久しぶりの「かでるロビーコンサート」だった。ポピュラーミュージックをピアノソロで聴くコンサートは初めての体験かもしれない。クラシックとは違い、ポピュラーピアノというのは案外難しいのかもしれないと思わせてくれたコンサートだった。
コロナ禍で中断していた道立道民活動センター(かでる2・7)のロビーコンサートだったが、このほどようやく再開された。11月5日(金)昼、今回はかでるに入居する「女性プラザ」が開館30周年を記念する祭典を開催するとあって、その祭典のオープニングコンサートと銘打っての開催だった。今回のゲストプレイヤーは市内のバーやクラブラウンジ、レストランなどでポピュラーミュージックのピアノ演奏活動を行っている佐々木朱希子さんによるピアノソロだった。
短い(約30分間)時間の中で演奏された曲を紹介すると…、
◆Longing / Love [あこがれ/愛] /ジョージ・ウィンストン
◆Top Of The World/R.カーペンター
◆Honesty/ビリー・ジョエル
◆海の見える町 [“魔女の宅急便”より] /久石譲
◆筒美京平ヒットソングメドレー
1. 魅せられて
2. また逢う日まで
3. 木綿のハンカチーフ
4. わたしの彼は左きき
5. 仮面舞踏会
◆ドラゴンクエスト「序曲」/すぎやまこういち
一覧していただき、全ての曲がヒットしたポピュラーな曲ばかりが並んでいる。佐々木さんはこれらの曲をある意味軽々と弾きこなしているように聴こえてきた。ただ、一方で聴く側にとってはある種の物足りなさも感じていた。それはどういうことかというと、ポピュラーミュージックの場合、どうしても単一の楽器の演奏では音に厚みが感じられないのだ。こうした曲を、食事をしながら、あるいはお酒を嗜みながら聴くには絶好のシチュエーションかもしれない。しかし、今回のようにかしこまって聴くにはどうしても物足りなさのようなものを感じてしまうのだ。
佐々木さんはそうしたことをカバーしようとしたのだろうか?曲によっては彼女自身が編曲したのではと思われる複雑な演奏も含まれてはいたのだが…。ピアノは伴奏楽器としてコンサートなどでは登場するケースが多い。そうした先入観を私自身が抱いていることも影響しているかもしれないが、評価の難しいコンサートだった。