カザフスタンはロシアと中国に挟まれた中央アジアにあって、旧ソ連邦の構成国であった。その後、ソ連邦の崩壊と共に1991年12月に独立を果たした国である。私たち日本人にとって知られざる国カザフスタンの国についてのセミナーを聴いた。
3月26日(日)午後、札幌国際プラザにおいて(公財)札幌国際プラザが主催し、在日本カザフスタン大使館が後援する「カザフスタンを知るセミナー」に参加した。カザフスタンについては、以前NHK・BSで俳優の井浦新さんがレポーターを務めた「アジアハイウェイを行く」という番組でカザフスタンを訪れた際のレポートを視聴し、「思っていたよりはずーっと発展している国だなぁ」という印象を持っていた。
セミナーは、会場にカザフスタンで幼少期を過ごした国際交流員の方がおり司会を務め、オンラインで結ばれて名古屋近郊在住のカザフスタン人であるサニアさんが説明するという形で進められた。
※ 会場には大使館提供の民族衣装が展示されていました。
まず私の不明を披歴すると、カザフスタンという国は面積が世界で9番目に大きい国で、日本の約7倍の面積があり、アジアでは中国、インドに次いで大きな国だということだった。ただし人口は約1,900万人弱で人口密度は世界でも低い国の一つだという。民族構成は、カザフ人が約69%、ロシア人が18%、以下ウズベク人、ウクライナ人、ウイグル人、タタール人、その他と続く、多民族国家といえるようだ。
※ こちらはカザフスタンに伝わる民具などですね。
共通語はカザフスタン語とロシア語で、学校ではそのどちらかを主として教え、もう一方の言語も教えるようになっているということだった。
※ カザフ語のアルファベットです。
こうしたカザフスタンの基本的なことを紹介された後、カザフスタンの都市の様子や 人々の生活について紹介された。カザフスタンの最大の都市は旧首都のアルマティだが、1997年にアスタナというところに遷都されたという。ただ彼女らの説明ではアスタナというところは冬の気候が厳しく、言外に気候が穏やかなアルマティに対する郷愁のようなものが伺えた気がした。
都市の様子は私がんくTV番組「アジアハイウェイを行く」でも感じたとおり、非常に近代的な街並みだった。セミナーでは触れられなかったが、カザフスタンは地下資源が豊富なことから、そのことが国を大きく発展させたようだ。また、共和国として独立しながら1991年に独立以来ナザルバエフという大統領がその座を独占し続け(2019年退任)、強力なリーダーシップを発揮し続けてきたこともその要因の一つだと言えそうだ。しかし、その背景には長期政権故に国が混乱したこともあったようだ。
セミナーの方は、司会の方も、説明役のサニアさんも若い世代だったこともあり、衣装や音楽、食べ物などについての紹介が続いたが、個人的にはそれほど興味が持てる話ではなかった。
そうした中、質疑応答コーナーにおいてカザフスタンの周辺には、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、アフガニスタンなど「~スタンと名の付く国が多いが、その訳は?」という質問があったが、「スタン」とは「土地」という意味で用いられているという。つまりカザフスタンは「カザフ人の土地」という意味で国の名が付けられているということだった。
世界で9番目の広大な国土を持ち、地下資源が豊富な国カザフスタンは今後その存在感を増していくのかもしれない。カザフスタンを動向を興味を持って見守りたい。