最近、太り気味で体調がちょっと気になっている。この一週間も体重計に乗って、少しは痩せたかなと気にしている。暑い日に、冷たい飲み物を沢山取ったり、辛いものを食べると、胃腸の調子が悪くなりちょっと痩せたり。甘いものや、食事の量を考えないでいると太ったり。適量を意識し制限をすると、わずかに痩せたり。
これは、身体の話であるが、こころも実は同じようである。ロジャースの性格形成論の中には、細かくではないが心の健康に関することが命題11で載っている。こんな感じである。
1.自分が問題なく受け入れられることは受け容れ、自分の糧となっていく。
2.全く自分と接点がないようなことは、全く受け入れられず、気にもならない。
3.中間的なものは、不安な存在で意識に登るが、受け入れられなかったり、あるいは、だましだまし人の意見を借りて受け容れる。そんな感じである。
そして、カール・ロジャースは、こうした状態を図る尺度を考案した。プロセス・スケールと呼ばれるもので臨床系の実務者に世界的に愛用されている。ただ、これは、訓練次第で誰もが身に着けることができるので、生き甲斐の心理学を学ぶときに大切にされ、私も学び、生活の中で役立てることができる。
身体だったら、体温計、脈を図ったり血圧を測ったり、そんなことで状態が判るが、こころの状態もプロセス・スケールで判るのだ。
プロセス・スケールは7種類(1.感情の個人的意味づけ 2.体験過程 3.不一致 4.自己の伝達 5.体験の解釈 6.問題に対する関係 7.関係の仕方)があり、生き甲斐の心理学ではそれぞれ3段階(高、中、低)評価する。
詳しくは説明できないが、例えば「一房の葡萄」の「僕」の状態は、次のようである。テキスト「生き甲斐の心理学」をお持ちの方は136ページ等をご覧いただければ理解が増すと思う。
絵具を盗む前:
1.感情と個人的意味づけ: 低 (恐らくあるはずの、ジムへの嫉妬感情が感じられない、自分のものとは思えない)
2.体験過程: 低
3.不一致: 低
4.自己の伝達: 低 (最後にはにかみ屋だったことを告白している)
5.構成概念: 低 (絵具に対する固執など)
6.問題に対する関係: 低
7.関係の仕方: 低
小説の最後の状態
1.感情と個人的意味づけ: 中 (少しいい子になったということで、感情の存在が判ったのでは?)
2.体験過: 中
3.不一致: 中
4.自己の伝達: 中 (少し、はにかみ屋でなくなった)
5.体験の解釈: 中 (絵具に対する固執がなくなっている。)
6.問題に対する関係: 中
7:関係の仕方: 低 (先生との関係が、いまだに避けられているようなニュアンスを感じて)
全体的に低から中に改善されている。自分自身のことを考えても、日々の生活の中、いろいろなことが起こり、時に低になったりするも当然ある。ただ、「生き甲斐の心理学」を学んでくると、低ー>中ー>高に流れやすくなるようだ。逆に、高ー>中ー>低の流れもあるのだが、こういう時は問題である。
9月30日(日)午後14:00~16:30 八王子の駅前のクリエイトホールで「生き甲斐の心理学」を楽しく学ぶ会を開催する予定である。是非とも、ご参加いただければ幸いです。
みんなの性格形成論 10/10
p.s. 7月24日から30日まで夏休みの外出のため、連載を休みます。