これはフランス語に限ることではないのだろうが、私の気づいている特徴を上げておこう。
一つは形容詞は原則として、名詞の後ろにおくということである。英語でもドイツ語でも形容詞は名詞の前におくので、形容詞が原則として名詞の後ろにおくというのはラテン語族がゲルマン語族とは異なる一つの特徴であろう。
さらに、もし英語で「君を愛する」と言うとすると、これはI love youであろう。ドイツ語だってIch liebe dichで君、または、あなたは動詞liebenとかloveの後ろに来る。だからフランス語のときもそうかというとそうではない。
この文句はよく知られたものであるから、多くの人が知っているだろうが、Je t'aime (ジュテ-ムまたはシュテームと発音する)という。これはイタリア語やスペイン語でも同じであろう。ロシア語でもそうだったかもしれない。
私はスペイン語は学んだことがないが。形容詞が修飾する名詞の性と数によって変わるのはフランス語だけではなく、ドイツ語でもそうであるから、別にびっくりすることはなかろう。
形容詞の位置は原則として名詞の後ろにおくと言ったが、例外もある。それは慣用としてよく使われる形容詞のいくつかは名詞の前に来るものがある。
これはpetitとかgrandとかbonとかbeauとかの慣用的によく使われる形容詞である。un petit garconだとかun grand hommeとかである。Quelle belle vue !などという風に使われる。
フランス語を学び始めたときには英語からのずれはあまり大きくは感じられなかった。それくらい私にはドイツ語と英語のギャップは大きく感じられた。
フランス語で難しいのは動詞だと言われ、それについてはそうだと思う。直接法の単純過去は今でもあまりなじみがない。