6泊7日という短い日程でアメリカの観光ポイントを駆け抜けてきた。それはまさに広大なアメリカの一端を垣間見たに過ぎない。そのようなわずかな体験でアメリカを云々評するのはおこがましい。それでも私なりの感慨は残った。今回の旅を記憶に留めるために旅の記録と共に、垣間見たアメリカを綴ってみたい。
大地を裂く巨大な峡谷
息を飲む光景とはこのようなことを指すのか…
それはまさに大地の一部がパカッと割れて内部を露出したかのようだった。
延々と続く巨大な峡谷を前にして私たちはため息をつくばかりだった…。
今回の旅のハイライト「グランドキャニオン」観光のために旅行社が提供してくれたのはグランドキャニオンの朝日観賞だった。つまり、グランドキャニオンに朝日が注ぐ光景を観賞してもらいたいというものである。そのため私たちは午前4時30分にホテルを発った。
鑑賞ポイント(マザーポイント)に着いたときは日の出前だったために、辺りは薄暗く、谷底はまだ漆黒の闇の中に眠っていた。
徐々に太陽が顔を出すにつれて谷の様子は刻々とその姿を変えていった。
※ 展望台の向こうに朝日が顔を出したところです。
やがて谷の全容が姿を現したとき、そのスケールの大きさに息を飲むばかりだった…。
鑑賞ポイントからは谷の底をほとんど見ることができない。それくらい谷の底が深いのだ。(その標高差は1,400m)
遠くにかすかに水の色が見えた。望遠を最大限にしてみるとコロラド川の流れが確認できた。
※ まだ朝が明けきっていないキャニオンの様子です。
※ 朝日が射し始めその陰影がくっきりと映し出された様子です。(下の写真も)
※ 望遠を目いっぱい引っ張って写したコロラド川の流れです。
ここまで書いてきたが、峡谷のスケール、私の感激を表現することは私の筆力では無理だということを思い知らされた。これ以上は写真に語ってもらうしかない。
写真よお願い!そのスケールを、私の感激を、雄弁に皆さんに伝えておくれ!!
※ 少し陽が上がってから別の観賞ポイントから撮ったグランドキャニオンです。
※ 崖すれすれに佇むカップルです。見ているだけで恐ろしくなる光景です。
※ 崖の上に豆粒のように見える観光客の姿です。
※ 朝日を撮ろうとカメラを上方に向ける観光客の姿です。
谷の深さが平均1,200m(観賞ポイントの標高は2,300m)、長さ446Km、幅6~29Km、最深地点1,800mというスケールの大きさは、私のような小さな人間にはとても捉えきることできないスケールである。
その前に立った私は呆然としてただため息をつくばかりだった。
願わくば、あの崖っぷちに佇むカップルのようにゆっくり、じっくりと峡谷を眺め続けていたい欲求に駆られたが時間が限られたツアー客にそれは許されない。
後ろ髪をひかれるとはこのことか…。
思いを引きづりながら峡谷を後にしたのだった…。