私にとってはまったくと言って良いほどチンプンカンプンの講座だった。パソコンそのものの利用について最低限の知識しか持ち合わせていない私にとって、新しい概念のコンピューティングの方向性など、関心すら持てない話題だったのだから…。
7月2日(月)より北大の全学企画による公開講座が始まった。(8回シリーズ)
今年は「去る時代、来たる時代を考える」というテーマの下、8つの講座が用意された。
その第1回が2日夜に、「新概念のコンピューティングとは?」と題して北大電子科学研究所の小松崎民樹教授が講師を務めた。
私にとってチンプンカンプンの講義内容だったが、そのチンプンカンプンの中で2時間耳を傾けたわけだから、多少とも耳に残るワードはあった。
そこでここでは印象的なワードをレポすることによってお茶を濁すことにしたい。
まず提示されたのが、「非ノイマン型コンピュータ」というワードだった。
ノイマン型とは、現在世界のコンピュータのほとんどは1940年代にノイマンという方が提唱した基本原理をもとに作られたコンピュータだそうだ。現代のコンピュータはご承知のように非常に高速になったが、専門家によると限界があるらしい。そこで、ノイマンの提唱した基本原理とはまったく違う概念でのコンピュータの開発が進んでいるという。こうしたタイプのコンピュータを「非ノイマン型コンピュータ」と称するそうだ。
その「非ノイマン型コンピュータ」の実現を目指す研究として「ナチュラルコンピューティング」という自然界の持つ自律的な生命活動の仕組みを用いて計算しようという考え方があるそうだ。
その仕組みを解明するために登場したのが「イジングモデル」だという。そして小松崎氏はイジングモデルについて説明を始めたのだが、私にはもう付いていくことができなかった。
小松崎氏は事前に私たちに講義の概要をまとめたものを配布してくれていた。そこにナチュラルコンピューティングを分かり易く説明してくれている文章があるので、それを紹介したい。
「例えば、おかずをスーパーに買い物に行くケースを考えます。今日はいくらくらいの予算で、子どもたちの好きなもの、子どもたちの成長を願って栄養価の高いもの、など様々な条件を思い描いて、その中でベストと思える選択をしなければなりません。つまり、各商品に対していくつかの付加価値(子どもの満足度、栄養価の高低など)と各商品の値段を勘案して買って良い(と判断される)総額の条件下、最適な組み合わせを考えねばなりません。実は、これは「組み合わせ最適化問題」と呼ばれる問題なのです」
分かり易い例えを例示しましたが、複雑化する世界の中にあって、この「最適化問題」を解決するにはノイマン型コンピュータでは限界が見えているということを小松崎氏は指摘しました。
そこで小松崎氏をはじめとする北大の電子科学研究所では、現在日立製作所との共同研究で「チュラルコンピューティング」の研究を進めているということだった。
このレポは小松崎氏が言いたかったことの何分の一も伝えられていない。しかし、私にとって精いっぱいのレポである。したがって、レポの内容には私が曲解した部分が含まれていることをお断りしておきたい。