以前は野獣であるエゾシカを食することに賛否両論があったように思っていたが、増えすぎて農林被害額が膨大となるに及んでエゾシカを食材とする考え方がコンセンサスを得てきたようである。
エゾシカの農林被害額が50億円を越えたそうだ。
被害は道東・道北部から道央・道西部に広がっているらしい。
エゾシカによって植生が破壊され、北海道の生態系が撹乱されてきているそうだ。
9月4日(日)道新ホールで北海道新聞野生動物基金主催の「シンポジウム エゾシカを考える」に参加してきた。
シンポジウムは、酪農学園の吉田准教授が「エゾシカ被害の現状と生息実態」と題して基調講演を行い、その後パネルディスカッションに登壇したパネラーの4氏も専門分野についてそれぞれスピーチをした。
そして最後に吉田准教授をコーディネーターとしてパネルディスカッションが行われた。
基調講演で吉田氏は知床半島のスライドを提示して、知床半島の植生がシカが好まない植物だけに覆われてしまった(アメリカオニアザミ、フッキソウ、ハンゴンソウ)と報告した。
そして平成22年の生息調査で約65万頭のエゾシカが道内に生息していると推定している。特に道西部における生息数の増大が顕著で、過去10年で約3倍に増えているということだ。それに伴い、農林被害額が50億円以上に上ると報告した。
その他のパネラーのスピーチで印象に残ったのは、北大大学院の近藤教授が日本人は古来から雑食民族であり、野獣も好んで食していたことを話された。また、エゾシカの狩猟に関して「アニマルウェルフェア(動物福祉)」という概念を紹介され、野生のエゾシカを捕殺するとき苦痛を与えないような捕殺が求められるとした。
また、釧路短大の岡本准教授はエゾシカ肉を栄養素的に見ると脂肪分が少なく、鉄分などが豊富な非常に有用な食品であると報告した。
今回のシンポジウムを聞いていて、増えすぎたエゾシカを捕殺し、それを食用として利用するということについてはすでにコンセンサスができているように感じられた。
課題の一つは、例えば年間10万頭を捕殺したとしても食肉として流通させるにはあまりにも少ないということのようだ。
また、食肉として利用するためには野獣であるがため、食肉として適するか否かの検査体制の構築が求められるが、その整備が難しい状況にあるということだった。
関係者、そして研究者たちはエゾシカと人間との共生という難しい課題を前にして試行錯誤を続けているようである。
その間にもエゾシカは増え続けている…。
エゾシカの農林被害額が50億円を越えたそうだ。
被害は道東・道北部から道央・道西部に広がっているらしい。
エゾシカによって植生が破壊され、北海道の生態系が撹乱されてきているそうだ。
9月4日(日)道新ホールで北海道新聞野生動物基金主催の「シンポジウム エゾシカを考える」に参加してきた。
シンポジウムは、酪農学園の吉田准教授が「エゾシカ被害の現状と生息実態」と題して基調講演を行い、その後パネルディスカッションに登壇したパネラーの4氏も専門分野についてそれぞれスピーチをした。
そして最後に吉田准教授をコーディネーターとしてパネルディスカッションが行われた。
基調講演で吉田氏は知床半島のスライドを提示して、知床半島の植生がシカが好まない植物だけに覆われてしまった(アメリカオニアザミ、フッキソウ、ハンゴンソウ)と報告した。
そして平成22年の生息調査で約65万頭のエゾシカが道内に生息していると推定している。特に道西部における生息数の増大が顕著で、過去10年で約3倍に増えているということだ。それに伴い、農林被害額が50億円以上に上ると報告した。
その他のパネラーのスピーチで印象に残ったのは、北大大学院の近藤教授が日本人は古来から雑食民族であり、野獣も好んで食していたことを話された。また、エゾシカの狩猟に関して「アニマルウェルフェア(動物福祉)」という概念を紹介され、野生のエゾシカを捕殺するとき苦痛を与えないような捕殺が求められるとした。
また、釧路短大の岡本准教授はエゾシカ肉を栄養素的に見ると脂肪分が少なく、鉄分などが豊富な非常に有用な食品であると報告した。
今回のシンポジウムを聞いていて、増えすぎたエゾシカを捕殺し、それを食用として利用するということについてはすでにコンセンサスができているように感じられた。
課題の一つは、例えば年間10万頭を捕殺したとしても食肉として流通させるにはあまりにも少ないということのようだ。
また、食肉として利用するためには野獣であるがため、食肉として適するか否かの検査体制の構築が求められるが、その整備が難しい状況にあるということだった。
関係者、そして研究者たちはエゾシカと人間との共生という難しい課題を前にして試行錯誤を続けているようである。
その間にもエゾシカは増え続けている…。