麺好きの私は今回の旅におけるランチは、徹底して沖縄そばにこだわった。食した沖縄そばは「八重山そば」、「ソーキそば」、「味噌そば」、「牛そば」の4種である。それぞれに特徴があり面白かった。
「沖縄そば」とはいっても、食した経験のある方ならお分かりだと思うが、いわゆる蕎麦とは食感がまるで違う。それもそのはず、「そば」とはいえ蕎麦粉はまったく使われておらず、小麦粉が原料であって食感はむしろ「うどん」に近い食感なのが沖縄そばである。
札幌でも沖縄そばを食しようと思えば、沖縄料理店などで食することができるのだろうが、札幌においては他の麺料理が美味しいため沖縄そばに触手を伸ばすことはない。ところが、沖縄へ行くと無性に食したくなるのだ。
ということで、今回もランチは沖縄そばにこだわった。
まずは、石垣市内の中心部で「八重山そば本店」と大きな看板を掲げた「夢乃屋」というそば屋さんに入った。
オーダーはまずは基本に忠実に「八重山そば」(626円)とした。八重山そばは、私の理解ではトッピングが沖縄本島のものとは違うだけと理解した。つまり、赤身肉とかまぼこが載っているのが八重山そばの特徴である。しつこくない薄味のスープが私的には好みである。
※ 「八重山そば」です。暗い中での撮影のためあるは美味しく見えないかしれないが、十分に美味しかった。
続いて、次の日も石垣市内の目抜き通りにあった「そば処 まーさん道」という派手な店構えの店に入った。
オーダーは「ソーキそば」(842円)にした。ソーキそばは、厚い豚のあばら肉がトッピングされたそばだが、味としては基本的に八重山そばとそれほど変わりはなかった。
そのことより、昼どきをやや過ぎ、他に客のいない中で、いかにもやる気のなさそうなスタッフがそばを運んできたのが気になった…。
※ こちらは「ソーキそば」です。八重山そばとはトッピングの肉が違っただけ?
三日目は黒島のフェリーターミナルの前に唯一あったカフェ&食堂「ハートらんど」というコンテナボックスでできている店に入った。
オーダーは、そば類として店のメニューに唯一あった「味噌そば」(600円)にした。
味噌そばとは、島味噌を使用したものだが、やや癖のある香りが初めは気になったが、食べ進むうちになかなか面白い味で気に入った。トッピングには厚い豚肉とニラとモヤシが入っていた。
島味噌とは、ふつう大豆と米を原料とするところを、大豆と麦を原料として作る味噌のことだという。
※ 私が最も気になった「味噌そば」です。他とはスープの味がまったく違いました。
西表島の二日目、島内を巡っていて「星砂の浜」(実際にはもう星砂はほとんど採集できないらしい)という海辺にあった「ほしずな亭」という食堂に入った。老夫婦二人で経営するあまり清潔とは言い難い店だったが、メニューに「牛そば」(980円 高い!)があったので、妥協することにした。
そばは牛のエキスが抽出されたスープと、牛肉がたっぷりとトッピングされたものだった。私としてはやや牛肉が多すぎるのでは、と思われたが牛そばらしさを十分に味わえた一杯だった。
※ 一番高価だった「牛そば」です。こちらも牛肉たっぷりでした。
というように、今回の八重山諸島の旅においては沖縄そばを堪能することになったのだが、それぞれ面白い味であった。その中でも私としては「味噌そば」が特に気になるそばだった。
麺好きの私としては沖縄そばも十分に美味しく食することができたのだが、文中でも書いたとおり、札幌へ戻ってくると他の麺の方に触手が動く。
つまり、食の味覚、好みというのは長い期間かかって刷り込まれているために、そうそう簡単には心が動かない、ということなのかもしれない…。