進の可能性も指摘されていましたが、最早手遅れではあるものの懸念する事案が。

 アフガニスタンではタリバーンの全土掌握間近の中、マスード将軍の墓所がタリバーンにより一部破壊され問題となっています。マスード将軍はアフガニスタン政府要人でソ連のアフガン侵攻に際しては卓越した指揮官として知られ、タリバーン台頭後は北部同盟を率いた将軍ですが、2001年の同時多発テロ直前にタリバーンにより暗殺されています。

 米軍撤退後、アフガニスタンの全土掌握を目前としたタリバーンは様々な部族との協調国家運営を叫んではいますが、マスード将軍の実子がアフガニスタン軍残存部隊を率いてパンジシール州の一部で戦闘を続けています。こうした中でのマスード将軍墓所破壊はタリバーンの提唱する国家運営が現実とはかけ離れ、将来の内戦へ懸念を広げるものと云える。

 奇しくも同時多発テロから20年を迎えるなか、マスード将軍暗殺からも20年を迎えるアフガニスタンでは、9月11日をアメリカ同時多発テロの日である事を知る国民は少なく、アフガニスタン国民にとり、テロとの戦いの二十年間という苦悩と、アメリカの支援下とはいえ一時的に手にした自由がタリバーン復権により霧散した絶望的な状況となっています。
■時事:建国73周年軍事パレード
 中国と並ぶ極東地域もう一つの緊張要素である北朝鮮情勢について。

 北朝鮮は建国73周年軍事パレードを実施しました。北朝鮮は9月9日を建国記念日と位置づけており例年、首都平壌の金日成広場において大規模な軍事パレードを実施しています。北朝鮮による軍事パレードはAFP通信によれば過去一年間で三回行われているとのこと。しかし、今回の73周年軍事パレードは平和的という意味で異例なものとなりました。

 建国73周年軍事パレードでは過去のような核ミサイルの展示などは無く社会安全軍の消防自動車や共同農場用のトラクターなどが展示されるにとどまっています。軍事パレードは周辺国への軍事圧力に用いられる一方、大量の燃料を必要とし、またアメリカを始め周辺国を大きく刺激します。核開発経済制裁の影響が燃料に響いているとも、いえましょう。
■時事:北朝鮮新型ミサイル
 北朝鮮新型ミサイルが発射されたと9月13日に報道がありました。

 北朝鮮労働新聞は北朝鮮が新型巡航ミサイル発射試験に成功したと発表しました。新型巡航ミサイルは極めて射程が長いものとされていますが、日米のミサイル防衛システムは感知していません、この点について北朝鮮当局は、巡航ミサイル実験を国内上空において実施していると発表しており、移動発射装置からミサイル発射の様子を発表しています。

 新型巡航ミサイルは北朝鮮本土上空を楕円形と八の字状に飛行し、飛行時間は二時間に及んだとの事で、この八の字に飛行し領域外に影響を及ぼさない巡航ミサイル実験は過去、韓国が実施した方式とおなじもの。仮にこれが亜音速で飛行した場合は射程は1500kmから2000km、韓国全土は勿論、我が国東京首都圏まで到達する射程といえるでしょう。

 ミサイルの形状は主翼を展開させる亜音速型、移動発射器から複数発発射可能です。北朝鮮は巡航ミサイルの着弾地域を発表しておらず、防衛省は現在情報を収集中との事ですが、北朝鮮情勢については今週中にも日本とアメリカに韓国を加えた北朝鮮非核化に向けた協議が行われる予定となており、この動向を睨んでの巡航ミサイル実験とも考えられます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9.11アメリカ同時多発テロ20年,アメリカポスト対テロ戦争時代元年と日本戦後史転換20年

2021-09-12 20:07:26 | 北大路機関特別企画
■日本はアメリカはどう変わった
 同時多発テロ20年、今回は対テロ戦争を今年遂に終えたアメリカの変容と同時多発テロ後の情勢変化が分岐点となった日本の安全保障政策を考えたい。

 2021年は同時多発テロから20年を迎えた特別な年であるとともに、アフガニスタンからの米軍撤退により20年間に及ぶテロとの戦いが終戦を迎えたポスト対テロ戦争時代元年でもあります。結果論ですが、ブッシュ大統領、オバマ大統領、トランプ大統領、三人のアメリカ大統領により、アルカイダとISILという二つのテロ勢力はほぼ鎮圧されたといえる。

 しかし、影響は実のところ多面的であるといえるのかもしれません。アフガニスタン戦費は邦貨換算すれば20年間で200兆円、ニミッツ級原子力空母に換算すれば500隻分という膨大な数です、そしてアフガニスタンと共に影響は2003年イラク戦争に、考えれば社会主義革命により誕生した独裁国家とイスラム原理主義は元々真逆ですが、開戦に影響します。

 イラク戦争、そのものは第3機械化歩兵師団を中心とする緒戦のバクダッド攻略、イラク政府崩壊までは極めて短期間で進められ、軍事技術の進歩に驚かされたものではありますが、その後のイラク治安作戦は長期化し泥沼化、アメリカ政権交代の後に撤退が実現しますが、これが逆に不安定情勢がISILイスラム国武装勢力の台頭を招いたのはご承知の通り。

 20年間にも及ぶテロとの戦い、これにより何が変わったのかという影響を列挙しますと簡略に記しても辞典が出来上がりますが、アメリカ軍にかんしては装備体系がテロとの戦いを過度に意識した、ストライカー装甲車やインディペンデンス級沿海域戦闘艦など若干の佳作を除き、従来型重戦力の旧式化と縮小を強いた不均衡な装備が完成した構図でしょう。

 テロとの戦いはその全戦費が邦貨換算で500兆円に達するとの試算もあり、最早日本の国内総生産一年分に並ぶ戦費です。この価値観の判断はこの場ではあえて避けますが、結果的にこの大量の戦費が、本来アメリカが導入すべきであった装備体系を根本から見直し、歩兵用個人装備や耐爆車両の費用に転換されていった、影響は重大と云わざるを得ません。

 大洋での海上作戦を根本から転換するズムウォルト級駆逐艦量産計画、戦車から装甲戦闘車まで戦術輸送機により搭載可能な軽量装備で揃えるFCS計画、海兵隊両用作戦能力を飛躍的に高速化するEFV計画、100km先を行進間射撃により痛撃し続けるクルセイダー自走榴弾砲計画、ステルスにより敵領域奥深くに浸透攻撃するRAH-66計画、全て中止です。

 中国の台頭。これは2001年の時点では中国海軍の戦力一つとっても横須賀基地の米軍艦艇だけで圧倒できる水準でしたが、20年を経て大きく変わりました、アメリカ軍が全ての装備体系をテロとの戦いに優先度を集中した結果、従来型の装備開発が上記の通り置き去りとなり、中国はこうした中で従来型重戦力の強化を経済成長と共に実施、結果現状に至る。

