オーバーシューティング(overshooting)という語を知ったのは知り合いだった、機械専攻の大学院生が私のところに何かを聞きに来られたときであった。このときはまだ教師になって数年しかたっていなかった。
彼の質問には結局答えられなかったのだが、オーバーシューティング(overshooting)とは、行き過ぎてもとへ戻るような現象というか事実であった。
そういえば、数値計算で「狙い打ち法」というのがあって、ある計算をして、それが望みの値よりも大きいか小さいかを調べ、大きければ小さくなるように修正し、もし小さければ大きくなるように修正する。こういう操作を繰り返せは意外に早く望みの値に近づくことができる。
こんな原始的な方法がと思うのだが、コンピュータはくり返し計算を人間が数値計算を手でやるよりは計算速度が速いので、この原始的な方法が結構有効なのである。
もっとも微分を知っていれば、ニュートン法などが知られている。高次代数方程式の根を求めるときなどはこのニュートン法を使ったりする。また、ある数の平方根の近似値を求めるのに使うことができる。
ところで、実はこの方法は軍艦などが相手の軍艦を砲撃するのに実際に使われていたと聞いた。今ではそんな原始的なことはしないのだろうが、昔はこういう方法で相手の軍艦を砲撃していたのだという。
そういう工学分野のいろいろな概念で理学としての物理学を学んだ者が知らないようなものがいくつかあるのだろうと思うが、そのすべてを知っているわけではない。
ともかく、オーバーシューティング(overshooting)とかundershootingという語を工学の概念として知ったのももう何十年も前のことである。
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