このところ入力だけで出力をしていない。
変な言い方だが、つまりは本を読んだり、インターネットからとったコピーを読んだりすることに専念していて、それをまとめた文章、すなわち、エッセイを書くという作業をあまりしていない。
私はそれなりに自分に入力して、それがある程度自分の中にたまると出力したくなるという性質をもっているのだ。
以前に、大学の同僚だった方は、「ある疑問に取りつかれて、それの解決を目指すのだが、それが自分にわかるとそれをまとめて論文にするという気が起こらないのです」という方がおられた。
要するに、自分が分かったという段階で、もう満足してしまうのだという。そういう方もおられるのだということをその方と話す機会があったときにはじめて知った。
その方は知的には優れた方なのだが、ちょっとこういう人は研究者としては損をする。私などは自分の知ったことを人に知ってもらいたいという気が強いほうだと思う。これはあまり珍しい見解を自分がもったのでなくても。
だから、あることが他の方にも知られていることかどうかは、あまり関係がない。