 ロシアとの対立も、始まりはイラク戦争と大量破壊兵器問題と共に明確に核開発の意志を示している隣国イランへの警戒から、欧州の同盟国を防衛する為に配備したミサイル防衛システムが米ロ関係の深刻な対立を招き、クリミア併合やウクライナ東部戦争という問題で顕在化しました、そのロシアは軍事技術では先進的であり各種新装備開発を進めている。

 アメリカはテロとの戦いを、特にバイデン大統領が中途半端な形、それは有志連合として絶対に捨ててはならない、自由と公正、その旗手としての立場を打ち捨てる様にアフガニスタンから撤退したのは、中国の台頭へ国防資源を集中させる事が目的であると公言しています、しかし現在のアメリカ軍装備はどれも古くなりつつあり、問題は山積しています。

 20年間本職を留守に、とは言い過ぎではありますが、上記の通り中止された装備は多すぎ、一方で対テロ戦争用の高度な個人装備は中国との島嶼部戦やロシアとの機甲戦闘ではそれ程役立ちません、非常に高価であった大量のMRAP耐爆車両も同様で、また無人航空機がドローンの語源が標的機であったように、正規軍同士の全面戦争では用途に限界がある。

 同時多発テロを契機として開戦となったテロとの戦いは、20年間の米軍重装備近代化停滞という厳しい課題を現代に突き付けており、次期戦闘機や将来ステルス爆撃機の開発、新型ミサイルフリゲイトや地対艦ミサイルといった新装備の開発は進められていますが、将来戦を定型化したような見通しの装備開発は、却って裏目に出ないか、不安は拭えません。

 日本もまた、大きく変わりました。アメリカはテロとの戦いに有志連合を組み挑みましたが、我が国も早々と護衛艦くらま以下の艦隊をアラビア海へ派遣し、テロリストのアジア中東間の海上移動を阻止する海上阻止行動へ給油支援を実施しています。今から考えれば驚かれるかもしれませんが、当時は有事法制もなにも未整備の時代、安全保障は超法規時代です。

 自衛隊の装備一つとっても大きく転換しました、ただ、日本は対テロ戦争への関与はアラビア海給油支援やイラク復興人道支援任務等に限られ、対テロ装備という部分での強化は限定的でした、しかし、ひゅうが、いせ、いずも、かが、全通飛行甲板型護衛艦整備、ミサイル防衛等、防衛というものへの優先度が高まり、踏み込んだ転換が在ったのは事実だ。

 防衛というものへの受け止め方の変容は、装備面を例示しましたが、特に法律面の整備が大幅に進んでおり、従来であれば危機に際し緊急立法措置を行うか超法規措置で対応するという、現実を無視した、これはCOVID-19感染対策を視れば危機に対応する緊急立法措置の難しさが理解できる、そうした施策が行われていたものを土台から転換した構図です。

 邦人救出や周辺事態や重要影響事態は勿論本土への武力攻撃事態についてさえ、今でこそ法整備は為されていますが、当時は必要性の議論さえ憲法上の禁忌と解釈されるとともに、戦争というものへの非現実感が否めない世論があり、必要性は理解されつつも原則論と理想論と現実論の折衷案が、結果的に意味の分からない法整備に終始していた、時代だった。

 同時多発テロと共に、横須賀基地や佐世保基地の警戒態勢は最高度に高まり、しかし奇遇にも当日佐世保をロシア艦隊が訪問し、泥酔したロシア兵が厳戒態勢の米兵に悪戯試み一触即発となり佐世保地方隊が酔っ払い対応に右往左往するなど、当時の緊張度は度を越したものであり、戦争というもの、現実というもの、これが重なった戦後史の転換点でした。

 現実としての戦争、日本では思い起こせば1950年朝鮮戦争では朝鮮半島へ航空攻撃を行う国連軍最前線基地となり、1964年東京五輪の直前に中国と台湾が国共内戦では久々の海戦を戦い、1976年には函館空港にマッハ3を出す世界最速のソ連製戦闘機MiG-25が亡命、1986年のイランイラク戦争では邦人救出、1995年のオウム事件、考える機会はあったが。

 同時多発テロはアメリカが有志連合、国際協調を待たず合意形成よりもテロリズムと戦う志を共有する諸国同士で事に臨むという過去の国連軍編成のような手続きを執らず対応したため、テロリズムを淘汰する側かテロリズムを支援する側か、この旗幟を示す必要から前者を日本は選び、日本式の曖昧さに一線を画した事、現実感情勢に影響したのでしょう。

 日本の安全保障関連法整備は、先ず一丁目一番地の憲法、平和主義を目的ではなく手段として用い結果の平和ではなく手段の平和を堅持する施策が未だ不変である為に土台が脆弱ですが、同時多発テロ前とは比較にならない程に整備された事は確かです。同時多発テロを契機に安全保障という問題領域が現実味を持つ政治へ要求が増大した事に他なりません。

 イギリス、オーストラリア、フランス、2010年代以降の多国間防衛協力も進み、戦後史を考えれば、日本にとり防衛政策と防衛法整備をいずれか転換点に際し現実的措置を執る必要はあった為、訪れた転換点といえる。こうした意味でも、20年前の同時多発テロは、日本の戦後史の転換点となった事は確かです。次はどう転換するのか、見守りたいものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【G3X撮影速報】川重P-1哨戒機滑走路逸脱事故,岐阜基地で擱座航空機回収(2021-09-11)

2021-09-12 18:14:00 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■川重社内試験中,負傷者なし
 航空機事故は機種最初の事故では重大度で機体の印象が変わりますが、川崎重工P-1哨戒機の場合は負傷者なしの幸いとなったもよう。

 岐阜基地でP-1哨戒機が滑走路を逸脱した、そんなメールを7日に頂きまして滑走路逸脱にしても度合いは色々あると思い浮かべますが、現地近くへ電話してみますと中々に大きな逸脱事故で、牽引車が少し圧した引いた程度では回復できない規模という。驚きました。

 川崎重工の社内試験中に逸脱したとみられ、機体には33号機記載のみ、尾翼に部隊マークは描かれていないという。ただ考えてみればP-3C時代から海上自衛隊は航空自衛隊のような垂直尾翼へ部隊マークの記載は無く、今後護衛艦搭載のF-35Bはどうなるのかと思った。

 P-1哨戒機の事故にも拘らずF-35Bの話を思い浮かべたのは、そのお話を頂いた瞬間が丁度F-35Bが並ぶ様子を見ていた為です、場所は横須賀基地、ヴェルニー公園からイギリス空母クイーンエリザベスを眺め、塚山公園より飛行甲板を俯瞰した最中だったからです。

 航空自衛隊岐阜基地が発表したところによれば、7日1600時頃、岐阜基地内で整備中の海上自衛隊の哨戒機1機が着陸時に滑走路を逸脱したと発表しました。滑走路と不整地発着訓練用滑走路中間緑地帯に突っ込み、しかし報道では幸い事故での負傷者はいないという。

