お前は「パスカル好きか、デカルト好きか」と聞かれたら、言下に「デカルト好き」と答えるであろう。
この二人をよく知って答えているわけではない。ただ単に先入観としてそう思っているだけだ。
いや実は先日デカルト(原亭吉訳)『幾何学』(ちくま学芸文庫)を購入した。これは消費税の10%になるきっかけでの購入であった。
この書はまだ全く見ていないのだが、数学史家の佐々木力さんがその解説で、つぎのように書いている。これは佐々木さんの見解ではなく、訳者の原さんがどこかに書かれていることだという。
「パスカルのサイクロイド研究はデカルト流の解析幾何学に対する彼(パスカル:引用者挿入)の対抗策であったろう」
いや、パスカルのほうがデカルトよりも若いと思うが、やはり対抗意識をもっていたのか。しかし、現在では、デカルト流の解析幾何学のほうが発展の可能性が大きかったことが分かっているだろう。
もっともこの本の訳者、原亭吉(こうきち)さんはパスカルの研究者であったらしい。