豪雨の後、ショートコースを巡った。小林酒造の旧工場群、栗山公園の小動物園、街並みの不思議な光景、と短いながらもいろいろと興味ある光景に出会ったウォーキングだった。
※ 私が歩いたショートコースは市街地周辺の点線の部分です。
とんでもない豪雨に出会った。ちょうど「由仁町コース」を終え、隣町の栗山町へ移動する時だった。雷が鳴り響き、ポツポツと来たなと思ったら10分もしないうちに滝のように雨が降り注ぎ、このままではテレビで見たように川のような中を車が進む姿が脳裏をかすめ恐ろしくなってきた。「これは危険!」と判断し、私は近くの駐車帯に車を停めた。すると雨はますます酷くなり、フロントから前が見えなくなるほどの降りとなった。
そんな降りが30分間も続いたろうか?激しい降りはうたかたの夢だったかのように降り止み、太陽さえ顔を出し始めた。私は豪雨の中で「栗山コース」を歩くことは到底無理だと思っていたのだが、降り止んだ様子を見て迷い始めた。例え歩くとしても、その時間にスタートした場合、歩き終えるのは午後5時を過ぎてしまう。さあ、どうしよう??
そこで閃いたのがショートコースを巡るというアイデアだった。実はJRヘルシーウォーキングでは、一つのコースに「基本コース(ロングコース)」と「ショートコース」と二つのコースが設定されている。「基本コース」はおおよそ13~11㎞くらいに設定されている。「ショートコース」はおおよそその半分くらいの距離に設定されている。私はこれまで全て「基本コース」を巡ってきた。「基本コース」こそより多くその地域を知ることができると考えていたからだ。せっかく栗山の地を訪れたのだから少しでも歩いてみたい。時間的、体力的に無理なら、ここは自らのこだわりを捨てででも「ショートコース」でも仕方がないと思い直した。
※ 「くりやまカルチャープラザEki」と合築した栗山駅です。
そして町の交流施設「くりやまカルチャープラザEki」と合築した素晴らしい複合庁舎の前からスタートした。スタートして直ぐに、由仁駅と同じように駅舎内の跨線橋を渡り駅裏に移動した。
※ 跨線橋から見た室蘭本線と栗山駅です。
駅裏近くには夕張川が流れており、その近くに栗山を代表する企業である「小林酒造」の古い工場群が一帯に保存されていた。そこには旧精米場を改装した「酒の郷なつかしホール」を始めとして、製麹室、蒸米場、旧事務所(現蔵元北の錦記念館)、あるいは一番蔵から六番蔵までなど明治年代に建てられた建造物が当時の面影を残しながら現存されていた。
※ 道路の窪んだところには豪雨の跡が残っていました。
※ 小林酒造の明治時代の旧精米場を改装した「酒の郷なつかしホール」です。
※ こちらは旧何番蔵かの建物です。
※ 小林酒造の旧事務所を活用した記念館です。
北の錦記念館には以前訪れたことがあり、日本酒に強くない私だがあれもこれもと試飲した記憶があったが、今回は時間の関係もありパスした。
続いて近くには、これも栗山の企業でユニークな「きびだんご」を製造販売する谷田製菓の本社工場の前を通過した。直売店で「きびだんご」を求めたいと考えたが、残念ながら日曜・祝日は閉店だった。
※ 「日本一のきびだんご」の谷田製菓の工場は看板の裏に建っていました。
コースは室蘭本線を潜る地下道を通り栗山駅前に向かう。駅前まで来て、進路を東に向けて栗山の中心街を歩いた。ここはプロ野球監督だった栗山英樹監督が優勝パレードなどを行った通りだろう。通りには「まちの駅 栗夢プラザ」というユニークな建物も建っていた。
※ 室蘭本線を潜り抜けて、栗山町の中心街へ。
※ 中心街に建てられていた「まちの駅 栗夢プラザ」の建物です。
続いて進路を北に向け、「栗山公園」に向かった。栗山公園は街の外れの小山全体が公園になっているところだ。「栗山公園」は小動物園があることでも知られているが、豪雨の後にも関わらず多くの家族連れが訪れて楽しんでいた。公園内には散策路が造られていて公園全体を散策できるようになっている。展望台からは栗山の町全体を遠望することができた。
※ 前方の小山全体が「栗山公園」です。
※ 栗山公園の手前には「栗山天満宮」がありました。
※ 栗山公園のエントランスです。
※ 栗山公園内の散策路です。
栗山公園からは大きく迂回して市街地に戻るコースだった。途中に基本コース(ロングコース)に向かう分岐点があったが、できればいつかは再チャレンジしたいと思う。
※ 沿道の某飲食店の駐車場に栗山監督の偉業を讃える横断幕が掲げられていました。「おめでとぉぉお!!」がいいですね。
コースの最後は栗山駅に向かって真っすぐにおよそ1.5キロに渡って延びるいわば栗山町の中心街を歩いた。その際に不思議なものを目にした。歩道を照らす背の高い街灯の他に、道端に人間の背丈ほど灯りの装置が目に入ったのだ。近づいてみると「GOEN DOOR(ご縁通り)」という表記が見えた。それは通りの家々の前に設置されており、それぞれにプランターに花が植えられていたり、印象的な物が置かれてあったり、とそれぞれが個性的にデコレーションされていた。それは通り全体ではなく、あるところまで行くとぱったりと途絶えていた。私はそれを見て、「これは行政などが主導したのではなく、商店会などが呼びかけて設置したものではないか?」と考えた。しかし、帰宅して調べてみると町の計画として設置されたと記されていた。それにしては途中でその灯りが絶えてしまっているのはどうしてだろうか?
※ この人の背丈ほどの街灯(?)が気になりました。
※ 写真のようにそれぞれが工夫を凝らして飾り立てていました。
駅の近くまでやってきて、あの「まちの駅 栗夢プラザ」に寄ってみた。中には栗山町の特産品があれこれと販売されていた。私は谷田製菓で買いそびれた「きびだんご」のセットを買い求めたのだった。
※ 中心街とはいえ、以前に訪れた時より寂しい感じがしたのが残念でした。
※ 「まちの駅 栗夢プラザ」で購入した「きびだんごセット」です。
ショートコースとはいえ、約7.5キロ。由仁町のコースと併せておよそ20キロ。歩いた翌日の今日、私の身体は鉛のように重く感じながら今日一日を過ごした。