 国土交通省はしかし死傷者は出なかったが重大事故に繋がりかねない重大インシデントと認定し、事故当日に調査官4名派遣を決定します。国土交通省航空事故調査官4名が到着したのは翌8日午後とのこと。クイーンエリザベスが横須賀を出港した頃合いとなります。

 緑地帯、当初は滑走路と不整地訓練滑走路の中間に在る緑地帯を滑走路と誤認したのではと考えたのですが、川崎重工のテストパイロットは社用機を使い何度も訓練していますので誤認は考え難く、すると油圧系統異常による着陸装置不完全による不時着か車輪損傷か。

 滑走離逸脱と説明され不時着とは説明されていませんので車輪が破損し緑地帯に突っ込んだのかとも考えましたが、ポーポイズ現象という着陸時の不意の乱気流により煽られたのか、フライバイライト操縦系統への異常か、理由は数多考えられ、原因究明が待たれます。

 航空事故調査官による現地調査と関係者聴取は10日までに完了、今後は東京でデータの分析や解析を行う事となり、この日から撤去準備が開始されました。すると11日は土曜日、ということで思い切って岐阜基地までP-1哨戒機撤去作業の概況を、と進出したかたち。

 防衛出動であれば擱座航空機回収車を用い迅速に撤去されるところですが、今回事故を起こしたのは自衛隊機では無く自衛隊納入前の川崎重工の機材、つまり無理に動かして傷つける事は出来ない為、慎重に実施していました。新幹線を吊り上げる際に用いる様な車両などみえる。

 岐阜基地滑走路は、この位置にP-1が居ては滑走路運用不能であるとして、7日1600時の事故発生から10日まで滑走路を閉鎖していたという、云われると入間基地のC-1輸送機が基地に駐機していまして、任務飛行であれば運用可能な状況となっていた事が分ります。

 P-1哨戒機、岐阜基地では13日にも滑走路運用を正常化するべく作業しており、作業車両の周りには灯光器も設置されていた事から撤去作業を急いでいる様子が分ります。ただ、P-1哨戒機には幸いな事に、事故は自社工場の目の前、修理への搬送は牽引で可能です。

 社内試験、こう強調したいのは防衛省へ納入される前ですので保険が適用される可能性があるのですね、P-1哨戒機は170億円と高価な機材です、負傷者が出ないとなりますとこうした一種暢気な心配ができるという。今後も重大事故の起きないようねがいたいものですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9.11アメリカ同時多発テロ20年,ニューヨーク世界貿易センタービルに旅客機が突入した日

2021-09-11 20:08:25 | 北大路機関特別企画
■世界が震えた-歴史の転換点
 名画にニューヨークが描かれた際に世界貿易センタービルの威容を視て過去の歴史と視るか懐かしさが湧くのか、20年というものは世代間の認識相違が生じるものです。

 危機というものは十年単位で生じるものでしょうか、十年前の東日本大震災、そして二十年前の同時多発テロ、その更に十年ソ連崩壊と少し前には昭和の終焉、また十年前には第二次石油危機、こうした歴史の転換点は得てして世界に生きる人々に多寡はあっても影響を及ぼすものですが、9.11同時多発テロは、世界史の転換である事に異論はありますまい。

 9.11同時多発テロ、本日世界はあのアメリカ本土同時多発テロから20年を迎える事となりました。同時多発テロ、その模様はニューヨークを象徴した世界貿易センタービルツインタワーへ旅客機の二機目が激突する、まさにその瞬間が宇宙空間の放送衛星を通じて全世界で共有されたという事でも異例の事でした。日本時間は遅い夕食時に映像は届けられた。

 世界貿易センタービルツインタワー、アメリカ国防総省、ハイジャックされた旅客機が次々と突入し、全米上空の全旅客機が着陸を命じられ戦後初めて北米上空の民間航空路線が全封鎖された、異常事態でした。ツインタワー崩壊は世界にも知られた高層建築物故に衝撃的で、日本時間翌日、ブッシュ大統領による決意表明、新しい暗い時代を感じたものです。

 20年という期間。これは北大路機関創設前の出来事でもありますが、元々北大路機関は大きな論点であった沖縄基地問題などを論議する前に先ず専門書の輪読を行う安全保障関連の学生自主ゼミがその始まりですので、間接的に同時多発テロは北大路機関にも影響したものですが、昔の話であるとも、まだ最近の事のようにも、事件前を懐かしく思う事も。

 2001年という時代は漸く冷戦崩壊による混乱が少なくとも地域紛争という形で世界中に戦火を広げた十年間が終息しつつある時代でした、あの事件がなければもう少し世界は平和になっていたのではないか、とも考えるのですね。ただ、価値観が20年間で変容し、これを既定路線として受容している今日からは、昔話でもあり最近のようにも思えるのですね。

 しかし、先日アメリカ軍がアフガニスタンより撤退し、前後してアフガニスタンイスラム共和国が武装勢力タリバーンの攻勢を前に崩壊しましたが、単一の戦争として考えれば20年間というのは長いものと云える、日本に喩えれば1945年の敗戦、その20年前といえば関東大震災の記憶鮮やかな1925年、日英同盟が解消しワシントン海軍軍縮条約の年です。

 テロとの戦い。東西冷戦の終焉と共に米ソ超大国間の全面核戦争という人類史の終焉を迎える危機は大きく払拭されましたが、続くソビエト連邦の崩壊は、衛星国や旧ソ連構成国での民族紛争や独立戦争、そして冷戦構造の圧力が蓋をしていた、政治学者に“ロングピース”とさえ表現された圧力構造の緩解は膨大な数の地域紛争の要因となっていました。

 清濁呑みこむ寛容。しかし、同時多発テロはその遠因に、冷戦時代の自由主義と社会主義という軋轢の中に競合と緩衝や混沌に似た環境での価値観多様性と社会の多様性が容認され、不寛容さえ受け入れる寛容、清濁呑みこむ寛容、見過ごされる寛容がありましたが、東西冷戦終焉は結果的に自由と公正が一つの国際公序を形成、単極主義の到来があります。

 自由と公正、アメリカが掲げるこの概念は人権としては一つの正論であり、結果の平等とその道程の強制という政治や、価値観と幸福の定義を権力が画定しその実現に参画と奉仕を強制する政治、こういったものと比較した場合は、脱領域性を伴う共感を集め得るものではあるでしょう、西欧キリスト教民主主義思想とも重なる、しかしそれが全てではない。

 だからと云って旅客機で突っ込む事は無いのではないか。テロとの戦いはこうして勃発したものです。冷静に考えれば同時多発テロ以前にもイージス艦コール自爆攻撃を筆頭に同時多発テロ首謀者アルカイーダによるテロ事件は複数発生していますが、同時多発テロ死者数は2800名を越え、喩えれば真珠湾攻撃よりも多く、大国の決断への転機となりました。

