中山道の木曽路11宿(79.8km)を歩いて踏破しようと早くから計画を立てていた。実施は気候の良い5月頃に目途を立て、詳細な計画を練り交通機関・宿泊先に予約を入れようとしていた。しかし…。
※ 奈良井宿の街並みです。(ウェブ上の写真を転載)
私の知り合いに歴史が好きな上に、とても詳しい友人がいる。
彼から「奈良井宿はいい」「妻籠宿は素晴らしい!」と聞かされていて、「いつか私も…」と思っていた。
そこで下調べをするうちに、「趣味のウォーキングを兼ねて木曽路11宿を踏破してみよう!」と構想を立てたのが2月ころだった。
計画は、「木曽路北門の関」贄川宿から木曽路最南の宿場町馬籠宿まで79.8kmを4泊5日で歩こうというものだ。
◇第一日 贄川 → 奈良井 7.3K (奈良井宿泊)
◇第二日 奈良井 → 薮原 → 宮ノ越 → 福島 19.8K (福島宿泊)
◇第三日 福島 → 上松 → 須原 22.0K (須原宿泊)
◇第四日 須原 → 野尻 → 三留野 → 妻籠 22.9K (妻籠宿泊)
◇第五日 妻籠 → 馬籠 7.8K (札幌へ)
以上に東京での前泊を加え、5泊6日の旅を計画した。
旅程の中で一日20K前後の行程が三日間連続し、少し不安なところもあったが「なんとか頑張ることができるだろう!」と意を固めていた。
ところが…。
あのような大震災が勃発した。
直接的な影響としては、出発予定地の贄川に入るためには、新宿から中央本線を乗り継がねばならないのだが、電力供給不足問題によってダイヤ通りの運行が不確かになってしまった。
そのことより私が受けたのは心理的な影響だった。「こんなに日本が大変なときに、東北地方の方々が苦しんでいるときに、のほほんと旅など楽しんで良いものだろうか」という思いが私を支配した。
旅の延期を決意した。無期限の延期である。
自分の中で了解がついたとき、改めて旅を計画しようと思っている。
私と同じような思いにかられ旅を断念した人が幾万といるのだろう…。