1月12日(土) 昨日に比べ暖かい 湿り気のある微風
朝の雑用を素早く済ませ、Salaの入院している佐久市の病院へ向かった。彼は12月13日に腿の筋肉内にあった腫瘍を取り除く手術を受けた。その時も脚の先にも白い影があることが解っていたが、それが肉腫に発展するとは限らないこととして、脚を残すことを優先した手術だった。ところが、年が明け、4日だったか、足先を障ると指先に柔らかくも確実な膨らみが三ヶ所あった。これが翌日には一廻り大きくなり、Salaは細い後ろ脚を縮め、決して地面に着けようとはしなかった。
医者とも相談した結果、内臓や脊髄に転移するは早いので、命を優先するには脚を切り取るのが最良の方法だと云った。全てをお任せして術後2回目の面会の今日、3日前には下腹部がムクンでいたが大分治まっている。しかし、今度は内部の血管で問題が起きていると云う。今まで足の先まで血液を送っていたのが、股関節で断たれたことでストレスが起きているそうだ。2日前は相当に辛そうだったが、昨日からは食欲も出てきましたよ。と看護婦さんが言う。
Salaは運気が強い犬で古代のエジプトでも、王の守り神として飼われていた犬種と云われている。点滴の針は前足両方に指しながら、俺がケージに近づくと立ち上がろうとした。ケージを開けて「座ってイイヨ」と声をかけ、Salaの好きな鼻先と耳の後ろ、肩をマッサージしてやった。肩から前足にかけて彼は好きなところで、ゆっくりとなでながらさすると気持ちよさそうに眼を細る。
先生は「血管が落ち着くまでは少し時間がかかるかも知れませんが、適切に対処していきますから、ご安心ください」とキッパリと言った。しかし、俺的にはショックな面もあり、彼が苦しんでいるのが解る。ムリに脚を切ったのか。彼の治癒力に頼ればアノの肉腫は乗り越えられたのか ・ ・ ・
帰りは自問しながら車を走らせたが ・ ・ ・ 国道を右折するのを忘れて直進してしまったほどだ。でも、ボンヤリシテ ミチヲ マチガエルノワ ヨクアルコト オレノセイニスルナ”っとSalaの声が聞こえそうだ。
午後には久しぶりに夢酔氏を訪ね、地域の話やふるさとプロジェクト、歴史研究会の話をした。彼も第二の故郷として立科町を自ら選んで移り住んだ人。この町に生まれ育った人とは異なる眼を持っているので話が合う。彼は町の町民講座などに、こまめに出席している。それだけでなく、資料を俺の分を確保したり。近隣で開かれたり発行され去る資料も取りそろえてくれる。近いうちゆっくりと話をしたいと思っている。彼の好物は酒と云うことは知っているが、今は断酒をしていると聞いている。俺は酒を呑むことはできないからだ、共通して口に入れて楽しめるモノを探してみよう。