 テロとの戦いは、自由と公正という価値観が果たしてグローバルな価値観たり得るかという視点から、当初の同時多発テロ首謀者の処罰という視点とともに、テロリズムを共有するテロリストの思想的工場を解体するという、東西冷戦のイデオロギー対立に一種重なる背景から始まったものですが、概念の曖昧さと当事者の価値観相違が長期化を招きました。

 22世紀にこの戦争がどのように評価されるのかは未知数です、しかし、戦争目的が不明確である事は確かで、そもそも軍事力だけで自由と公正の理念を広げられるのかという素朴な疑問へ、長期的展望と共に進められたかは疑問で、第二次世界大戦後に元々の民主主義国家だった日本とドイツへ民主主義を再定着させた例外的経験の踏襲を期した様にも思う。

 戦争目的が不明確であれば、軍事力を叩きつける対称が示されない非対称の戦争となり、戦勝の定義も不明確となります。恰もヴェトナム戦争へ北ヴェトナム崩壊を避け南ヴェトナム維持という不明瞭な戦争目的のまま惰性で臨んだ失敗の再来ともいえます。自由と公正、この価値観は共有する国は多いものの実のところ価値観の根底は多様だったのですね。

 自由と公正、これは酸素の様に普遍的な価値観と考えた事で冷戦後の秩序形成の端緒で、先ず自由と公正というものの共有をもう少し表面化させ国際公序へ反映させる努力がって然るべきであったのかもしれませんし、また、価値観の土台となる文化というものを、もう少し深く理解する努力、そして政策へ反映させる努力が必要であったのかもしれません。

 ただ、自由と公正、この理念を同時多発テロから20年という節目の年に、よりにもよってアメリカ大統領が情勢悪化続くアフガニスタンから撤収し、一国主義を強調した事でいわば理念を打ち捨てる事となりました。これでは何の為に有志連合を形成し戦ったのか、同盟国友好国はアメリカに奉仕させられたのか、後味の悪いものとなった事は否定できない。

 9.11同時多発テロから20年、様々な出来事が在り、世界は大きく変容しました。もちろん、日本も大きく変容する事となり、安全保障環境に対応する安全保障政策は現実というものを強く認識させられるようになりました。その始まりとなったのが、20年前の今日、テレビ放送により報じられた、あの世界貿易センタービル旅客機自爆攻撃であったのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【榛名備防録】ゼロ戦,零式艦上戦闘機後継機開発遅延させた”改マル五計画”空母緊急量産計画

2021-09-11 14:17:06 | 防衛・安全保障
■朝令暮改が招いた開発遅延
 臨機応変に状況に対応させる、一見柔軟な思考に見えますが遠回りに見えて朝令暮改は全般の遅延を招く事がある、これは旧軍の教訓ですが今日の日本社会にも繋がる教訓です。

 ゼロ戦こと零式艦上戦闘機、この後継機開発が遅延した背景について、マル急計画とこれに続く改マル五計画という日本海軍の空母量産計画が影響した、こうした視点が理解されていないのかな、こう考える次第です。改マル五計画とは1942年のミッドウェー海戦敗北をうけ一挙に失った空母四隻を補填するべく空母を緊急量産する戦時計画でした。

 航空母艦を開戦半年で一挙に失うとともにアメリカでの空母量産が本格化していて、もともとのカールビンソン法案としてすすめられていた艦隊増強計画に対抗するマル四計画とマル五計画なのですが、空母を緊急に増強する必要が生じたために、朝令暮改ではありませんが、急ぎすぎた空母増強計画をねじ込んだことで、これが変な影響に至ったといえる。

 マル四計画としてして、もともと日本海軍は大鳳型航空母艦の量産を構想しG14型という、一回り大型化した航空母艦3隻の増強を計画していました。一回り大型といいますが、排水量は4万5000tから5万t規模の大型艦となる計画で、実際のところこの大型艦は将来の空母艦載機大型化を念頭としていたものでした。空母艦載機は当然、大型しています。

 赤城や加賀、もともと三段甲板型船体として設計されていました日本海軍の航空母艦が飛行甲板を単一としたのも、艦載機が大型化し飛行甲板を上下に分けた場合でも甲板の長さが充分とれなければ運用できないという実状があったためでして、実際九五式艦上戦闘機より零戦の方が遙かに大きく改大鳳型というべきG14型航空母艦はこれを見越したもの。

 飛龍型航空母艦、ミッドウェー海戦において保有空母4隻を一度に失った日本海軍はG14型航空母艦のような大型艦の建造は時間がかかりすぎるとして断念し基準排水量17300tの中型空母である飛龍の設計を応用した空母ならば短期間で建造できる、こうして改マル五計画に切り替えます。飛龍は優れた設計ですが、決して船体は大型空母ではありません。

 雲龍型航空母艦、この飛龍型として緊急建造されたものは雲龍、天城、葛城、笠置、阿蘇、生駒、こう建造されました。雲龍以外は天城と葛城が竣工、笠置と阿蘇及び生駒は六割から八割建造したところで竣工にいたらず終戦となっていますが、新しく建造される航空母艦は中型空母となっているのですね、零戦後継機はこの中型空母に搭載せねばならない。

 烈風という後継機の開発が進められていまして、エンジン開発が難航したことで量産前に敗戦となってしまいましたが、そもそも零戦の後継機はエンジンを1000馬力級から2000馬力級に強化する基本構想でどうしても大型化は避けられません。そしてG14型航空母艦を見越して大型機を開発していたものが、肝心の空母が中型に転換する急な仕様変更が。

 全体を考えない仕様変更、調整不足と全体計画への知識共有の不十分、これは令和時代の日本社会にも当てはまることでして不思議に思えるのですが、結局新型機の大きさ、空母艦載機を開発するのですから空母に搭載できなければ単なる局地戦闘機です、こうして後継機開発が遅れた背景があるのですね。実際仕様変更の設計への影響は小さくありません。

 一式戦闘機隼、二式戦闘機鍾馗、三式戦闘機飛燕、四式疾風、五式戦、陸軍航空隊の戦闘機を見ますと順調に開発できているように見えます、隼も三型などはエンジンのエタノール噴射装置により制空戦能力が改善されていますし、疾風は大東亜決戦機として4000機が量産された。大きな空母の方針変更、これが零戦の開発を遅延させた一因と云い得ます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

令和三年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2021.09.11-2021.09.12)

2021-09-10 20:00:12 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 政府緊急事態宣言が延長され今週末も自衛隊関連行事はありません、そこで気分だけでも浮き上がれるようヘリボーンの写真とともにCOVID-19の状況等を纏めてみました。

 菅総理大臣は9日、東京や大阪など19都道府県に発令されている緊急事態宣言の延長を正式に発表しました。当初では12日に宣言解除を期していましたが、感染拡大と病床逼迫度合いなどを総合に判断し、特に今月18日からのシルバーウィーク連休の再感染を回避するべく延長を決断した、としています。なお、従来通り自粛要請主体に変りはありません。

