数学が今ブームらしい。書店にも数学関係の書物がならんでいる。
私も若い頃は数学が好きだった。大学に入学して専門課程に応募するとき、管理工学科に応募したが、成績が優秀ではなかったが、数学だけができたので、それで希望が通ったようにも思う(よくわからないが)。
卒論も、レンズモデルという数理統計モデルを利用しての実験であったが、そのモデルをピタゴラスの定理等高校生の数学の知識で理解を深め、F先生に褒められたりしたのは、思い出深い。
お医者さんの診断のモデル化など、数理的な接近方法は、今後も知的興味を駆り立てる世界になるだろう。ただ、私の残りの人生を考えると、他にもやることが沢山あり、数学とは接点が少ない気がする。
こんな私であるが、生き甲斐の心理学をU先生に学ぶ中で、思いも掛けない分野(人間観)で数学に出会う。
誰にもわかるようにU先生が表現されている数式とはU先生が欧米で学んだ一つの常識(キリスト教を背景にしている)を数式化したもの:
A=B(X+Y)
A:現在生きている特定の人(自分でもよい)
B:臨終と共に離脱していく生命体、俗語でいう魂。魂とは、永遠普遍のもので、病むことも老いることもない。愛そのものと定義。
X:成育史等をベースにした心(臨床心理学の対象)。
Y:医学の対象となる身体。
この数式を見てわかることは、生身の人間には、愛そのものがあるものの、心と身体のフィルターを通す中で現実的には変わってしまうという点である。しかし、愛そのものが含有されているという思想である。
この思想は、日々の生活の中で具体的に役に立つ。空理空論と違うように思う。
人は生まれ落ちてから、好きな人の中だけで生活をするわけではない。さまざまなしがらみの中、どんなに嫌いであっても、密に接しなければならない状況もある。特に成人して、社会人となり、人と密に接する職業を選んだりする場合は深刻である。
愛とは何か。よく定義は何かと聴かれる。生き甲斐の心理学では、各自が愛と思うモノと定義している。したがって、私の愛の定義は私流なのであるが。やはり、ここに今愛されて生きているという実感が大切なのだと思う。そして、愛は好き嫌いを超えている。そんなようにも思う。
好き嫌い 8/10