全7試合という短期決戦がそうさせるのだろうが、プロ野球日本シリーズはこれまでも数々の名勝負があった。それらの過去の名勝負に優るとも劣らないスリリングで観ている者にとって非常に面白く楽しい日本シリーズが今展開されている。今、ヤクルト vsオリックスの対決から目が離せない。
今年の日本シリーズの対決がヤクルトとオリックスと決まった時に、私はそれほどの期待は抱いてはいなかった。ただ、アメリカ大リーグの方式をそのまま導入したとはいえ日本シリーズ進出チームを決めるクライマックスシリーズの方法は球趣を盛り上げる方法としては素晴らしい方式だと思う。
スポーツ好きの私としては、クライマックスシリーズからほとんど逃さずにTV中継で観戦を続けてきた。その結果、ヤクルトもオリックスも対戦相手を圧倒して(両チームともに3勝1分で)勝ち上がってきたことが印象的だった。
11月20日から始まった今年の日本シリーズは連日接戦、熱戦が続いている。
第1戦からスリリングな激闘が始まった。9回を迎えて3対1とヤクルトがリードして勝利をものにしたかな?と思えた最終回にオリックスは劣勢を見事に跳ね返し4対3と大逆転で勝利した。
第2戦はオリックス宮城、ヤクルト高橋の若手の両投手の息詰まる投手戦が展開されたが、ヤクルト高橋がリーグ戦でも見せたことのない完封勝利をやって2対0で投げ勝った。
場所を東京に移した第3戦は、逆転に次ぐ逆転と試合が激しく動いた末にヤクルトが5対4で制した。
続く第4戦はヤクルトの41歳のベテラン石川投手が抜群の冴えを見せ、これまたヤクルトが2対1で競り勝った。これでヤクルトは3勝1敗として日本一に王手をかけた。
そして昨夜の第5戦である。ヤクルトが先制するも、オリックスも粘り強い攻めで追いつき、6、7、8回と連続得点して8回表を終わって5対2としてこの日は「オリックスの勝利」と思ったのだが、これまで不振だったヤクルト山田選手が起死回生の3点本塁打をレフトスタンドに叩き込んだ。この一発には観ていた私も鳥肌が立った。「今年のヤクルトは強い!」と…。しかし、その後がいけなかった。このシリーズ初戦でも最終回に抑えで登場して相手に3点を献上して逆転負けを喫したマクガフ投手が同点で迎えた9回に登場し、相手ジョーンズに一発をくらい万事休すだった。
※ 両チームの顔とも言うべき存在のヤクルト・村上選手とオリックス・山本投手です。
それにしても第2戦の2点差の試合を除いて、他は全て1点差という僅差の凌ぎ合いが続いている今シリーズは観ていても緊迫感が半端なく、ドキドキワクワクの試合観戦が続く。これで対戦成績はヤクルトの3勝2敗で場所を神戸に移して明日からの残り2戦で雌雄を決することとなった。
こうした好試合の連続となっている第一の要因は両チームの投手陣の健闘にあると見ている。ヤクルトの奥川、高橋、石川、オリックスの山本、宮城、山崎、等々好投手が目白押しである。
第6戦・7戦は、両チームともに1戦・2戦に登場したエース級の登板が予想される。どちらに転ぶか、まったく予想できない今後の戦いであるが、今年最後のプロ野球の戦いを楽しみたい。
※ 掲載写真は全てウェブ上から拝借しました。