私の昼食はやはり廉価であるということもあり、最近はもっぱら庁内の大食堂で済ますことが多くなりました。
大食堂の名誉にために記しておきますが、けっして「安かろう不味かろうではありません!」多くの人が利用して、それなりに満足させてくれる味と質を保っています。
その大食堂は座席が400席くらいはあろうかという大きさです。
そこで大人数が一度に食する様は、例えは悪いがまるでブロイラーが餌をつつく様に似ているといったら失礼すぎるだろうか。(私もその一員なのだが…)
そんな一見味気ない風景なのですが、ある日なんとも面白いというか、興味深い光景を目撃しました。
私はその日珍しく「鴨ざるそば」を食していたのですが、周りもそばを注文している人が多かったのです。
すると、となりに座った人が「てんぷらそば」を自席に運んできたかと思うと、そば湯をいきなりどぼどぼと注いだのです。
それもかなり大量に…。なるほど少し濃い目に思えるそばのたれは、塩分控えめを心がけている人はいつもそうしているのだろうと察したのでした。
次に向かいに座った人は、私と同じ「鴨ざるそば」だったのですが、その他に納豆の小鉢を持っていました。
その人は、その納豆をつけだれの中にあけると、その小鉢にそば湯を注いだのです。
「ほう、面白い食べ方があるものだなぁ」と私は眺めていました。
私の席から少し離れたところに座っていた二人の「ざるそば」は他の人たちのざるそばとは明らかに様子が違って見えました。
そばの色が赤く見えるのです。
それは七味唐辛子をいっぱいに振りかけて、そばの山が真っ赤に染まっていたのでした。
「う~ん、すごい!」
その様子を見ながら思ったものです。
「みなさんはそれぞれ工夫をして、自分の味を作っているんだなぁ」と…。
ちなみに私はいまのところ、どのメニューにも何の工夫もせずに、与えられたものをそのまま食べています。