 田村厚生労働大臣はこのまま感染者数が減少して往けば延長している緊急事態宣言、9月30日の宣言解除はあり得る、と10日午前中の記者会見において見通しを示しました。一方、三度目の接種を行うワクチンブースト接種についても海外の事例を慎重に検証し、審議に掛ける方針を示しています。参考までに1242名、東京の10日感染者数は1242名です。

 政府分科会の尾身会長は緊急事態宣言からの経済再稼働試案として、ワクチン検査パッケージを示しました、ワクチン接種完了者が陰性検査を受ける事で自粛要請を解除する試案を示しました。ただ、尾身会長は義務化するのではなく、自治体や社会単位で導入の利点欠点を議論し納得した上で導入してゆく必要があるとし、政府の押し付けは否定しました。

 ワクチン検査パッケージ、要するに感染を全面的に抑え込むゼロコロナ政策ではなく、ウィズコロナ政策として、感染させない確認を行った上での経済再開という指針を示した事となります。もっとも、ウィルスは感染の度に変異の機会を得、これ以上ワクチン効力に影響する変異株が発生せず、また若年者は無論幼年者を護る施策は必要と思う、何故なら。

 ワクチン接種者の感染率は全感染者数に占める割合はどの程度か、ワクチン接種者の発症率はどの程度か、ワクチン接種者の重症化率はどの程度か、ワクチン接種者の12カ月後の抗体量は充分なのか、アルファ株についてはワクチン効力の高さがmRNAワクチンでは95%と驚異的高さでしたが、デルタ株についてはその限りではなく、疑問が残るのですね。

 集団免疫は、当初接種率が70%を超えれば接種者が感染者と非接種者の間に防疫の壁を構築する事で形成される、と認識され、これは麻疹はじめ集団免疫の一つの常識となっていたのですが、デルタ株の接種者へのオーバーシュート感染は、感染者の重症化を効果的に防ぐものの、非接種者への感染防止を防ぐには至っていない事例、海外では報告されます。

 イギリスを例にとりますとワクチン接種率は9月7日時点で接種完了65.5%、一回目接種率72.5%と世界有数ですが、一日当たりの感染者数が9日3万7480名、9月9日の死者数が167名となっています。イギリス人口は6788万名、日本と比較しますと深刻な数字以外何物でもありませんが、死者数総数が13万3841名ですので感覚が麻痺した印象に思える。

 イスラエルではワクチン接種率は三度目のブースト接種も開始していますが、接種完了率61%、これを受け経済を再開しました。しかし、感染者数は直近一週間平均で7677名、9月9日の死者数は19名です。楽観的数字に見えますがイスラエル人口は918万7000名、大阪府の人口が882万3000名ですので厳しさが分ります、ワクチンと対策の両立が必要だ。

 デルタ株には各国が無条件降伏、こうした実情があるようです。韓国大統領府は8日、全国民の80%へワクチン接種が完了すれば規制解除の実施を示唆しましたし、主要都市ロックダウンを続けるオーストラリアではニューサウスウェールズ州知事はシドニーを含め全国民接種率70%を超えた時点で接種完了者へのロックダウン中の行動自由を認めるとした。

 日本ではワクチンは希望者へ未だ行き届いていません、ワクチンに否定的な要素ではなく接種希望者でも単に予約が取れない状況が都市部を中心に残り、また学生への接種は開始されていますが、児童生徒への接種はまだ端緒であり特に児童に対してはまだ接種開始さえ、未定です。日本はまだ致命的な失敗はしていない、今後も慎重でありたいものですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【G3X撮影速報】東京ワクチン大規模接種会場,自衛隊COVID-19対処総力戦(2021-08-10)

2021-09-09 20:03:00 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■COVID-19ワクチン大作戦
 自衛隊行事が無いとお嘆きの皆様、いまひとつだけやっています、実任務ですが。COVID-19ワクチン接種をお考えの方が居ましたらば参考になれば幸い。

 私事ながら第二回ワクチン接種を東京大手町の自衛隊大規模接種会場で受けまして、その帰路に横須賀へ立ち寄りました。オランダフリゲイトエヴァーツエン出航と、副反応想定の休日では一日早まったイギリス空母クイーンエリザベス出航を撮影する事が出来ました、そこで自衛隊大規模接種へ関心を持たれた方も多い様で、この話題をお伝えしましょう。

 Web予約により事前予約となるのですが、Web予約は接種券が届いたその日の深夜に探してみますと満員御礼、しかし数日おきに1800時から予約を受け付けるという事でしたので、数日後に時間前からWebで、恰も富士学校祭開門を待つように、待機し予約を試みますと幾度かエラーが出ましたがレーンを変えて予約すると一発予約、久々に東京へ赴きます。

 新型コロナウィルスCOVID-19との戦いがここまで長期戦となるのは予想外でした、mRNAワクチン方式により変異株にたいしても短期間で対抗できるワクチンが、とは当初この核酸を用いた方式の利点ではあったはずなのですが、デルタ株による接種完了者へのオーバーシュート感染、更にオーバーシュート感染を引き起こすミュー株など脅威は多い。

 しかし、ワクチン接種は現在治療法の確立していないCOVID-19への数少ない対抗策です。そしてこの接種を強力に推し進めるために政府は東京と大阪に自衛隊大規模接種会場を設置、東京で毎日一万、大阪で毎日五千の接種を大車輪で進めています。全国一日百万回、当初は無理だとも指摘された菅総理の一大方針は、先ず国が全力を示し範を執った構図だ。

 自衛隊大規模接種会場、実は自治体ごとに接種進展度合いが違いすぎ、20代30代40代という感染の最多数を占める年齢層は置き去りで、ともすれば九月下旬以降や十月に漸く"接種予約の受付を開始する"という状況の自治体さえあり、素早く接種を受けるには掛かり付け医を探すか、またはこの自衛隊大規模接種会場に頼るほか無い、という状況があります。

 自衛隊が注射する、自衛隊は大規模行事には知見と経験が数多ありますが、実際接種を受けに行ってみますと、非常に洗練されたものでした、会場は東京大手町、岸防衛大臣が"ワクチン接種への移動は不要不急に当たらないので是非受けてほしい"という声に励まされ、多少近い大阪ではなく、久々の遠出だ、と東京会場、大手町接種を予約しました次第です。

 東京駅のバスの車列、驚いたのは無料シャトルバスの運行は知っていたのですが、はとバス東急バスとバスの総力戦でして、数分おきに次々と会場へと出発します、予防接種を受けに行くのに感染しては意味がない、というように、このあたりは社会的距離が充分保てる頻度で運行されていまして、民間バスも多数が接種総力戦に参加していることがわかる。

 接種会場は大手町、気象庁旧庁舎の隣にあります。会場は撮影禁止、録音も禁止です。ただ、会場の前の看板ならば撮影可能という。撮影可能とすると、円滑な移動ができないためでしょう、実際、一日一万というのは一時間あたりは、と当初は無謀な規模と指摘されましたが、それは入間航空祭や総火演を担う自衛隊、まずは手荷物検査から始まる。

