今回の講義を伺い、どのようにレポしたらよいものやら正直に言って非常に困った。。というのも、私の印象では講師の方の主張があまりにも一方的すぎるのでは?という思いが拭い去れなかったからだ…。
北大の全学企画の公開講座が終わったかと思うと、引き続き法学研究科の公開講座が始まった。「アジアと向き合う ~温故知新~」と題する4回シリーズの公開講座である。
その第1回講座が7月26日(木)夜、開講された。
第1回講座のテーマは「『アジアと向き合う』民法学」と題して、同大法学研究科の吉田邦彦教授が講義された。
※ 講義をされる吉田教授です。今回使用の2枚の写真もウェブ上から拝借しました。
講義をレポするにあたって、私はまず「民法学」について一応の理解をする必要があると考えたのだが、これを私などが一朝一夕に理解することなど到底不可能なほど複雑のようなのだ。そこでその部分には触れずに、吉田教授がお話されたことを振り返ってみることにする。
吉田教授は、私たちの周辺で起こっている民法上の問題として、主として次の三つの問題を提起された。
それは①戦後補償の問題、②先住民族の問題、そして③居住福祉の問題、の三つを取り上げた。どの問題もそのことを解決していくには政治が色濃く関わってくる問題である。
こうした問題を取り上げる場合、研究者はその問題の背景や問題にかかわる双方の主張を紹介し、「判断は受講者に委ねますよ」というのがこれまでの多くの講義だった。
ところが吉田教授のそれは、これまでの講義の在り方とは大きく異なっていた。
まず①の戦後補償問題では、日本対東アジアの国々という構図であるが、この問題に対する日本側の鈍感さを鋭く指摘した。その語調は日本政府の不作為をなじるがごとく私には聞こえてきた。
②の先住民族問題については、中国やフィリピンの先住民に対する政府の抑圧についても触れたが、主として論及したのは我が国のアイヌ民族政策についてだった。この点についても、我が国の政府の政策はまだまだ不十分とした。
③の居住福祉の問題については、近年増えつつあるアジアからの技能実習生という名の労働者や、そしてアジアからの外国人観光客の増加、さらには特に中国からの留学生の増加などに対する受け入れ体制などが十分でないとした。
講義の中では、アジア各国の実状にも触れる場面はあったが、講義時間の多くは日本の体制の不備を追求するかのような論が主であったように私には映った。
※ 講義の中で紹介されたわけではありませんが、吉田教授の著書の一つです。
私はこうした問題に対する我が国の在り方について全てを肯定するつもりはない。かといって、全否定するつもりもない。だから一方的に現状を否定される論を聞くと、拒否反応を起こしがちなのである。
私が吉田教授のお話をしっかりと受け止めたうえで、このレポを作ったという自信はまったくない。あるいは吉田教授のお話を一部を切り取り、教授の主張を曲解した上でレポしているのかもしれない。だから、このレポはあくまで私が受け止めた感想だと思っていただけたらと思う。講義のレポって難しいですね。でも私は続けたいと思っている