北海道の自然が好き!北海道の人が好き! これほど素直に、そして声高に北海道の魅力を語る人に久しぶりにお会いした感じである。雑誌「スロウ」の編集長・萬年とみ子氏は終始輝きながら語り続けた。

※ 雑誌「スロウ」の最新刊(№41)です。
2月4日(水)夜、エスタ11階の「プラニスホール」にて第13回目の「JRタワーおとな大学」が開講され初めて受講した。
今回は「地域に根ざす北海道の魅力を追い続ける」と題して、雑誌「スロウ」の編集長を務める萬年とみ子氏が講師を務めた。
雑誌「スロウ」を購入したことはなかったが、書店で手に取り、北海道のことを発信している雑誌だなぁ、程度には認識していた雑誌だった。その「スロウ」の編集元、発行元が帯広市だったということは知らなかった。
それは、萬年氏が東京において25年間にわたって雑誌・広告関係の仕事に携わった経験があったが、15年前に主人の関係で帯広市に移住したという。帯広において移住した当時フリーペーパー「月刊しゅん(旬)」を発行していた印刷会社(ソーゴー印刷)に縁ができその編集に携わることになった。
北海道に居を移してみて、萬年氏は改めて北海道の自然の素晴らしさ、その自然の中で生きる生産者たちに感動したという。そして「北海道の素晴らしさをぜひ多くの人に伝えたい!」という思いが「northern style スロウ」の誕生に繋がったという。
萬年氏は北海道の、十勝の、自然の美しさを「半端じゃなかった」という言葉で語ったが、私も北海道をあちこちと回ってみて、最も北海道らしさを感ずるのは十勝の農村風景かなぁ、と思うことがある。広大に広がる農地、遠くに見える山並み、まさに「ザ・北海道!」である。
雑誌「スロウ」のコンセプトは多くの共感者を得て、昨年創刊10年(40号)を迎えたそうだ。その雑誌づくりは並みの本づくりを配したところにあるという。彼女は初めて聴く横文字を連呼した。曰く「ピジュアリゼーション(visualization)」であり、「アフォーメーション(affirmation)」であるという。
つまり、スタッフ間による徹底したブレーンストーミング(Brainstorming)によって、視覚化・可視化情報化・視覚情報化(visualization)した雑誌づくりをしようということ、つまり目に訴える雑誌づくりということだろうか?
そして、スタッフの発想(アイデア)を肯定的に受け止め、それを任せる(affirmation)ような雑誌づくりをしているそうだ。
萬年氏は別の言葉でも雑誌づくりを語った。それは「編集者一人ひとりが100パーセント関わりながらスロウという雑誌はできている」と…。

彼女は熱かった。
美しい自然の中で素敵なモノを創り出す生産者と何か一緒にやりたい。
取材を通してますます北海道の美しさと魅力に気づく。
すべての人に語るべき人生と世界がある。
そんな「感動」が本になっている、と…。
あまりにも楽観的に北海道の魅力を語り続ける萬年氏の言葉に、多少は引き気味のところもあったのだが、自分自身が生れ、育ち、過ごしてきた北海道の魅力について今一度見つめ直すことを促された思いだった…。