天文計算の本のコラムで見たのだが、計算者は誤りをおかさないことは皆無だという。上手な計算者とは誤りを早く見つけて、それを正せる人だという。これは多分正しいだろう(注)。
このコラムによれば、計算をすることは誤りをすることだという。これはなかなかencouraging(励まされる)なコメントである。
そういえば、ある四元数の本でいくつかの等式が載せてあり、これを用いて計算をチェックせよとは書いてなかったが、そういうつもりでこれらの等式を載せたらしいことが推察された。
また、これは別のことだが、数学の専攻の学生よりも私たち物理の専攻の学生が数式の計算という点では達者だという印象を学生時代に持っていた。
もっともその中の物理の学生としては、私のような計算下手な学生もいたことを付言しておきたいが。
(注)高校の英語で学んだことわざに
To err is human, to forgive is divine.
というのがあった。「人間は過ちする存在であり、許すのは神性(神?)」とでもいうのだろうか。
また「神様は積分をなさらない」というアインシュタインだかの言もある。積分などという理に勝ったことをするのは人間だからであり、神様は積分などしなくてもすべて物が分かっているはずだというのであろう。