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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

裁判員制度の現状を知る

2021-11-27 15:44:19 | 講演・講義・フォーラム等

 我が国の「裁判員制度」は平成21(2009)に始まったという。以来12年目を迎えているのだが、これまでに約10万人の国民が裁判員・補充裁判員として裁判に参加しているそうだ。その中で明らかになった「裁判員制度」の現状を聴いた。

 昨夜(11月24日)、札幌市資料館(旧札幌提訴院)において札幌地方裁判所主催の司法講座「裁判員制度の現状」を受講した。スピーカーとして裁判官、検察官、弁護士各1名、それに裁判員経験者2名、補充裁判員経験者1名の計6名が登壇し、現状を語った。

   

※ 講座中の写真はNGだったので、講義前に会場を写しました。

 最初に裁判官の方が裁判員制度の概要、特に札幌地方裁判所のこれまでの状況について説明された。それによると、裁判員制度は6人の裁判員と3人の裁判官によって刑事裁判に立ち会い、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑にするかを判断することだそうだ。過去3年間において札幌地方裁判所において裁判員によって裁かれた事件は71件で、そのうち17件が強盗致傷、14件が殺人事件だったということだ。裁判にかかる日数は事件により違うが平均5日程度だという。また、これまで札幌市で裁判員に選ばれた割合は約23,000人に1人という割合だそうだ。(数字等には間違いがあるかもしれない)

 続いて検察官と弁護人に裁判員制度が導入されたことでの留意点が述べられたが、両者ともにできるだけ専門用語避け、裁判員に理解されやすいよう心掛けているということだった。ただ、両者には若干の温度差のようなものも感じられた。それは検察官が「裁判員制度」を普及し、定着を図ろうとしている国側の立場なのに対して、弁護人の立場はあくまで被告人を守る立場を強調され、制度そのものへの言及は弱いように感じられた。

 そして裁判員を経験された方々の経験談だったが、3人の方々は異口同音に「関係者(裁判官、検察官、弁護人)が理解しやすいように配慮してくれた」、「評議の際に話しやすい雰囲気づくりをしてくれた」、「緊張をし、疲労も感じたが良い経験だった」というような趣旨の発言をされた。

 私はこの講座で「補充裁判員」という存在を初めて知った。補充裁判員とは、文字どおり裁判員が欠けた際に代わりに務める立場である。しかし、裁判においては裁判員同様に裁判に立ち会い、評議にも同じ立場で参加し、考えを述べることができるそうだ。ただ唯一の違いは「評議」の際の「評決」には加われないところが違うということだ。

 私は以前から知らない世界を覗いてみたいという思いが強いから、「裁判員制度」についても大いに興味があった。今回の講座で裁判員経験者の誰もが「良い体験をした」と述べていたことから益々興味を覚えた。はたして私が元気なうちに最高裁判所から「名簿記載通知」書は届くだろうか???