1997年7月に開館した札幌コンサートホールKitaraは今年21周年に当たるという。毎年この時期になると「キタラのバースデイ」と称するコンサートを開催しているようだ。今年はオルガンとヴァイオリンのコンサートだったが、観賞する機会に恵まれた。
今日(7月1日)午後、札幌コンサートホールKitaraにおいて「キタラのバースデイ」と題するコンサートを聴いた。
さすがにキタラが開館したことを記念するコンサートである。友人のH氏がキタラクラブの会員であることから格安のチケットを入手することができ、友人三人で楽しんだ。
今回のコンサートは、第19代の札幌コンサートホールの専属オルガニスト:マルタン・グレゴリウスのオルガンと、元ウィーンフィルのコンサートマスターでヴァイオリニストのライナー・キュッヘルの共演だった。
コンサートはまずマルタン・グレゴリウスのパイプオルガンの独奏から始まった。
パイプオルガンの独奏をこれまで聴いたことがあったが、どうも自分にはあの音には馴染めないものがあった。
本日も初めはその印象があったのだが、今回は曲の構成をバライティにしたせいもあったのだろうか、興味深く聴くことができた。
フォーレ作曲、ハイパー編曲の「パヴァーヌ作品50」は、繊細に響きと低音で繰り返されるリズムが生きた演奏だった。また、グリーグ作曲、ゴール編曲の「ペール・ギュント 第1組曲 作品46よりアニトラの踊り」は、あのペール・ギュントの耳慣れたメロディーが挿入されていて個人的には嬉しかった。
※ ウェブ上から拝借したオルガニストのマルタン・グレゴリウスです。
パイプオルガン独奏の最後は、バイオリニスト・グレゴリウスの即興演奏ということだったが、グレゴリウスがパイプオルガンの魅力をより引き出そうする実験的な意味も含まれた演奏だったようだが、その中に「キタラのバースデイ」演奏会らしく、巧みに「ハッピーバースデイツーユー」の曲も挿入されていたところが憎い演出だった。
休憩の後、まずはライナー・キュッヘルのヴァイオリンの独奏だった。
ライナー・キュッヘルはPMFの指導者として毎年札幌を訪れ、今年で11年目となるらしいが、私はいつも彼の演奏を楽しみにしている。しかし、今回の独奏にはやや違和感を抱いたのだが、私の錯覚かもしれない。深くは追及しないことにする。
続いて、キュッヘルがパイプオルガンの演奏席の傍に移動して、ヴァイオリンとオルガンの共演となった。
私にとってヴァイオリンとオルガンの共演は初めての体験だったが、総じてオルガンがヴァイオリンの音をうまく引き出していたように聴こえてきた。グレゴリウスの力量だろうか?
※ 札幌ではもうお馴染みのライナー・キュッヘルです。
二人の共演はアンコール曲も含めて7曲演奏されたが、その中でもJ.Sバッハ作曲の「G線上のアリア」、ブラームス作曲の「ハンガリー舞曲集より 第5番ト短調」、マスネ作曲「歌劇 タイタス 第2幕より瞑想曲」の3曲が私には耳慣れたメロディーだったこともあって心地良い演奏として聴こえてきた。
久しぶりのクラシックだったが、今年の夏もまたPMFがやってくる。できるかぎり楽しみたいと思っている。