「エドウィン・ダン記念館」は南区真駒内地区の外れにあるエドウィン・ダン記念公園の一角に瀟洒な佇まいで建っている。記念館はダンがこの地に拓いた牧牛の種畜場の事務所として建てられたものを、ダンの業績を顕彰するために記念館として保存されているものである。
※ エドウィン・ダン記念館の正面です。
エドウィン・ダンは北海道開拓使時代にお雇い外国人の一人として主として酪農指導のために北海道に着任したが、卓越した指導力を発揮して北海道の畜産・酪農業の発展に貢献し、後には外交官として再来日して日米の親交に尽くして日本で最期を迎えた方として知られている。
※ 別角度から撮った記念館です。
記念館は明治9年にダンの指導のもと開拓使真駒内牧牛場として創設された際に事務所として建てられたものを、後年現在地に移築し記念館として活用されているものである。
記念館の外観は、薄いピンクの下見張りや緑の寄棟屋根、アーケードがついた開放的な雰囲気が特徴である。
※ モダンなアーケードが付いたベランダです。
私はこれまで3度この記念館を訪れている。その体験から記念館の展示の特徴と思えたのは、種畜場の模型やダンゆかりの遺品の展示とともに、23点の絵画が展示されていることが特徴のように思えた。その絵画は北海道出身の画家・一木万寿三氏が描くエドウィン・ダンの来日から晩年までを描いたものだ。この絵画を順に追っていくと、ダンの業績や人柄がよく理解できる。記念館としての規模は決して大きくないが、一見に値する記念館ではないかと思っている。
※ 館内にはこのような絵画で23点展示され、画の上には解説が書かれているため理解が進みます。
※ 館内の一部、中央に種畜場の模型が展示されています。
※ この画も一木万寿三氏によるものと思われます。
なお、私は今回訪れた時に迎えてくれた記念館スタッフの方に「2年前にめだかの学校の学習でお世話になった」という旨のお話をさせていただくと思い出してくれたようだった。そして最近の記念館の活動として「エドウィン・ダンかるた」を作成したことが注目を浴びたと話され実物を見せていただいた。小さな記念館であるが、スタッフたちは努力されているようである。
※ 「エドウィン・ダンかるた」の取り札が展示されていました。
《エドウィン・ダン記念館(旧真駒内種畜場事務所) 情報》
◇所在地 札幌市南区真駒内泉町1丁目6-1
◇建設年 明治20(1887)年
◇構 造 木造
◇指定年 2008(平成20)年3月26日
◇その他 内部見学可(入館料無料、休館日あり)
※ 11月~3月までは土・日・祝のみの開館である。
◇電 話 011-581-5064(エドウィン・ダン記念館)
◇訪問日 2021年11月21日