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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

他人の眼が気になる・・・でも自分は自分!(みんなの性格形成理論 9/10)

2012-07-22 | 第三章「無意識の世界」

 孫娘は3歳になる。人の成長は凄いもので、数か月前には見せなかった疑惑の表情などを時として見せる。自分にだけかなと思い周りに訊いてみると、自分だけでなく外の人にも同じように疑惑の表情を見せるという。

 今回は、ロジャースの性格形成論を扱っているが、生き甲斐の心理学でもう一つ学んでいるエリクソンの理論では、2-4歳になると疑惑・恥辱と共に自律性と意志力が芽生えるそうだ。急に大人のような疑惑の目を見せても、暖かく見守ってあげたい。

 さて、疑惑が生まれるのも、世の中は、自分だけでなく他人がいるからなのだろう。U先生から深層心理学では「自分以外の他人は驚きの対象」と考えているんだと教えていただいた。へえ~と思ったものだが、子供を観察していると納得する。自分の大昔の記憶を辿ってみても、自分のしたいようにすると、親をはじめ他人は何か言ったり、時には叱ったりされたものだ。

 気持ちよく、お腹を出していると、雷様がおへそを取りに来る・・・とか。・・・すると、いい子だねとか。・・・すると、いつもと違って厳しく窘められたりする。その時は、訳が分からず、30年後にわかったりすることも。

 自分の歴史は、他者が介在する歴史でもあるようだ。そして、勿論、性格はそうした他者とのやり取りを通じて形成される。このあたりの、事情をロジャースは次のように命題9、10で説明している。恐ろしく難解で(原文を見たいというかたは、Wikipediaで見られるが、原文も難解なのでお勧めしない)、日曜日に、ゆったりと難しい文章を解明してみたいという方のみチャレンジください。

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 命題9:環境との相互作用の結果として、とくに、他人との評価的な相互作用の結果として、自己の構造(the structure of self)が--<わたしは>もしくは<わたくしに(を)>の特質や関係についての知覚の、体制化された、流動的な、しかし首尾一貫している概念形成(conceptual-pattern)が、これらの諸概念と結びつけられて諸価値とともに--形成される。

 命題10:いろいろの経験にむすびつけられている諸価値や、自己構造(the self-structure)の一部である諸価値は、ある場合には有機体によって直接的に経験される諸価値であり、ある場合には他人から投射され(introject)もしくは受けつがれるが、しかし、あたかも直接的に経験されたかのように歪められたかたちで知覚されるものである。

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  さて、こうした特性は、それにより幸せになれる恩恵がある。私が記憶している中では、さまざまなしつけや教育というものもあるが、トラウマのような事件で命題8で救われたこともある。小学校の3年ごろ、夏の海水浴場の飛び込み台にひっかかって危うく溺れるところを父に助けられたが、翌朝、その飛び込み台が台風で浜にひっくり返っているのを見て、父が飛び込み台に「ざまーみろ」と言ったことで、何かすっきりした経験がそれかなと思う。

 勿論、その反対に、過度に他人の目線が気になり、それにより一喜一憂するような不安定に陥ったことも。今回の「一房の葡萄」も、だんだんジムの存在が気になるようになり、異常な事態になっていく。これは、昨日のブログで書かせていただいたように、最終的には乗り越えていくが(若い女教師のお蔭もあり)、その途中は実に大変である。

 最後は、ジムとの和解により、変な競争関係が克服され、「僕」に平安が訪れる。それは、バランスを取り戻し、元のように海岸で海や船を見ていた「自分」に戻った時でもある。

 みんなの性格形成論 9/10

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