『理科系の作文技術』というのは物理学者の故木下是雄さんが書いた、中央公論社が1981年に発行している中公新書の1冊である。
この本についてある話を聞いたことがある。それは出版社の編集者がある人に語ったことである。その人は中央公論社から中公新書の1冊書くことを要請されているという。
その人に編集部員はこう言ったそうだ。「『理科系の作文技術』は30年で100万部が売れたんです。私たちはそういう息の長い出版を目指しているのです。すぐにベストセラーになる必要はないのです」。
『理科系の作文技術』は私も1冊持っているが、あまり読んだことはない。だが、卒業論文を書こうとする理系の学生たちが買って一度は参考にする本であろう。この手の本としては最近では結城浩さんがちくま学芸文庫として出版している本があったりする。
言い方が悪いがこういうモノはある種のhow to本であるが、やはりこういう本で勉強できると論文の書き方が違ってくるだろう。how to本がバカにはできない理由がここにある。