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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

あなたも狙われているかも? ~ 消費生活相談から

2016-05-31 22:42:16 | 講演・講義・フォーラム等
 悲しいことだが、善良な市民を狙っての狡猾な詐欺事件が絶えないという。“強欲資本主義”が蔓延るこの世において、我々庶民は狡猾な手口から自ら守る術を持たねばならないということのようだ。講座において、さまざまなケースを聴いた。 

 5月25日(水)午後、北海道立消費生活センター主催の今年度第1回の「くらしのセミナー」に参加した。
 この回のテーマは「あなたも狙われているかも? ~ 最近の消費生活相談の事例から~」と題して、同センターの主任消費生活相談員である坂井千秋氏の講義を聴いた。

                        

 消費生活センターには年間でおよそ6千件あまりの相談が寄せられるという。相談件数が多いのは、「放送・コンテンツ等」が1千件あまりということで、内容はアダルトサイト、出会い系サイトなど携帯・スマホ絡みの相談で、まさに現代を象徴しているようにも思える。以下、「レンタル・リース・貸借」、「インターネット通信サービス」などが続いているという。

 具体例として挙げられた例を2、3例示してみると、

 ◇「有料動画サイトの料金が未納」とのSMSが来た。覚えがないので電話したら、「有料動画サイトに登録済みで、10万円発生しているので、後で返金するが手続きのために、コンビニでプリペイド型電子ギフト券を買って番号を教えて」と言われ、その通りにした。口座番号、住所も教えた。ネットで、詐欺との書き込みを見て、昨日警察に相談したが、お金は戻らないだろうと言われた。個人情報を教えたので、今後も請求があるかもしれないので不安」

 この事例に対して「全く覚えがないのであれば、架空請求と考えられる。サイトに連絡がつかない場合や、電子ギフト券を相手が既に利用済みであれば解決は難しい。二次被害に十分に注意する」とアドバイスしたという。
 また、このような被害に遭わないためには、◆知らないところからのメールは開かない。◆安易にサイトのURLにアクセスしたり、むやみに同意ボタンを押したりしない。◆サイトに電話やメールで連絡しない。個人情報は伝えない。◆サイトの話をうのみにしない。指示されても従わない。といったようなことに留意すべきとのアドバイスがあった。

             

 もう一つ、事例を紹介すると、
◇「本日、ネット通販で酵素食品を注文。定期購入だと気づき、キャンセルしたいと思い何度も電話しているが連絡が取れず困っている。商品を始めて購入する方限定のキャンペーンで、酵素食品が500円購入できるとあったので1袋注文した。注文後に最低4ヶ月継続の定期購入で、2回目以降は3,960円と分かった。キャンセルを申し出るために業者に電話しているが、これまで20回くらい電話をしても繋がらない。メールも3回したが、返信がない。消費生活センターから業者に電話してほしい」

 この事例に対して「通信販売は返品特約の有無などを広告に記載するというルールはあるが、クーリング・オフの規定はないので、原則広告内容に従わねばならない。広告が分かりにくい場合はそのことを伝えて交渉すべき」とアドバイスしたそうだ。
 そして、このような被害に遭わないためには、◆ネットの情報をうのみにしない。◆通販はとにかく広告や利用規約をよく見る。◆注文画面は保存したり、コピーを取っておいたりしてトラブルに備える。ということが大切とのアドバイスがあった。

 この他には多様なトラブルのケースが紹介された。
 つつましく生きる庶民の懐を狙う狡猾な詐欺的な事例が蔓延るという悲しい実態がある。
 利便性が増す世の中において、その利便性を逆手に取る犯罪も横行するようである。そうした犯罪から我が身を守るためには、私たち自身の中に隙を作らないことなのでは、と思う。
 つつましく生きながらも、私たちは心のどこかに旨い話はないものか、という潜在的な欲望もまた隠し持っているのではないか。そこを狙われるということだろう。
 君子危うきに近寄らず、と肝に銘じたいものである。
 その上で、不幸にも危機に瀕することがあった場合は、消費生活センターのような公的相談機関に一刻も早く相談することだろう、ということを今回学ぶことができた。