田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

「さっぽろの古を訪ねて Ⅱ」 ~ 旧札幌農学校演舞場

2019-08-07 19:39:55 | 「めだかの学校」関連

 札幌農学校の1期生、2期生がいかに優秀であったかについてガイドの梶本氏は滔々と語られた。豊富な経験と確かな知識を持つ梶本氏の説明は聴くものを飽きさせず、内容の濃い2時間を過ごすことができた。

      

      ※ 札幌時計台に入館する前に、札幌農学校演舞場の歴史について受講者に説明する梶本孝氏です。

 「めだかの学校」が企画運営する講座「さっぽろの古を訪ねて Ⅱ」の第5回講座を一昨日5日(月)、旧札幌農学校演舞場と旧道庁赤れんが庁舎を会場に開催した。

 私たちが企画・運営する講座「さっぽろの古を訪ねて」は、基本的に見学する箇所の資料は私たちが準備する。しかし、現地における案内・説明はそれぞれの専門家や関係者にお願いすることにしている。例えば、前回の札幌独立キリスト教会で教会の主管者に、小樽市の総合博物館では学芸員の方に、というように…。

 そこで今回と次回は、札幌市の観光ボランティアガイドの梶本孝氏にお願いすることにした。梶本氏については、昨年の講座でお願いした際に、受講者から大好評をいただいた方だった。

       

 今回の現地見学は次のとおりだった。

 ◇旧札幌農学校演舞場(現札幌時計台)の展示室見学

 ◇同館2階のクラーク座像、時計台の仕組みを見学

 ◇札幌農学校演舞場跡記念碑見学

 ◇道庁赤れんが庁舎内のお雇い外国人に関する絵画の観賞

       

      ※ 札幌時計台の2階講堂において梶本氏の説明を聞く受講者たちです。

 梶本氏は最初からエンジン全開だった。旧演舞場(時計台)に入る前に、まずは戸外で演舞場が建てられた経緯を10数分にわたり説明された後、旧演舞場(時計台)の展示室に入って説明された。そこでは、札幌農学校の一期生、二期生で後年名をあげた佐藤昌介、渡瀬寅次郎、新渡戸稲造、広井勇、有島武郎などについて触れられた。特に、土木工学で名をあげた広井勇が貧しい中で苦学しながら勉学に励んだことを詳しく説明された。

 また、当時の授業がクラーク、ホイラー、ブルックスなどすべてがアメリカからやってきたお雇い外国人だったため、英語での授業で教科書もない中、学生たちは教師の言葉を書き写し、後刻そのノートを清書して教師に提出したという。その現物が展示されていたが、特に新渡戸稲造のノートは几帳面な彼の性格がにじみ出た素晴らしい筆跡だった。

 その後の梶本氏のさまざまな説明も、まるで立て板に水といった感じで途切れることなく滔々と続いた。

      

      ※ 中央区北1条西2丁目の歩道上にある「札幌農学校演舞場跡」碑を見る受講者と梶本氏です。

 私にとっては、自然に資料を作成したり、調べたりしていたことから、そのおおよそについては既に知識としてもってはいたが、梶本氏から伺うことによって、それまでの知識にさらに肉付けされる形で説明された思いだった。

 例えば、札幌農学校が札幌の地に建設される前の仮学校の時代のこと、例えば、赤れんが庁舎の絵画の中でケプロンと榎本武揚が意見の対立をみたとき、黒田清隆が中を取り持った図であったとか…。

      

      ※ 赤れんが庁舎2階廊下に展示されているクラーク博士「島松の別離」の図に見入る受講者たちです。

 暑い中で、移動を伴う厳しい現地学習だったが、その辛さを忘れさせられるくらいの梶本氏の熱の入った説明だった。おそらく多くの受講者も満足してくれたに違いない。この「さっぽろの古を訪ねて」も残り9月の1回となった。最終回は北大構内のクラーク像を見て回ることにしている。この最終回も案内を梶本氏にお願いしている。果たしてどのようなクラークの姿が梶本氏から語られるのだろうか?今から楽しみにしている。