田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌市民の誇り 大通公園

2011-09-15 23:23:25 | 札幌学 & ほっかいどう学
 札幌市民の誰もが集い、そして憩う大通公園…。大都市札幌の都心にあって札幌の発展を見続けてきた大通公園…。その大通公園が誕生して100年を迎えたという。大通公園の来し方を振り返り、未来を考えるシンポジウムを聴いた。

 9月12日、道新ホールにて「大通公園100周年 記念シンポジウム2011」(サブテーマ)~大通、中島、円山~三つの公園の100年とこれから~が開催された。
 実は、大通公園が今年100年を迎えたばかりでなく、円山公園は102年目、中島公園は101年目だそうである。
 シンポジウムは、初めに特別講演としてハードボイルド作家の東直己氏が「都市の緑陰-『コタンの口笛』から平成まで」と題して講演した。
 続いて、東氏も含めて5人が登壇してパネルディスカッションが行われた。

          
          ※ 最近の室内でのイベントはほとんど写真はNGである。開会前のステージを撮った。

 東氏が演題の中に「コタンの口笛」という児童文学書名を入れたのは、「コタンの口笛」には東氏が生まれ育った当時の昭和30年代の札幌の情景が描写されているということが理由だったようだ。その東氏は自らの幼少時代、そしてお子さんが小さな時に大通公園や札幌都心の街角で過ごした思い出を語られた。そうして、子どもにとって楽しく過ごした公園での思い出は一生の宝になると話された。

 パネルディスカッションでは北大名誉教授の小林英嗣氏、専修大北海道短大教授の小林昭裕氏、フリーアナウンサーの野宮範子氏、会社社長の小島神次郎氏、そしてコメンテーターとして東直己氏が登壇して、それぞれの立場から三つの公園を評価し、これからの大通公園をはじめとする三つの公園について提言された。

          
          ※ 入場者に配布された開催要綱と三つの公園の現況を記した小冊子。

 さまざま語られた中で、会場の共感を呼び説得力ある提言の一つとして、大通公園で市民や観光客がゆったりと寛ぐことのできるカフェなどが数多く出店してほしいという提言があった。いろいろと規制があるようであるが、私もこの提言には賛同したい。
 また、札幌市内は意外と緑が少ないという指摘があった。札幌の中心部を全て公園化するというような大胆な提言もあったが、そこまでいかなくとも三つの公園が緑で繋がるような工夫を行政も市民も考えていくべきではないか(それは一人ひとり家庭の庭先からという発想で)といったことが各氏から話された。

 他の都市の実状を私は知る由もないが、私から見ると札幌は緑を大切にし、公園の整備にも積極的に取り組んでいるように見える。そうしたことが全国の都市に伍して「魅力ある都市」全国一に何度も輝いている一因なのではと思っている。
 ただ、大通公園で開催されるイベントがあまりにも多く、公園の本来的な目的である市民や観光客が寛いだり、談笑を楽しむ空間としての役割が制限されているのではないかと感ずる点が少々残念である。