アポイ岳登山は、単なる登山とはひと味違い、その生成に関わって特異な山であることが特徴の山だ。またそこに生育する植物にもアポイ岳特有の植生であることで知られている。そんなあれこれを最後にレポしてみたい。
アポイ岳の特異性について、私には説明しきれないのだが、誤解を恐れずに私なりに理解したレベルでまとめてみる。通常の山は地球の褶曲運動によって形成されたものか、火山活動によって形成されたものと考えられている。ところがアポイ岳の場合は、地球のさらなるダイナミックな活動の結果、地球内部のマントル部分が直接地表に押し出されて固まったものと考えられているらしい。その結果、マントルが直接冷えて固まったカンラン岩で山が出来上ったのがアポイ岳だということだ。
また、カンラン岩からつくられた土壌は、植物の生育を阻害する成分(ニッケルやマグネシウムなど)が多く含まれているため、他の地域で育つような植物が育たず、アポイ岳にしか育たない特有の植物が多く見られるのも、アポイ岳の特色ということだ。
さて、そのカンラン岩であるが、私たちが登山の時に目にするのは、表面が風化しているため他の岩石とは特に変わっているようには見えない。(先にレポした性質の違うカンラン岩が層状に積み重なったものはあるが…)しかし、そのカンラン岩を割った場合などは中から濃緑色の見事な断面を見て取れる。
車を駐車した幌満コミュニティセンターの庭には、カンラン岩の断面に刻まれた標石が鎮座していた。

※ 鮮やかな濃緑色の断面に文字が刻まれています。
また、登山途中に何かの拍子に割れたカンラン岩が濃緑色の断面を覗かせていた。

※ カンラン岩といっても、ほとんどは写真のように褐色に風化しています。その一片が割れると濃緑色の断面を見せてくれます。
さらには、その断面も長い時間の中で風化し、白色に変化しつつあるものも散見された。

※ 濃緑色のカンラン岩も月日が経つと、徐々に白い色に変色してくるようです。
次にアポイ岳特有の高山植物だが、アポイ岳には「アポイ○○○」と名付けられた固有種が多いと聞いていた。しかし、今回の登山ではそうした固有種はほとんどお目にかかれなかった。一つには時期的な問題もあるが、どうやら珍しい種だということでずいぶんと盗掘されたらしい。また、気候変動によって種そのものが消えている例もあると聞く。
特にアポイ岳で有名だった「ヒダカソウ」は絶滅の危機に瀕し、大学などの研究機関がその再生に取り組んでいるようだ。
少ないながら私が目にしたアポイ岳の春の高山植物は次のとおりである。

※ 様似山道でもよく見られた「エゾオオサクラソウ」です。

※ こちらは固有種(?)の「アポイタチツボスミレ」だと思われます。

※ 吉田岳に向かう途中で唯一見かけた「ヒメイチゲ」です。

※ こちらも固有種の一種の「ヒダカイワザクラ」です。
アポイ岳の植生が危機に瀕している原因の一つにエゾシカの増加もあるようだ。
登山路の脇に緑のネットを度々目にした。何かの調査をしているのではと思われたが、近寄ってみると案の定「シカの食害調査中」という標識が取り付けられていた。

※ この写真では明らかにネットの周りのササが食害に遭っているのが分かります。
山を愛する人の多くは、高山植物を愛でる人が多いようだ。(私は名前を記憶することが苦手なため、そうでもないのだが…)だから、他の山では目にすることができない希少種が多いアポイ岳は登山愛好家にとっても特別の山なのではないかと思われる。
そうした希少種を今再生しようとする動きが活発だと聞いている。難しい取り組みとは思われるが、ぜひそうした取り組みが実を結ぶことを期待したい。
アポイ岳の特異性について、私には説明しきれないのだが、誤解を恐れずに私なりに理解したレベルでまとめてみる。通常の山は地球の褶曲運動によって形成されたものか、火山活動によって形成されたものと考えられている。ところがアポイ岳の場合は、地球のさらなるダイナミックな活動の結果、地球内部のマントル部分が直接地表に押し出されて固まったものと考えられているらしい。その結果、マントルが直接冷えて固まったカンラン岩で山が出来上ったのがアポイ岳だということだ。
また、カンラン岩からつくられた土壌は、植物の生育を阻害する成分(ニッケルやマグネシウムなど)が多く含まれているため、他の地域で育つような植物が育たず、アポイ岳にしか育たない特有の植物が多く見られるのも、アポイ岳の特色ということだ。
さて、そのカンラン岩であるが、私たちが登山の時に目にするのは、表面が風化しているため他の岩石とは特に変わっているようには見えない。(先にレポした性質の違うカンラン岩が層状に積み重なったものはあるが…)しかし、そのカンラン岩を割った場合などは中から濃緑色の見事な断面を見て取れる。
車を駐車した幌満コミュニティセンターの庭には、カンラン岩の断面に刻まれた標石が鎮座していた。

※ 鮮やかな濃緑色の断面に文字が刻まれています。
また、登山途中に何かの拍子に割れたカンラン岩が濃緑色の断面を覗かせていた。

※ カンラン岩といっても、ほとんどは写真のように褐色に風化しています。その一片が割れると濃緑色の断面を見せてくれます。
さらには、その断面も長い時間の中で風化し、白色に変化しつつあるものも散見された。

※ 濃緑色のカンラン岩も月日が経つと、徐々に白い色に変色してくるようです。
次にアポイ岳特有の高山植物だが、アポイ岳には「アポイ○○○」と名付けられた固有種が多いと聞いていた。しかし、今回の登山ではそうした固有種はほとんどお目にかかれなかった。一つには時期的な問題もあるが、どうやら珍しい種だということでずいぶんと盗掘されたらしい。また、気候変動によって種そのものが消えている例もあると聞く。
特にアポイ岳で有名だった「ヒダカソウ」は絶滅の危機に瀕し、大学などの研究機関がその再生に取り組んでいるようだ。
少ないながら私が目にしたアポイ岳の春の高山植物は次のとおりである。

※ 様似山道でもよく見られた「エゾオオサクラソウ」です。

※ こちらは固有種(?)の「アポイタチツボスミレ」だと思われます。

※ 吉田岳に向かう途中で唯一見かけた「ヒメイチゲ」です。

※ こちらも固有種の一種の「ヒダカイワザクラ」です。
アポイ岳の植生が危機に瀕している原因の一つにエゾシカの増加もあるようだ。
登山路の脇に緑のネットを度々目にした。何かの調査をしているのではと思われたが、近寄ってみると案の定「シカの食害調査中」という標識が取り付けられていた。

※ この写真では明らかにネットの周りのササが食害に遭っているのが分かります。
山を愛する人の多くは、高山植物を愛でる人が多いようだ。(私は名前を記憶することが苦手なため、そうでもないのだが…)だから、他の山では目にすることができない希少種が多いアポイ岳は登山愛好家にとっても特別の山なのではないかと思われる。
そうした希少種を今再生しようとする動きが活発だと聞いている。難しい取り組みとは思われるが、ぜひそうした取り組みが実を結ぶことを期待したい。