田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌景観資産⑫  指定第29号 「岩佐ビル」

2021-11-05 15:54:40 | 札幌景観資産巡り

 サッポロファクトリーと道路を挟んで向かい合っているレンガ色のビルが「岩佐ビル」である。外見からはそれほど古さを感じさせないが、内部に入るとレトロ感を感じさせてくれる造りだった。

※ 外観もどことなくレトロ感を感じさせます。

 「岩佐ビル」は北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)から続く北3条通に面して、サッポロファクトリーと道路を挟んで向かい合っている。ビルはレンガ色をしているがレンガ造りではなく、鉄筋コンクリート造りである。   

 建物は当初(昭和25年)ラムネ工場として建設されたが、工場の役割を終えた後はテナントビルとして現在まで使われてきた。建物を外から見ると3階建ての長方形の形をしていて特別特徴はないように見えるが、中を拝見するとビルには中庭がありロの字型のビルとなっていて、中庭からは屋上に造られた駐車場に続く斜めの通路が造られていた。

※ ロ型のビルの中庭です。右手に屋上の駐車場に続く通路が造られています。

 私は以前、その中庭の方に入口がある演劇小劇場「BLOCHというところで大学の演劇部の公演を観賞した経験があった。

 今回訪れた際には、共用部分を若干見せていただいた。内部にはたくさんの会社の事務所が入居しているようだったが、なるほど廊下は時代を感じさせる雰囲気が漂ってはいた。しかしそれも考えようによってはレトロモダンな雰囲気と言えるものでもあった。

※ 2階の廊下です。扉の中は入居している会社の事務所と思われます。

※ 3階の廊下です。左の壁に入居している会社名が掲示されています。

  

※ 廊下には写真のように各事務所別の電気メーターがありました。このあたりが昭和中期の造りの典型かもしれません。

 周辺にはサッポロファクトリーに隣接する永山記念公園内に「旧永山武四郎邸」や「旧三菱鉱業寮」などもあり、北3条通は旧赤れんが庁舎に続く「札幌通」とも称されて札幌の発展に重要な位置を占めたところであり、「岩佐ビル」をはじめとして歴史的建造物が数多くのこる地域としても興味深い。

             

岩佐ビル 情報》

◇所在地 札幌市中央区北3条東5丁目5

◇建設年 1950(昭和25)年

◇構 造 鉄筋コンクリート造

◇指定年 2010(平成22)年3月30日

◇その他 共用部分のみ内部見学可  ※管理人の許可が必要

◇電 話 011-281-3181 

◇訪問日 2021年10月24日