多感な高校生活は、学園紛争で揺れていた。さらに、受験という厳しい現実もあり、後から考えると人生で暗かった時期のひとつであった。
その高校時代に、担任のK先生は哲学の専門家として含蓄あるお話をしてくれたことがあった。当時流行っていた、「世界は二人のために」を引き合いに、K先生は「世界の中心は自分自身である」という現象額的なことを話された。
50代の今、生き甲斐の心理学を学んできたが、その中の重要な概念の一つにカール・ロジャースのパーソナリティ理論がある。
そして、その第一命題は「個人はすべて、自分が中心であるところの、絶え間なく変化している経験の世界に存在する。」とある。ロジャースの理論は19の命題があるが、第一命題は全てを包括する、壮大なものである。そしてK先生のお話とどこかで繋がっていた。
暗かった高校生活で、人間の真理を教えてくれたK先生。当時は、良く判らなかったが、今その言葉は自分の中で確実に輝きを増している。
もちろん、「世界は二人のために」も良い歌である。愛は自分自身だけでなく、他者も大切にするからである。
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「生き甲斐の心理学」:ユースフルライフ研究所、植村高雄著・監修
「パースナリティ理論」:ロジャース全集8、伊藤博編訳 岩崎学術出版社