 手荷物検査に続いて本人確認と必須書類の確認、必須書類は問診票と自治体発行の接種券、これを屋外仮設施設にて先ず行います。本人確認と接種券情報は電子端末を用いる、本人確認書類は運転免許証を用いましたが、米軍基地と異なり此処ではマイナンバーカードでも対応できるとのこと。そして問診票をクリアファイルへ収め手元に返されてきました。

 クリアファイルは五色、彩り和やかで心が休まる、という理由ではなくクリアファイルのカラーによって待機列が分かれているのですね、青の方こちらへ、黄色の方は此処で座って、と動作に無駄がありません。一通り完了しますと待機列へ、とはいっても五色分の待機列ですので、一群あたりの待機人数は5名程度、さていよいよ重厚な庁舎へと入ります。

 待機人数は5名から7名程度、これはどうもエレベータの収容人数に配慮しているように思えます、中央官庁ですので身分証のゲートがありますが当然ワクチン接種の日はゲートは常時開放、そこからエレベータへと向かいます。エレベータでは、壁の方を向いて立ってください、と繰り返し強調されます。なるほど、飛沫をとばさないように、と配慮です。

 接種、その前に先ず看護師の問診で、本人確認を再度、そして接種回数の確認、接種における不安などの相談となります。これはモデルナワクチンを最初にクリアファイルを手渡された際に注意事項として明記されているものですので、質問はせず済みました。そして接種へ、という訳ではなく、次は医官の問診へと進みます。航空自衛隊医官の方でした。

 問診は複数のブースが並んでいまして、看護師と医官の問診は別室となっていました、導線が確保されていまして移動はスムーズ、複数のブースも個々に案内の係員が待機、あなたは3番へあなたは今あいた5番でそれから、と案内、クリアファイルは五色、色で階がわかれているのでしょうけれども、一日一万ということはこの階だけで二千名に成る訳だ。

 アレルギーが過去なかったか、注射で過去に気分が悪くなったことはないか、左腕に接種するのだけれども利き手が左の場合は右にも、という問診と共に、最後になにか聞きたいことがありましたら、と問いがきます。中和抗体が増える日数なども聞きたかったのですが、これはメーカーが数字を出しているので聞かず、痛いですか、と質問する。その答え。

 注射は痛いものだけれども、それほどではない。さていよいよ接種へ。接種もまた別室で、こちらも複数のパーテーションで区切られています。わたしの一回目は女性の医師さんでした。上腕に接種するので、ポロシャツを着ていったのですが、思ったよりも上の方、力を入れずにダランとさせて、といわれ、壁の染みを見ていて下さい、と。さてチクリ、と。

 一回目は消毒用アルコールを塗った感覚の方が針を突いた瞬間よりも印象に残ったのですが、二回目はしっかりとチクリとしたものでして、心理的なものか、それとも打った技量か、実際に二度目が痛いものなのか。手荷物を台から回収して、そして接種完了の手続きと経過観察へ、こちらも別室で行われます、誘導にしたがって隣室へと通路を進んで往く。

 接種完了手続は要するにシールを貼るものと問診票の改修なのですが、これに要する時間が数分、この時間を含めての経過観察の時間が設定されていまして、残り時間が在りますと、そのまま一定間隔で椅子が並べられた大部屋に案内され、所定時間まで待機します。何かあれば手を挙げるのですが、わたしの二回の経験では挙手された方はいませんでした。

 副反応、あります、ありました。個人差はあるが一度目の接種は腕の重さと倦怠感、二度目の接種は特にひどく、倦怠感に腕腫と発熱と眩暈に関節痛と不眠にホテルで心霊現象にカメラ充電失敗、実際、観音崎公園に行っても観音崎灯台まで階段が登れない程の倦怠感でした、ただ、COVID-19のリスクが多少なりとも軽減できるのですから、わたしは接種をお勧めします。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都幕間旅情】東本願寺(真宗本廟東本願寺)夜の帷に一際彩る壮大伽藍は京都駅前に広がる

2021-09-08 20:04:16 | 写真
■見上げる東本願寺の夜景
 京都駅から烏丸通を上りますと近代的な鉄道駅から時代は古都の気風へと戻ります。

 真宗本廟東本願寺、ここは京都市下京区烏丸通七条上ル常葉町に在ります壮大寺院です。京都を探訪した際、それが所用商用といった多忙な最中ですと中々に慣行と廻る事は出来ませんが、ここは京都駅から指呼の距離、新幹線で京都上洛の際のお勧めの伽藍のひとつ。

 旅情を満喫しようにも思いきり吸い込んだ風情とともにCOVID-19のウィルスが含まれていますと、ワクチン接種を終えていても安全とは言い難い昨今、厳しい日常は続くものですが、静けさある場所に雑踏とウィルスは少なく、心の清涼を感じられるかもしれません。

 京都駅から指呼の距離にありまして、勿論湯方には門扉を閉ざすために本堂を拝観するには少し明るいうちに歩み進める必要もあるのですが、しかし東本願寺は夜もまたその壮大な伽藍の一端を見上げるだけでも、日常の幕間に京都の旅情を感じる事が出来るでしょう。

 東本願寺くらい東京にもあるよ、と思われるかもしれませんが、東京都台東区西浅草に確かに東本願寺はあります、しかしこちらは浄土真宗東本願寺派本山東本願寺といいまして1965年までは浅草本願寺といい、この年に真宗大谷派から独立し東本願寺となったもの。

 本願寺の歴史は古い、親鸞を宗祖とする浄土真宗の寺院ですが、弘長2年こと西暦1262年に親鸞入滅、没しまして、その地が善法院という中京区柳馬場通押小路の寺院でした。その教えを継ごうと覚如が大谷本願寺を造営、後に本願寺第3世となる開基から始まります。

 大谷廟堂、宗祖親鸞を祀る廟堂を先ず造営したところが本願寺の始まりなのですが、親鸞がいつか戻るとして法主に代えて留守職を置きました。が唯善事件、内紛が親鸞の孫唯善と留守職覚恵との間で正安4年こと西暦1302年におこりまして当初の御堂は破壊されます。

 織田信長始め本願寺はさまざまな歴史と共にありまして、中には内紛や蓄財の争い、これは仏道からやや脱線が過ぎないかというものもあるのですが、それだけ信仰を集めている事も事実でして、その信仰の深さは寄進により成立つ伽藍の大きさにも見て取れるが如く。

 石山本願寺が重武装し織田信長と攻防戦を繰り広げた事は歴史にも印象強い所ですが、元々本願寺という名称は文明15年の西暦1483年に本願寺ら落成した事に始ります、しかしそれは今の京都駅前ではなく、山科本願寺、と称される4kmほどの東方に在りました。

 大坂城、石山本願寺は現在の大阪城の立地に在るのですが、天正19年こと西暦1591年に豊臣秀吉は石山本願寺に代えて新しい寺領を本願寺11世の顕如へ寄進します。こうして本願寺は大坂天満より現在の京都堀川六条に遷座する事となり、今に至る歴史が幕を開ける。

