6泊7日という短い日程でアメリカの観光ポイントを駆け抜けてきた。それはまさに広大なアメリカの一端を垣間見たに過ぎない。そのようなわずかな体験でアメリカを云々評するのはおこがましい。それでも私なりの感慨は残った。今回の旅を記憶に留めるために旅の記録と共に、垣間見たアメリカを綴ってみたい。
巨岩がつくる異空間 モニュメントバレー
それは砂漠の真ん中に忽然と現れた。
巨大な紅い石柱があちこちに聳え立っている。
西部劇映画で何度も観た光景だ。
岩陰から今にもインディアンやカウボーイが飛び出してくるのではなどと連想しながら石柱群を眺めていた…。
※ モニュメントバレーの基地グルーディングが近づいてきたとき写真のような光景が目に入ってきた。
グランドキャニオンから車で走ることおよそ3時間、砂漠の中にモニュメントバレーの遠景が目に入ってきた。どこか見覚えがあるような石柱が何本も立っている。
※ こちらはバレードライブに入ってから撮った遠景です。
やがて、モニュメントバレー観光の基地グルーディング・ロッジに到着した。
このロッジ自体も大きな紅い岩に囲まれるようにして立っていた。
※ 紅い岩に(ロック・ドア・メサ)寄り添うようにして立つグルーディング・ロッジ横の小さな博物館(交易所跡)です。
ここで昼食のナバホタコを食した後、ナバホインディアンの末裔が運転・案内する観光トラック(?)に乗って約1時間半のバレードライブに出発した。
※ 私たちをバレードライブに案内してくれたトラック型のジープです。
ドライブとはいってもモニュメントバレー内の道路は未舗装でところどころ岩が露出しているため、そろりそろりと進まねばならない。それでも客席(荷台?)に乗っている私たちはあちらへよろけ、こちらへよろけと大変なドライブである。その間も近づく岩を見なければならない。
遠くから見ていたさまざまな形をした岩(石柱)を眼前で見ると、その迫力に圧倒される。一つ一つの岩は高いものでは300メートルもあるという。
多くの岩の紹介を受けたのだが、渡された資料で特定できたものを掲載することにする。
※ 「ミッチェル・ビュート」と称する岩
※ 「センティメル・メサ(番人)」と称される岩
※ 「メリック・ビュート」と称する岩
※ 「レフトミトン(左側)とライトミトン(右側)」と称される岩
※ 「レフトミトン」を大写ししたもの
※ 「スリーシスターズ」と称する岩
※ 以下の二つは名称が特定できませんでした。
グランドキャニオンがコロラド川の浸食によって深い谷を築いたのに対して、モニュメントバレーの方は浸食がさらに進んで比較的固い岩(石柱)が残った光景ということができる。つまりモニュメントバレーの方が浸食がより進んだ形であると資料は説明している。
※ モニュメントバレーを舞台に何本もの西部劇映画を制作したジョンフォード監督の最も気に入った場所だそうです。そこで「ジョンフォードポイント」と称されています。映画と同じように馬に乗ったカウボーイが観光客のためにサービスしています。
バレードライブの最中、運転手が何度かナバホ族の民謡を披露してくれた。そのメロディーはどこか物悲しく私には聴こえた。その音色は北海道の先住民族アイヌの歌声にも通底しているように思えた。
過酷な自然の中で生き延びてきた先住民族の思いにはどこか共通するものがあるのだろうか、とその歌声を聴きながら私は思っていた…。