田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

垣間見たアメリカ 14

2012-06-17 23:30:43 | 海外の旅

 6泊7日という短い日程でアメリカの観光ポイントを駆け抜けてきた。それはまさに広大なアメリカの一端を垣間見たに過ぎない。そのようなわずかな体験でアメリカを云々評するのはおこがましい。それでも私なりの感慨は残った。今回の旅を記憶に留めるために旅の記録と共に、垣間見たアメリカを綴ってみたい。  

パックツアーの功罪 

 私たちは何も心配することなく添乗員に委ねることができた…
 かゆいところまで手が届く対応だった…
 しかし、それだけに旅する私にとっては忸怩たる思いもあった…

          
          ※ 私たちを関空からシアトルまで運んでくれたデルタ航空182便です。

 長い間綴ってきた「垣間見たアメリカ」シリーズだが、今回で終了することにしたい。
 終了にあたって日本独特の旅の形態とも云われるパックツアーについて考察してみたい。(調べてみると同じような旅の形態は他国にもあるようなのだが、日本人の場合圧倒的にこのパックツアーで海外旅行をする人が多いという現実がある)

          
          ※ 航空機の海外便の楽しみの一つ機内食です。写真のときのメインデッシュは「若鶏のグリルのタイムソース仕立て、各種野菜とパスタを添えて」というものでした。

 私の場合、今回が8度目の海外旅行だったが、ここまで典型的なパックツアーに参加したのは初めての体験だったように感じた。感じたとしたのは、これまでもパックツアーに参加していたのだけれど、これまでは観光が主目的でなかったり(スキーツアーやサッカー観戦ツアー)、団体としての旅行だったりと、今回とは形態がやや異なっていたため感じ方に違いが生じたと言ってよい。

          
          ※ ここからは再び観光ポイントを振り返ります。写真はラスベガスの夜景です。

 パックツアーの功罪について考えていたとき、ウィキペディアに当たると非常にうまくまとめていたのでそれを紹介してみる。

《利点》 ・添乗員が同行するパッケージツーでは、現地での不安感が少ない。
     ・比較的多くの観光名所を観光バスなどで短時間に効率よく周遊できる。
     ・現地の情報の事前収集が少なくて済む。
     ・団体料金(企画旅行社との契約料金)が適用されるため、自由旅行や手配旅行より旅行費用が割安なケースが多い。
     ・旅行業者は三つの責任(旅程管理責任、旅程保証責任、特別保証責任)を負うため手配旅行に比べて安心できる。
《欠点》 ・観光ルートが時系列で細かく設定されており、せわしなく感じる場合がある。
      また自由時間が少ないため観光内容に物足りなさを感じることもある。
     ・行動の大半をほかの参加者と共にするため、煩わしく感じる場合もある。
     ・近年、格安航空券やホテル代の割引が個人客にも開放されており、自由旅行や手配旅行のほうが安くなることも少なくな       い、特に一人参加で一人部屋追加料金を支払う場合はかなり高くつく。
     ・土産物屋や免税店に何回も立ち寄らされることがある。

          
          ※ 幻想的な光景が印象的だったアンテロープ・キャニオンです。

 まさにウィキペディアがまとめた(一部割愛したが)とおりだと私も思った。
 私たちは安心して旅行を楽しむことができた。私たちは少ない時間で広いアメリカ大陸の四つの観光ポイントを効率的に廻ることができた。それでいて比較的リーズナブルな価格設定だと思った。

          
          ※ 憧れただったグランド・キャニオンの展望ポイントに立った時は感慨ひとしおでした。

 しかし、しかしである。
 ハノイの下町を歩いたり、ロスアンゼルスの夜の街を散歩したり(これは少し怖かったけど)、ソウルの朝市をひやかしたりするような体験は皆無だった。
 また、現地のアメリカ人との交流も土産店の店員との交渉時だけで、一般の人たちと交流する機会も時間もなかった。
 私たちはスズメの学校よろしく添乗員の後を懸命に付いて回りながらアメリカを巡ってきた…。
 これでは旅の醍醐味の一つをみすみす放棄したに等しいとも云えるだが…。

          
          ※ 雄大な光景が広がるモニュメント・バレーは西部劇の世界そのものでした。

 そしてまた、しかしである。
 とは言いつつも、今の自分には相応しい旅の形態だったとも振り返っている。
 こんな場面があった。
 アメリカ国内のローカル便を乗り継いでいたときだった。妻の座席がアメリカ人と隣り合ったことがあった。妻から「座席を交代してほしい」と頼まれて交代した。
 隣のアメリカ人は一人旅で、ビジネスで飛行機を利用したように見えた。私は昔取った杵柄(?)で「少ししか英語はできないが、お話していいか?」と聞くと「もちろん」ということで話をしようと思ったのだが、私の口から英語が出てこない、彼の英語が良く聞き取れない、という悲惨な状況になってしまった。
 というのも私はパックツアーに参加するということで、海外旅行に旅立つときの独特の緊張感さえ持たないままこの旅行に参加していたことを悟らされた。過去の旅では多少とも現地の人との会話を楽しんでいたのだが…。

          
          ※ 圧倒的な迫力の瀑布と俗化され過ぎたその周辺…、複雑な思いに駆られました。

 長くなってしまった。結論を急ぎたい。
 パックツアーは日本人が気軽に海外旅行を楽しむための優れた旅行手段であると…。
 欠点は欠点として理解しつつ、利点をおおいに活用すべきなのだろうと思った今回のパックツアーだった。
 巷にはパックツアーが溢れている。パックツアーの形態も多種多様のようだ。
 自らの趣味趣向と懐具合とを相談しつつ、これからもできるだけ旅(パックツアー)を楽しみたいと、旅を終えた今思っている。