 徳川家康により保護を受ける事となりました本願寺は、寛文10年の西暦1670年に親鸞聖人祀る大谷祖廟が落成となり、また延享2年こと西暦1745、八代将軍徳川吉宗が長楽寺境内地1万坪大谷祖廟に寄進する等、栄えています。御影堂や阿弥陀堂の壮大さはここから。

 西本願寺と東本願寺へ、京都ではかつての東寺と西寺のように分かれていまして、実はその成り立ちなどを視ますと、なんというか歴史だなあ人間だなあ、というほかないのですが、その二つの巨大な寺院が京都駅前に古都を醸成しているのですから、面白いですね。

 親鸞上人が求めた信仰の姿が現状なのか、という所は中々わからないものではありますが、夕刻でも少し京都駅を歩み進めますと、夜景に浮かぶ壮大寺院は醸し出す幾何学模様の造形が美しく、こうした日常の最中にあってもふと京都を感じる事ができるかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【防衛情報】レオパルド2A4改修とハリマウ中戦車,VN-16両用戦闘車輸出とT-64戦車近代化

2021-09-07 20:01:11 | インポート
■週報:世界の防衛,最新12論点
 今回は戦車の話題を中心に軽装甲車両やヘリコプターの話題を。戦車の国産能力を持たない国ではこうして既存戦車の改修から経験を積む模様です。

 トルコ軍は6月6日、保有するレオパルド2A4戦車の近代化にアセルサン社が量産する増加装甲装備型の装着が完了したと発表しました。レオパルド2A4は優れた戦車ですが砲塔設計は1970年代のレイアウトを踏襲しており、砲塔正面部分に内蔵された照準装置が防御上の脆弱部分となっており、2010年代には防御や電装品で明らかに旧式化していました。

 レオパルド2NG型としてドイツが開発した能力向上型相当に近代化することが今回のトルコ軍近代化改修の主眼で、砲塔前半部と車体正面部分はタングステン合金とチタン合金を積層した新型装甲に置換えられ、また火器管制装置も新型に更新されています。アセルサン社はトルコ軍が基金を提供し創設された半官半民の防衛企業で1975年に創業されました。
■ハリマウ中戦車開発計画
 インドネシアでは建国以来初の戦車開発がトルコの協力で進められれており、外貨流出というものを真剣に考えての施策か単なる公共事業か。

 インドネシア軍が進めるハリマウ中戦車開発計画へアメリカのアリソントランスミッション社が参画するとのこと。ハリマウ中戦車開発計画へはインドネシアのPT ピンダッド社を中心にアメリカのキャタピラーディフェンス社、トルコの防衛企業FNSSが参加しています。アリソントランスミッション社は変速機と動力伝達系統や制動装置を担当します。

 ハリマウ中戦車開発計画とはトルコ製装甲戦闘車の車体を元に105mm砲塔を搭載する35tクラスの中戦車で現在全体試作を進めている段階、本車はインドネシアが初めて国産する戦車となります。インドネシア軍はハリマウ中戦車を200両から400両導入する構想で、ドイツより取得した中古のレオパルド2主力戦車を補完する陸上打撃力を構想しています。
■タイのVN-16両用戦闘車
 中国は水陸両用戦車とともに両用作戦部隊へ軽戦車の配備を進めており、中国の軍事圧力を正面から受ける日本としても興味深いところ。

 タイ王国海兵隊は新しい水陸両用戦闘車両として中国製05式両用戦車輸出仕様であるVN-16両用戦闘車の導入を検討中です。VN-16両用戦闘車は5月28日、評価試験の為に3両がタイのサタヒップ海軍基地へ貨物船で搬入されたとのこと。その様子はタイ国内のSNSなどに写真が掲載されており、VN-16両用戦闘車はタイ海兵隊迷彩を施されている。

 VN-16両用戦闘車原型の05式両用戦車は主力戦車用の強力なエンジンと地上走行用の装甲車用エンジンという二系統を搭載し、海上では戦車用エンジンを用いた高出力を活かし、海上を滑走するように20ノット以上で航行可能であり、アメリカ海兵隊などが採用するAAV-7両用強襲車よりも遥かに高速であると共に機関砲など高い戦闘能力を有しています。

 05式両用戦車は105mm低圧砲を搭載した水陸両用の軽戦車であり、原型は装甲戦闘車型の05式両用戦闘車、こちらは30mm機関砲を搭載しています。05式両用戦闘車輸出仕様はVN-18といい、既にボリビアに輸出されています。タイではASCOD105軽戦車を運用していますが、製造終了により増勢が出来なくなったため、VN-16で増強するもようです。
■T-64戦車近代改修型
 T-64といいますと74式戦車と同時期ながら第三世代戦車への過渡kに当るような戦車です。

 ウクライナ陸軍はT-64戦車近代改修型をハリコフ戦車工場公社より受領しました。T-64は1960年代に旧ソ連が開発した主力戦車で、普通鋼鈑と防弾アルミ装甲を複数積層した初期の複合装甲や対向ピストン2ストロークディーゼルエンジン、また125mm滑腔砲などの新機軸を盛り込んだ戦車となっていますが、先進的過ぎ低い稼働率の問題もありました。

 T-64近代化改修について、ウクライナ軍は2017年より改修計画を本格化させていますが、結局予算不足などから引き渡しは2021年6月まで時間を要しました。改修は稼働率の問題の在ったエンジンの換装、そして火器管制装置や暗視装置の改良、またアクティヴ防護装置の追加も行われ、2020年代でも一応は第一線運用に耐える水準まで引き上げられました。
■BvS.10全地形装甲車両127両
 日本もAAV-7よりは普段から運用できる水陸両用の装甲車両として有用だと思うのですが。

 スウェーデン国防省はBvS.10全地形装甲車両127両の導入に関してBAEシステムズ社との間で2億ドルの契約を成立させました。スウェーデン軍は降雪地や池沼地帯等の峻険地形を克服するべくBV-206全地形車両を開発し装備しています。BV-206はスウェーデン国産の装備であると共に連接車体を採用した全地形車両の先駆者として知られる装備です。

 BvS.10装甲全地形車両はBV-206全地形車両の発展型で、スウェーデン軍は老朽化したBV-206の後継車両を模索しており、ほぼ自然な流れですがBvS.10を選定しました。BV-206と比して装甲防御力を有すると共にエンジン出力も強化されています。スウェーデン軍では兵員輸送と兵站輸送、指揮車輛として想定され、2024年までに調達を完了する計画です。
■大型機動戦術輸送車両HEMTT
 日本の防衛産業はこの種の特大車両の防衛利用がほんとうに苦手ですよね。

 アメリカ陸軍はオシコシ社との間で大型機動戦術輸送車両HEMTT、パレット輸送システム輸送車両PLS、重輸送車両HETに関する1億4680万ドルに及ぶ契約を結びました。オシコシ社はこれまでに14000両以上の大型機動戦術輸送車両HEMTT、3500両以上のパレット輸送システム輸送車両PLS車両、1000両以上の重輸送車両HETを納入しています。

