“熟年の春(熟春)真っ只中” を自認する私は題名だけを見て、すぐさまチケットを手配した。映画は笑いとペーソスに包まれたストーリーではあったが、熟年真っ盛りの私にとっては考えさせてくれる場面もあった映画だった…。
3月29日(火)午前、白石区民センターにおいて「シネマ一馬力」が主催し、「札幌映画サークル」が共催する映画「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」と題する上映会があり参加した。
会場は今をときめく(?)シニアの女性を中心にほぼ満杯の盛況だった。映画は金婚式間近な大原真一(橋爪功)、千賀子(高畑淳子)の熟年夫妻のやりとりを中心に描かれている。真一は定年退職し家の中にずっといることで、妻の千賀子は夫在宅ストレス症に陥り互いに相手への気遣いなくなり、熟年離婚寸前となっていた。この映画の特色はそうした状態を暗く扱わずにユーモアかつコミカルなやりとりに終始させていることだった。だから会場内からは絶えずクスクスと笑いが漏れ聞こえる状態だった。それはどこの夫婦にとっても「あるある」の場面がそこかしこに見られたからだろう。もちろんそれは私自身についても言えた。そこに現れたのがこの映画の主役である葬儀社に務める菅野涼太(水野勝)だった。水野はアイドルグループ「BOYS AND MEN」のリーダーだそうだ。
さらに笑わせてくれるのは真一が通う健康マージャン仲間(大和田伸也、石丸謙二郎など)、千賀子が通う健康コーラス仲間(藤吉久美子、大島さと子など)と交わす愚痴の言い合いが笑いを誘った。
※ 真一の健康マージャンの仲間です。
映画の方は葬儀社に務める菅野が大原夫妻に対して人生の整理を勧めるのではなく、金婚式のプロデュースをするという意外に方向に進んでしまう。つまりこの映画はシリアスに終活のことについて問題提起するというよりは、橋爪功、高畑淳子の好演もあいまってコミカルの方に重点をおいた映画だったのでは?というのが私の偽らざる思いである。
そうした中で一つのセリフが心に残った。女性(妻)は共感を求めているという。「そうなんだぁ」、「わかるねぇ」、「大変だったねぇ」という言葉かけが大切ではとのセリフが心に残った。
※ コミカルな熟年夫婦役を演じた橋爪功さんと高畑淳子さんです。
先に紹介したキャスト以外にも松下由樹、石橋蓮司、西村まさ彦、小林綾子など少し以前に活躍していた俳優人たちがベテランらしい良い味を出して映画を支えていたのが私には嬉しかったし、劇中で財津和夫が彼のヒット曲「切手のないおくりもの」、「青春の影」などを挿入歌としていたのも私的には嬉しかった。
映画を観る前は「終活について考えてみよう」などと殊勝な考えでチケットを購入し私だったが、案に相違してコミカルな内容ではあった。しかし、それはそれとして楽しめた映画だったことで私は十分に満足した映画だった。
特に、マージャン仲間の愚痴の言い合いは、そこだけのダイジェストでもいいから観てみたいです!
ところで「女性は共感を求めている」、とはよく男女の脳の違いで言及されるところですね。
女性が愚痴をこぼしているとき、
得てして男性は「じゃあ、こうしたらどうかな?」「こうするべきだ」などとアドバイスしがちだそうです。
ところが女性の側では、そういう具体的な解決策を提案されるよりも、
「そうなの~」「それは大変だねー」と共感の反応が欲しいんだそうですね……。
男性だって飲み屋で愚痴を言い合って、
「わかるぞ~」なんてお互いに肩をたたきあったりするらしいですから、男女共通の感覚なのもかもしれません。
まあ、ぼくはお酒を飲まないので、酔って共感(めいたことを)することもないのですが。
きっと冷淡な人間なんですね、ぼくは。
"演技派の出演者" まさにそのとおりで、いずれもがたくさんの経験を積み重ねた俳優たちが演ずる場面は見どころ満載でした。特に癖のある演技をする石橋蓮司さんは出色でしたね。
男女の脳の違いを理解されているしろまめさんは、きっと日頃から奥さまに対しても理解ある優しい夫であり続けているのでしょうな…。