最近は良い本でも絶版が多い。ある程度読みたい本が判っていれば、インタネットで古本も購入できる。ただ、入手したい本が著者名しか判らなかったり、インターネット上でもやたらと高額であれば、購入することを躊躇ってしまう。
大型古書店は、最近破竹の勢いで増え、昔ながらの街の古本屋さんは少なくなってきている(無くなってしまったいった方がよいかもしれない)。大型古書店では、驚くような良い本が安価に売られており私にとってはとても助かる。世界の名著、例えばドストエフスキーの本が100円で売ってたりする。
先日、大型古書店に入った時、一度読んでみたいと思っていたT氏の本があった。戦後直ぐに発刊したその本は、紙の質が悪くそして黄ばんでいる。さらに書き込みも沢山あり、価格も結構高かった。
結局その本を買ってしまった。本を開くと、懐かしい古書の香がする。そして、書き込みがあるのだが、それが今は殆ど使われていない万年筆で書かれたブルーのインクである。ブルーインクの線の味・・・そして本の購入者のサインが最後のページにあった。昭和23年6月13日とある。
父の本棚を覘いたのははいつごろだったのだろう。小学校高学年ごろからいくつかの鮮明な記憶がある。
父は学生時代沢山本を読んだようであるが、私が知る限り、自宅では余り本は読まなかった。父が本を読んでいる記憶は殆どない・・・・
父が若いときに手術をした時に吉川英治の本を読んでいたいたこと。そして、死ぬ間際に知人から貰った本を病室で一所懸命読んでいた時くらいか。
チェン・ニエン著「上海の長い夜」をこれは良い本だといって、私にくれた。それが父の最後のプレゼントであった。病魔と戦った父の大事な遺品であるが、まだ読んでいない。父に怒られそうだ。
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