イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

嫌いな人を好きなる人間観① (好き嫌い 7/10)

2011-08-17 | 第二章「五感と体感」

 来年のNHKの大河ドラマは「平清盛」だそうである。そろそろ配役情報がでてきたりしているが楽しみである。そして、気になる原作であるが、どうも原作なしとのこと。

 丁度、吉川英治の新平家物語を読んでいるが、配役等の情報を見る限り、今回の原作はないとはいえ、新平家物語の影響は大きいように感じる。

 新平家物語は文庫で16冊。その原稿量は積むと、吉川英治の奥様の背丈を軽く超えたそうである。そんな大作で、夏から読み始めているが、まだ1/4くらいしか進んでいない。今年中に読めれば良いと思うが、どうだろうか?

 しかし、その内容はU先生も指摘されているが、生き甲斐の心理学を吉川英治さんは勉強したのかと思うほど、理にかなったストーリーである。

 そんなこともあり、昨日、ちょっと遠かったが青梅の吉川英治記念館に足を伸ばしてみた。

 青梅の記念館は、戦後吉川英治が赤坂から青梅に引越し、50歳台後半から新平家物語を書いた場所である。灰燼に帰してしまった戦後の時期に、院政で末期的政治状況から生まれた平清盛他の新しい武家政治への流れを描いたのだ。

 丁度、東日本大震災で、ある意味灰燼に帰した現代、そして政治状況に似ている。

 そして、その中でも明るくイキイキと生きる人(例えば麻鳥)を描く。そのベースになるのは、恐らく哲学・宗教といったものなのだろう。そして、それが、日々の生活の中で、肯定的な人間観として機能していく。ちょっと話は飛ぶが、万人の基本的人権思想は哲学・宗教の知識なしに考えられないのと似ている。

 さて、この数日、嫌いな人を好きになることを考えてきているが、やはり本質論も必要だと思う。嫌いな人が好きになるのは、心理学的な方法もあるが、やはりその人が持つ人間観が大きい。柱がなくては難工事は難しい。

 人とは何か。

 生き甲斐の心理学は、人の身体は神の神殿という、聖パウロの思想を大事にしている。しかし、これは何もキリスト教の専売特許ではなく、例えば仏教でも同じようなことがある。

 新平家物語に白拍子の祇王が尼僧になるまえに、悲しく今様を歌うシーンがある。その今様の文言は、仏性についてである。

 仏も昔は凡夫なり

 われらも終(つい)には仏なり

 いづれも仏性、具せる身を

 隔つるのみこそ悲しけれ        (吉川英治文庫50 125ページより)

 明日は、嫌いな人を好きになるための人間観をさらに考察してみたい。

 好き嫌い 7/10

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(新平家物語も執筆した書斎)