 FHTV重戦術車輛ファミリーと呼ばれるこれらの車両、オシコシ社との間の1億4680万ドルに上る契約は、先ず老朽化した各種車輛を代替するべく新規に生産れた353両の取得費用、そしてアメリカ軍に納入された既存車輛に関する今後3年間の重装備メンテナンス及び予備部品の調達費用です。アメリカ陸軍は当面このFHTVを主力と位置づけるもよう。
■新型機関銃FN-EVOLYS
 自衛隊のMINIMIもそろそろ老朽化が進んでいますが新型機関銃FN-EVOLYSは選択肢になり得ると思う。

 ベルギーのFNハースタル社はMINIMI分隊機銃後継となる軽量な新型機関銃FN-EVOLYSを発表しました。これは5月7日にFN社がWeb上に発表したもので、5.56mm用機銃として開発されたMINIMIに対して、EVOLYSは5.56mm型と7.62mm型を標準仕様として発表、分隊支援用と小隊火力用と双方に訓練互換性を持たせているのが特色だ。

 FN-EVOLYS-5.56は重量が5.5kgと自衛隊の64式小銃の4.4kgとそれほど変わらずMINIMIと比較し1.5kgの軽量化に成功しFN-SCAR小銃と類似した銃床により全長は810mmにまで短縮されています。FN-EVOLYS-7.62も6.2kgとMINIMIよりも軽量の7.62mm機銃となり、油圧緩衝器を内蔵する事で軽量ながら射撃反動を抑制する構造です。
■ジャガー装甲偵察車用ミサイル
 ジャガー装甲偵察車は105mm砲搭載のAMX-10RCを置換える新世代の40mm機関砲搭載装甲車で、自衛隊も機関砲か大口径砲かという視点で関心をもつべきもの。

 フランス陸軍が運用するジャガー装甲偵察車は初のMMPミサイル発射試験を完了しました。ジャガー装甲偵察車はフランス陸軍に導入された六輪式の装甲偵察車で40mmCTA機関砲を搭載、またジャガー装甲偵察車車体を利用し安価な耐爆車両を陸軍に提供しています。しかし、本来搭載されるべき対戦車ミサイルの開発が遅れており、今回漸く実現へ。

 MMPミサイルはMBDA社が開発した次世代対戦車ミサイルで射程は5km、旧式化したHOTミサイルやミラン対戦車ミサイルの後継に位置付けられています。ジャガー装甲偵察車には2発が装甲ボックスに搭載される構造となっていて、40mmCTA機関砲では対処出来ない装甲目標に対処します。フランス陸軍による発射試験は四月中旬行われたとのこと。
■HPK-15ヘリコプター延命
 HPK-15ヘリコプターはメーカーの支援から独立した長期運用の一つの在り方なのかもしれませんね。

 スウェーデン空軍は運用するアグスタA109軽多用途ヘリコプター20機についてサーブ社との間で長期整備契約を成立させました。スウェーデン空軍はアグスタA109を2003年よりHPK-15ヘリコプターとして運用中です。運用開始から18年を経ており、今後運用するには延命と長期整備契約の更新が必要となり、スウェーデンのサーブ社が選ばれました。

 HPK-15ヘリコプターに関するサーブ社との契約は2022年から2026年内一杯の運用契約であり、オプション契約として同等のサービスを2030年まで延長する内容です。具体的には支援と重整備、整備器材の調達、基地要員の訓練と基地施設での定期整備、エンジン整備、などとなっています。機体そのものはアグスタ社がイタリア国内で製造したものです。
■アフガンのMD-530
 MD-530はアフガン軍の空からの唯一の守りなのですが何故米軍は落ち着いて武装勢力に立ち向かえるM-60戦車等を供与しなかったのか。

 アフガニスタン空軍はアメリカのMDヘリコプターズ社との間でMD-530武装ヘリコプターの重整備に関する1450万ドルの契約を締結しました。これはアメリカ国防総省が行う准対外有償軍事供与の一環として行われるもので、MD-530武装ヘリコプターの重整備はアリゾナ州メサのMDヘリコプターズ社工場にアフガニスタンから搬入し実施するもよう。

 MD-530武装ヘリコプターはアフガニスタン空軍に60機装備され、この機種の運用として世界最大規模となっています。機体はOH-6として知られるMD-500シリーズの最新型でロールスロイス250-C30ガスタービンエンジンを搭載、機体の一部は防弾で、FNハースタル12.7mm機銃ポッドとハイドラ70ロケット弾7発ポッドを機体左右に搭載できます。

 アフガニスタンでは9月に終了するアメリカ軍のアフガニスタン撤収を前にISAF国際治安部隊として派遣されるNATO軍、そして米軍以上に大規模な人員を派遣している民間軍事会社のアフガニスタン軍整備支援要員も撤収する為、近く航空機等の運用が不可能となる懸念がありましたが、幸い2021年11月30日までにアメリカ本土での整備が行われます。
■ケニアへHızır 耐爆車輛
 トルコの防衛産業は昨今存在感が大きいですね。

 ケニア陸軍はトルコのカトメルシレル製Hızır 耐爆車輛118両の調達を決定しました。Hızır 耐爆車輛は四輪駆動式でエンジンは400hp、ボンネット構造を採用、車体側面には二つの乗降扉と4カ所の銃眼を有しており、車高は高くIED簡易爆発物や銃撃等から乗員を防護、車体前面ガラスには防弾ガラスと共に投石対策シールドを有している構造です。

 カトメルシレル社はトラックやトレーラー、バスなど事業車を製造するトルコの自動車工業トルコからは2023年までに納入を完了する方針とのことです。カトメルシレル社は2021年にイスタンブールで開催される国際装備見本市において新型装甲車を提案するとしており、近年手堅い性能の装備品を輸出するトルコ防衛産業の一翼を担いつつあるようです。
■スロベニアがJLTV採用
 日本の軽装甲機動車の延長線にあるような使いやすい、しかし後発である分遥かに頑丈で大型の軽装甲車がJLTVです。

 スロベニア陸軍は導入するJLTV統合軽量戦術車輛についてRWS遠隔操作銃搭を搭載します。これは6月にスロベニアのMatejTonin国防相が表明したもので、搭載されるRWSはノルウェーのコングスベルク社製RS4CROWS、12.7mm重機関銃を搭載可能であるとともに将来拡張性能としてアメリカ製ジャベリン対戦車ミサイルの装着も可能とされている。

 JLTV統合軽量戦術車輛はアメリカ陸軍がハンヴィー高機動車の後継として導入を進める軽装甲車で、軽歩兵旅団戦闘団へ配備されます。ただ、四輪駆動ではあるものの各国の軽装甲車に伍す防御力を有しており、スロベニア軍では38両のJLTV統合軽量戦術車輛にRS4CROWSを搭載します。これら車両は現在ペンシルベニア州で製造中となっています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする