田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

元防衛大臣の森本敏氏 国際情勢を語る

2024-10-11 20:11:15 | 講演・講義・フォーラム等
 さすがに防衛畑の専門家である。鋭く国際間の問題に切り込んだ話を展開してくれた。しかし、それは主催者の思惑とはやや違ったものになったようではあったけれど…。

    
 昨日(木)午後、ニューオオタニイン札幌において北海道エナジートーク21が主催する「エネルギー講演会」が開催され、知人から入場整理券を譲られたので参加した。
 講師の森本氏は立憲民主党が政権を担っていた時代に民間人として初めて防衛大臣に就任した方である。私の認識では、立憲民主党の政策に特別賛意を示していた方とは認識していなかったが、時の野田政権も防衛問題の専門家であり、かつ民間人であるという認識から就任を要請されたのではないかと認識している。
 この日の演題は「激動の国際情勢と日本の課題~国家の安全保障とエネルギーについて考える~」という長い演題だった。
 私は主催者の「北海道エナジートーク21」という団体をよく理解していなかったが、知人に伺うと、「原発の推進を支援している団体だ」とのことだった。ということは、主催者は演題の後半の「国家の安全保障とエネルギー」に関して語っていただきたいという思惑があったのでは?と推測する。
 ところが森本氏は冒頭から「私は防衛問題については語れるが、エネルギーは専門外である」と述べ、初めから国際問題について語り始めた。
 森本氏のお話の要旨は、現在の国際情勢は冷戦時代が終わったことに伴い、複雑さが増してきた現状にあるとした。その要因の一つが第三世界の台頭であるという。第一世界を米国を中心とした西側陣営、第二世界は中国・ロシアとそれに追随する国々、そして第三世界がインドおインドネシア、トルコなどが中心となったグローバルサウスの国々、と大きく色分けされ、それぞれが覇権を狙って胎動している現状だとした。
 さらに別の観点から世界を俯瞰すると、米国や日本、欧州各国が標榜するいわゆる民主主義国家は88ヵ国程度で人口比23%だそうだが、中国やロシアに代表される権威主義国と言われる国々は91ヵ国程度で人口比では70%に達するという数字だという。この数字に私は少なからずショックを受けた。中国の尊大とも思える強気の姿勢にはこうした背景を意識していることがあるのだろうか?
 さて、そうした背景の中、森本氏は「ウクライナ戦争」についての見通しに論及した。残念ながら森本氏の見通しではウクライナにとっては厳しい情勢だと語った。大きくは米大統領選挙の行方にかかっているが、米国と共にウクライナ支援の中心を担っていた欧州各国において政権交代が相次いでいるという事実を挙げた。欧州各国ではいま “自国第一主義” を謳う右派系の政党が台頭し、ウクライナ支援が先細りとなることが避けられない、と森本氏は喝破した。

        

 森本氏の話は、さらに中東戦争、台湾問題にも及んだが、その部分のレポは割愛したいが、さすがに国際情勢については造詣が深いことをうかがわせてくれる森本氏だった。
 森本氏のお話は最後になって辻褄合わせのように突然エネルギー問題について触れた。
 ウクライナ戦争による経済制裁によってロシア産原油・ガスが西側に届かなくなった。中東戦争において中東の原油の輸送体制が危うくなった。こうした状況の中で、石炭による火力と再生エネルギーによる電力だけでは限界であり、原子力は不可欠であると森本氏は主張した。ただし、使用済み核燃料の最終処理問題を一日も早く解決してほしいという条件付きで…。
 非常に雑駁なレポではあるが、複雑化し混迷する世界情勢の一部分を解説いただいた思いである。
 これから国際情勢を報道など見聞きする際には、森本氏の言説も重ね合わせながら解釈していきたいと思っている。

オヤジ達のランチ会

2024-10-10 19:32:58 | 札幌麺紀行 & グルメ紀行
 ちょっぴり贅沢(まあそれほど豪華ではないので、これをプチ贅沢というかな?)な昼食を摂りながら、他愛ないオヤジ達の会話は弾んだ。そうした会話の中から、今回は私にとって貴重な情報を得ることもできたランチ会だった。

 昨日(10月8日)、いつもお付き合いさせていただいている同年代の男3人で、円山の割烹「たま笹」というところで確か3度目となるランチ会を催した。

   
   ※ 割烹「たま笹」のエントランスです。

 キッカケは、9月に明大マンドリン倶楽部のコンサートを楽しんだのだが、その際明大OBのH氏が、私とS氏にチケットをプレゼントしてくれたお返しにランチに招待したことで3度目のランチが実現したということなのだ。
 「たま笹」は個室が標準なので、周りを気にせず会話を楽しめるので重宝している。

   
   ※ 私たちが通された4人用の個室です。

 私たちは4人定員の小部屋に通された。そしてランチメニューの中ではそれほど高価ではない「ぜいたく丼定食」をオーダーした。早速出された先付の「トマトとチーズの茶碗蒸」が私には絶品だった。

   
   ※ 絶品だった先付の「トマトとチーズの茶碗蒸し」です。

 そしてメインの「たま笹ぜいたく丼」「八寸」「本日の小鉢」「止椀」が同時に出され、私たちは食事を楽しみながら、会話も弾んだ。
 会話はいつものように、互いが越し方を語る内容が多かった。行く末を語ることはもう我々にはあまりない。

   
   ※ 写真手前が「たま笹ぜいたく丼」、奥が「八寸」、右奥が「赤だし」、右手前が「香の物」です。

 そんな中、私が二人に話題を振った。「私は札幌でかなり音楽を楽しんでいるが、札幌は音楽の盛んな街なのですかねぇ?」と話題を振った。というのも、私は生まれてこの方北海道で育ち、北海道の田舎の片隅で暮らし続けてきた男である。
 対してN氏やS氏は、現職時代に全国を股にかけて仕事をしてきた方だ。特にN氏は商社マンとして全国を飛び歩き社業に専念された方と聞いている。だから多くの大都市で生活された体験を持たれている。そうした都市と比べて、札幌市の音楽事情はどうなのだろうか?という思いがありお聞きしてみた。
 そうすると両氏は揃って「札幌は、本州各地の都市と比べて確かに音楽が盛んだと言えますね」という答えが返ってきた。札幌ではプロはもちろんのこと、多くのアマチュアの方々がそれぞれ盛んにコンサートなど発表会を開催している。このことを私は札幌に転居以来、非常に感じていたことだっただけに両氏の回答は嬉しい思いだった。
 他愛のない話はいつ果てることもなく続きそうだった。しかし、私たちは常識人を自負している。2時間くらい食事を楽しみ、会話を楽しんでお店を後にした。
 男同士のランチも楽しいものである。これからも折を見て楽しめたらと思っている。
 ※ なお、楽しさのあまり写真を撮るのを失念してしまったため、ウェブ上に公開されているお店の写真を拝借した。

キレの良いギターテクに聴き入った

2024-10-09 16:16:26 | 講演・講義・フォーラム等
 竹形貴之さんのキレの良いギターテクニックは抜群だった!2曲目の「アルハンブラの想い出」を聴いたとき、私の思いははるか50数年前に跳んで懐かしさで胸がいっぱいになってしまった。

     

 昨日(10月8日)のお昼時、かでる2・7の展示ホールにおいて第122回の「かでるコンサート」が開催されたので駆け付けた。
 今回のゲストは、道内各地で演奏活動を繰り広げているプロのクラシックギター奏者の竹形貴之さんだった。竹形さんは拝見したところ40歳前後と思われるが、高校時代に全国ギターコンクールで優勝したり、海外の国際コンクールで入賞したりするなど、錚々たるキャリアをお持ちの方だった。
 1曲目のブローウェルの「11月のある日」を弾き始めたのを聴いたとき「これは素晴らしい!」と感じた。非常にクリアな音が私の耳に届いた。プロだから当然といえば当然なのだが、音にキレがあり、いわゆる雑味が全く感じられなかったのだ。

    
    ※ かでるコンサートで演奏する竹形貴之さんです。

 期待をもって2曲目のタレガの「アルハンブラの想い出」を聴いた。この曲は代表的なギター音楽として知られている一曲である。ギターテクニックの一つである「トレモロ奏法」を駆使して音が流れるように進行するのが特徴である。
 私はこの曲が始まったとたん、はるか昔の50数年前にタイムスリップしていた。1969年2月、私はフランス郵船の貨客船でインドのボンベイ(現在のムンバイ)からタイのバンコクを目ざす船の甲板上にいた。
 最安値の3等室船客は、私同様ヨーロッパやアジアを旅した貧乏学生に占められていた。その中の1人に確か明大のマンドリン部に所属していたという学生がギターを抱えて旅していた。その学生はヨーロッパの街角でギターを演奏して旅の資金を稼いでいたと言っていた。その彼が船上で盛んに弾いてくれたのが「アルハンブラの想い出」だったのだ。
 ヨーロッパ・アジアを10カ月かけて旅して歩き、帰路に就いていた私は多分に感傷的になっていたのだろう。かの学生が弾く「アルハンブラの想い出」にいたく心を打たれてしまったのだった。そのことが竹形さんのギターを聴いたとたん走馬灯のように想い出されたのだった…。

   
※ 主催者からは写真撮影禁止のお触れが出たが、竹形さんから演奏に支障のないかぎり写真撮影OKの言葉があり、数枚撮らせていただいた。写真はコンサートの会場の様子です。

 その他に演奏された曲もどれも素晴らしいものだった。例によって今回演奏された曲目を紹介すると…、
 ◇ブローウェル/11月のある日
 ◇タレガ/アルハンブラの想い出
 ◇アルベニス/アストゥリアス
 ◇マンシーニ/ひまわり
 ◇スペイン民謡/禁じられた遊び
 ◇日本古謡/さくら変奏曲
〈アンコール〉
 ◇ロドリゲス/ラ・クンパルシータ
 短い時間ではあったが「アルハンブラの想い出」をはじめ、ギターの名曲を並べたミニコンサートは私に満ち足りた思いを抱かせてくれたコンサートだった…。


本番!さっぽろラウンドウォーク セクション2(旭山記念公園 ⇒ 宮の沢ふれあい公園)

2024-10-08 19:40:00 | さっぽろラウンドウォーク
 朝方に小雨がぱらつき心配だったが、雨が止んだこともあり予定どおり実施した。しかし、ルート後半の「西野市民の森」内はぬかるんだ状態のため大苦戦だった。それでも全員無事に踏破することができホッと安堵した一日だった。

 昨日(10月7日)、「めだかの学校」札幌ラウンドウォーク踏破クラブとして9度目となる「ラウンドウォーク セクション2」を実施した。
 「9度目でセクション2とは?」ちょっと不思議思われるかもしれない。その訳は、私が4月に事前踏査した際にルート上でクマの吠え声らしきものを耳にしたことで、危険を回避し、他のルートを先に実施し、セクション2の本番を後へ残しておいたルートだったのだ。
 その後、状況把握に努めた結果「今年はドングリが豊作ということもあり、クマが里に出てくる可能性が低い」と言われていることもあり、相談の結果、集団でクマ鈴やホイッスルを持参することで回避できると判断し、昨日実施することにしたのだった。
 参加メンバーは前回(セクション9)同様に、女性メンバー1人を含む6人のメンバーでの実施となった。
 朝、9時15分、地下鉄「円山公園駅」バスターミナルからバスを駆って「旭山記念公園」まで移動し、9時45分に前回ゴールした地点(「旭山記念公園」の山中)からスタートした。コンディション的には雨は止んではいたものの、何時降り出してもおかしくないほどどんよりと曇っていた。

    
   ※ スタート地点に立った私以外のメンバー5人です。 ここからいざスタートです。

 「旭山記念公園」の駐車場がある側を表玄関としたら、私たちは裏口にあたる円山西町方面に下っていった。「旭山記念公園」を抜けると直ぐに円山西町の住宅街が広がり、ルート上にあった「円山西町神社」、「真如苑北海道本部」などを横目に住宅街を進んだ。
 ルートは「円山動物園」の西側に広がる通称「ユースの森」という小さな森に導かれる。この時点でスタートから50分が経過していたので、「ユースの森」内の東屋でこの日最初の給水タイムを摂った。

    
    ※ 「ユースの森」内の東屋で給水タイムです。

 「ユースの森」を抜け、今度は宮の森の住宅街へと導かれたが、さらに進むと宮の森地区の高級住宅街の一角へ入っていった。参加した仲間は広~い邸宅を眺めながらそれぞれが品評しているようだった。
 私はここでこの日2度目のルート選択のミスをした。私は地図アプリを見ながら先導しているのだが、絶えず見ているわけではない。一度事前踏査をしている自信からアプリを確認せずに先へ進んだためにミスリードをしてしまったのだ。幸い、両方ともに100~200m程度進んだところで間違いに気付いたために大事には至らなかったが、完全にリーダーとして失格の行為だった…。
 高級住宅街の一角にある「本郷新記念札幌彫刻美術館」の横を通り、「三角山公園」から西区のシンボル「三角山」の「宮の森口」からちょっとした急登を登った。私たちは「三角山」の山頂を目指すのではなく、中腹を巻くように三角山の裾野を歩き、「山の手口」に降りて、道々に出て琴似発寒川を渡り、琴似発寒川沿いに伸びる「発寒緑地」を上流に向かって歩いた。

    
    ※ 三角山の中腹の周回道路の様子です。秋はまだ来ていない?

 その途中から、私が札幌市内で最も整備され、美しいと思っている「西野緑道」に導かれた。時間は12時過ぎだったこともあり、「西野緑道」の入口にあった東屋で昼食を摂った。
 「西野緑道」は長さにして1,300m程度と長くはないが、期待どおりにとても整備されていた。その整備は行政だけではとても手が回るとは思えず、地域住民が積極的に整備していることが想像された。

    
    ※ 西野緑道のシラカバ並木を往くメンバーの方々です。
    
    ※ こちらも同じ「西野緑道」です。見事に整備されています。

 「西野緑道」を抜け、西野地区の住宅街を「西野市民の森」へ向けて一直線に向かった。いよいよヒグマの出没が心配される「西野市民の森」である。全員気を引き締めて市民の森内へ入っていった。私は絶えず笛を吹きながら先導した。特にヒグマの心配はなかったものの、代わって敵は市民の森内を流れる「中ノ沢川」の源流だった。夜半から朝方にかけて降った雨のため、源流部分はぬかるみ、油断をすると足首近くまでぬかるむ箇所が何ヵ所もあった。幸い私は登山靴だったので、先導しながら危険個所を伝えたこともあり、靴を汚しながらも水没したメンバーはいなかった。
 さらに市民の森内は起伏に富んでいて、メンバーたちは予想外のルートの様子にかなり戸惑われたようだった。

    
    ※ 「西野市民の森」の最高到達地点で給水タイムです。

 苦戦はしたもののなんとか「西野市民の森」抜けた私たちは、続く「宮丘公園」を抜け、この日のゴールである「宮の沢ふれあい公園」に着いたのは14時50分だった。

    
    ※ 「宮丘公園」は公園内の生物保護のため、公園の下に道路を通しました。
    
 苦戦はしたものの、何事もなく無事にセクション2を終えることができ安堵している。残るはいよいよセクション10を10月14日に予定しているが、それを終えるとさっぽろラウンドウォーク140kmの完成である。

    
    ※  この日初めて6人揃った写真をゴールの公園で写しました。

 なお、この日もコースはマップ上では約13kmとなっているが、私のスマホの歩数計では18.3kmとなっていた。私のルート選択のミスも影響しているかもしれないが、それにしてもいつもその違いに首をかしげている…。

ノルト・シンフォニカー ファミリーコンサート

2024-10-07 20:35:42 | ステージ & エンターテイメント
 へぇ~、西区にはたくさんオーケストラが存在するんだなぁ、と認識を新たにした。ノルト・シンフォニカーはオーケストラとしての力量も備えている上で、アットホームな温かさも兼ね備えた素晴らしいオーケストラだった。

    

 昨日(10月6日)午後、西区民センターのホールで開催された「ノルト・シンフォニカー ファミリーコンサート」に参加した。
 たくさん見たり聴いたりしたい催しがあった中で、私にとって初耳だった「ノルト・シンフォニカー」に興味を抱いた結果だった。
 いただいたプログラムによると、「ノルト・シンフォニカー」は2007年に発足し、交響曲、管弦楽曲だけでなく様々な音楽に取り組んでいて、団員数は現在約35名という管弦楽を演奏する団体だという。
 指揮者が40代くらいと思われる(間違っていたらゴメンナサイ)女性の方で山田美穂さんという方だった。本人は言及されなかったが、高校で音楽の教鞭をとっておられる方のようだった。
 コンサートはプログラムの組み方に特徴があった。そのプログラムとは…、
《第1部》
 ◇チャイコフスキー/くるみ割り人形より「行進曲」
 ◇弦楽器紹介として弦楽器だけで ホルスト/惑星の中から「木星」
 ◇レスピーギ/組曲「鳥」より 前奏曲
 ◇テレマン/リコーダー協奏曲 ハ長調より
              (リコーダー独奏 大崎明莉さん)

   
   ※ 指揮者から「写真は取っても良いがSNSなどには載せないでほしい」との要請があったのだが、コンサートの雰囲気を伝えるために個人が識別できないように配慮して一枚だけ掲載させていただいた。

《第2部》
 ◇指揮者体験コーナー ※ 子どもたちが数名体験した。
 ◇作曲者多数(?)/名探偵コナンメインテーマ
 ◇管楽器紹介としての楽曲はメモできなかった。
 ◇久石譲/千と千尋の神隠しメドレー
 ◇ドルディンガー、モロダー/ネバーエンディング・ストーリー
 ◇菊池俊輔/ドラゴンボールメドレー
〈アンコール〉作曲者多数/クイーンメドレー
以上だったが、特に第2部に措の特徴がある。無料のコンサートということで子どもの参加が見込まれる予想したことから、かなりライトな楽曲が並んだ印象である。指揮者も、演奏者たちも楽しみながら演奏していたように見えた。
 これは、これで納得だが、私個人としてはもう少し本格的なクラシックも聴きたかったなぁ、というのが正直な気持ちである。演奏の実力は十分に備えていると見ただけに、来年5月の定期演奏会をぜひ聴いてみたいと思った「ノルト・シンフォニカー」のコンサートだった。

しゃべくりの天才、古館伊知郎講演会

2024-10-06 19:35:40 | 講演・講義・フォーラム等
 当代随一と称しても過言ではない元キャスターの古舘伊知郎氏のしゃべくりは健在だった。立教大学主催の講演会だったのだが、それは紛れもなく古舘伊知郎氏の速射砲のようなしゃべくりが90分間続いた古館伊知郎ショーだった。

     

 昨日(10月5日)午後、札幌プリンスホテル国際館パミールにおいて、立教大学主催の公開講演会が元キャスターの古館伊知郎氏を講師に招き開催されたので、参加を希望したところ受講が許可されたので参加した。しかし、講演会と称しながら演題は付けられていなかった。
 それもそのはず、古舘氏はハンドマイクを持ちながら、ステージを縦横に動き回り、速射砲のように繰り出される氏のしゃべくりに終始し、特に何か主題を語るというでもなく、会場内を古舘ワールドに染め上げたように私には映った。おそらく主催者である立教大学も全てを彼に委ねたのだろう。
 そもそも古舘氏が立教大学の講演会に何故招請されたかというと、古舘氏が立教大学出身であり、かつ2019年から母校の客員教授に就任していることから招請されたようなのである。
 古舘氏は最初からエンジン全開だった。司会者から名前を呼ばれ、扉を開いたときからハンドマイクを握り、彼を一躍有名にしたあのプロレス中継の実況中継をほうふつさせるような口調で会場内に入ると、一気にそこは古舘ワールドに染め上げられた感じだった。

   
   ※ 講演会の様子は写真NGだったが、講演前に一枚撮った。しかし、講演時には正面の演題は取り払われ、古舘氏はステージを縦横に歩き回った。

 話題は古舘氏の興味や関心事を中心に多岐に富んだ。私は少しでもメモすることができたらと身構えたが無駄だった。
 ただ、古舘氏もどこかで “講演会” ということは意識していたのだろう。おそらく最近の彼の関心事なのだろうと思われるが、立教大学出身ながら宗教に関してキリスト教ではなく、仏教に関心を抱いているようだ。それも日本に広まっている「大乗仏教」ではなく、仏教の始まりされている「釈迦仏教」に関心を持たれているようで、お話の中に何度も「釈迦仏教」に関して述べられたのが印象として残った。古舘氏によると、「釈迦仏教」とは「原始仏教」とも称され、釈迦は「天上天下唯我独尊」(この世界に生きる人々は誰一人として尊いものである)と説いたという。こうした釈迦の教えに対して、釈迦の時代より500年後に起こった「大乗仏教」は、世の人たちに受け入れられやすいように釈迦の教えを広義解釈するなど、時代に即した形に改められたものであるという。
 したがって古舘氏は仏教が生まれた初期の教え(釈迦仏教)をもっと私たちは意識していくべきだ、と主張したと私は解釈した。(この辺り、私の受け止めもかなり怪しいものなのだが…)
 しかし、講演全体としてはそのことを主として論及したわけでなかったことも事実だ。
 古舘氏のお話を聴いていた私は、来年70歳を迎えるという古舘氏がその年齢を感じさせることなく、明晰な頭脳と衰えぬ活舌の良さに感心しながら、90分間古舘ワールドに酔いしれたというのが実感である。
 数年前に彼のトークライブ「トーキングブルース」を聴く機会があったが、できれば今一度古舘氏の「トーキングブルース」のステージを体験したいと思わせてくれた昨日の立教大学公開講演会だった。

※ タイトルの「しゃべくり」という言葉には多少語弊があるかもしれない、しかし、古舘氏のそれは私から見れば「しゃべくり」そのものとも受け取れるので敢えてこの言葉を使わせていただいた。


雨中キャンプもまた楽し in 支笏湖

2024-10-05 21:04:03 | 道内の旅
 昨日と本日にわたって、待望の息子と男同士のキャンプを楽しんだ。キャンプ場は支笏湖に面する「ちとせ美笛キャンプ場」。昨夜は生憎の雨天だったが、雨音を聞きながらのキャンプもそれはそれで楽しいキャンプとなった。

 数年前、息子と二人で「朱鞠内湖」でキャンプをしてとても楽しい思い出だったことから、息子にぜひ再び「二人でキャンプを!」と要望した。快諾はしてくれたものの、二人のスケジュールがなかなか合わず、とうとう10月に入ってしまったが昨日息子が休みを取ってくれたためにようやく実現することができた。
 実は「ちとせ美笛キャンプ場」は予約制のキャンプ場なのだが、かなり人気のキャンプ場のようで本日、明日の土日は早くから予約が満杯で、やむなく金・土曜に予約することができたのだ。
 昨日午後、息子は車にキャンプ道具を満載にしてやってきた。私の方は自分の寝袋と寒さ対策に身に付けるものを用意するだけだった。
 キャンプ場は10月の金曜日とあって、12~3張りのテントしかなく、そのうえ湖も穏やかで静かなキャンプを楽しめそうだった。そして「ちとせ美笛キャンプ場」がなぜそんなに人気が高いのかを知った。ロケーションが支笏湖畔の対岸にあり、自然がいっぱいなことはもちろんなのだが、その上でトイレがウォシュレットになっていたこと、さらにはシャワー、コインランドリー、売店などが完備しているのだ。今のキャンパーに受け入れられるキャンプ場とは、豊かな自然だけではなくそうした施設・設備が完備していることが必須条件なのかもしれない。

    
    ※ 「ちとせ美笛キャンプ場」の様子です。この日はキャンパーが少なく、皆湖面に面してテントを設営していたが、週末はこの辺りもテントで一杯になるのかもしれない。

 私たちはテントを設営し、一息つくと夕食の用意にかかった。メニューは息子が考え、食材も用意してくれたのだが、ステーキとアヒージョがメインデッシュだった。

    
    ※ 私たちが一泊を過ごしたテントです。

 その頃からだったろうか?恐れていた雨が降り始めた。しかし、それほど強い雨ではなく、タープを張った下で雨を避けながら夕食を準備し、ビールで乾杯の後、夕食の宴となった。

    
  ※ 夕食のメニューです。まだ炭火の上に載せたばかりのステーキとアヒージョです。

 夕闇の中、一点の光であるたき火を囲みながら、食べ、そして飲んだ。夜半に入り雨は強くテントを叩くようになった。しかし、それさえも私にはバックミュージックのように聞こえ、息子と越し方を語り、行く末を語った。誰にも気兼ねすることなく、至福の時間はいつ果てるともなく続いていくのではと思われたが、年齢には勝てない。午後9時を回ったころ、私の体力は限界だった。

    
    ※ 焚火を囲み、アルコール片手に語り合うのは至福のひと時でした。

 寒さに備え、寝袋を二つ重ねた中に入り、雨音を子守唄(?)にして夢の世界へと旅立った。
 翌朝(本朝)、雨は止んでいて朝焼けが湖面を覆っていた。少し肌寒かったが、目覚めは爽やかだった。朝食は息子がつくるホットサンドを楽しみにしていた。ところが!購入したはずの食パンがいくら探しても見つからず、代替食のニュー麺とおにぎりで済ますというアクシデントとなってしまった。

    
    ※ 今朝の支笏湖の様子です。

 天気が晴れたことで、テントは概ね乾いていてそれほど苦労せずに撤収作業を終えることができた。
 その後、支笏湖から聳え立つ風不死岳の裾野に広がる奇景の「苔の回廊」をおよそ1時間かけて堪能し、帰路に就いた。

     
     ※ 奇景「苔の回廊」の様子です。(下も)
     

 息子とは、「来年もぜひキャンプをしたいね」と約束し、自宅まで送ってもらい別れた。
 息子はもちろん家族キャンプも年に数回やっているようだが、男同士のキャンプにも魅力を感じているのかもしれない。いや、そんなことではなくて私が懇願するから付き合ってくれているのかな??

道民カレッジ「学びカフェ」 in とかち

2024-10-04 08:25:01 | 講演・講義・フォーラム等
 昨日、今季4度目の「学びカフェ」の講座を帯広で行ってきた。今回は参加された皆さんに「俳句」を創っていただく講座を行った。参加された皆さんは短い時間の中でそれぞれが個性的な「俳句」を創作してくれた。

     

 今年度、道内3地域で道民カレッジが「学びカフェ」を展開しているが、その一コマを担当させていただいている。これまで北見市、帯広市で講座を担当させていただいているが、今回はその4度目の講座だった。(この後、新篠津村でも予定されている)
 
   
   ※ 会場の「とかちプラザ」の建物です。JR帯広駅の近くに建っています。

 私の担当は「国語」であるが、1度目は「図書館を利用しましょう!」というテーマで授業をさせてもらったが、2度目の今回は「俳句を創ってみよう!」というテーマで講座を展開した。私は特に「俳句」を創る趣味などはない、まったくの素人である。そのほうがむしろ俳句に縁のない参加者に俳句を創っていただくには好都合なのでは?という強引な理由で「俳句」を取り上げてみることにした。
 したがって、私は参加者に難しいことは一切お話しなかった。俳句の基本的な約束「5・7・5の文字数で創ります」と「そのなかに “季語” を必ず入れます」の二つの約束を提示した。
 季節は秋。まずは「 “秋” と聞いて思い浮かべる言葉をどんどん書き出しましょう!」とお願いした。そして「それが “季語” です。その言葉を入れて5・7・5の俳句を創ります」と話をし、私の作句例を示した。
 私は「秋日和」という言葉が好きなことをお話して、「穏やかな 陽ざしがさして 秋日和」とした。幼い頃祖父の家の縁側(えんがわ)に座り、ぽかぽか陽気の中、眠気を催した光景が思い出されて創った句である。
 「さあ、それでは皆さんも俳句を創ってみましょう」とお願いした。
 最初はなかなか手が付かないようだったが、ぽつぽつと作句する人たちが出てきた。私はその作句したものをホワイトボードに書き出した。その中をいつくかを紹介すると…
 ◇そびえ立つ 菊芋の花 秋の空
 ◇ミステリィ 秋の夜長に ランランと
 ◇紅葉が 今年の秋は きれいかな
 こうした句を紹介すると、参加者たちはイメージを掴んだのか、それぞれの手が動き始めた。そしてそれぞれが短い時間の中で多い人は4句も創ってくれた。そうして完成した中からさらにいくつかを紹介すると…
 ◇ペンキ塗る 屋根の上には いわし雲
 ◇台風は 農作業には じゃまだわネ
 ◇空高く 紅葉まぶしい 然別
などとご自分が体験したことを上手に表現していただいた。
 その後、“俳号” の話をして、それぞれに自分の “俳号” を考えていただいた。すると、「絹香」「民月」「奏音」「遥峰」などユニークな “俳号” が次々と生まれた。

   
   ※ 「学びカフェ」の講座風景です。

 最後に私は「皆さんが創った俳句をまとめて句集を作成し、次回の学習時にお届けすることにします。楽しみに!」とお話して講座を終えた。
 ささやかな実践報告であるが、こうして何らかの形で誰かの “学び” をお手伝いさせていただく機会を与えたいただいたことに感謝するとともに、ささやかではあっても誰かのお役に立てていることに小さな悦びを感じている。

“パレット” を聴きに東区まで遠征しました

2024-10-03 06:42:12 | ステージ & エンターテイメント
 アンサンブルグループ “パレット” の演奏を聴くために東区の札幌小学校まで遠征(?)した。「地域ふれあいコンサート」と銘打っただけに、わりあい馴染みの曲目が多かったが、その分気楽に楽しめたコンサートだった。

     

 実は本日、朝早くから夜遅くまでちょっと遠出することになった。そこで今朝早々と本日のブログを投稿することにした。
 9月29日(日)午後、東区の札幌小学校の体育館を会場に「地域ふれあいコンサート」があり、整理券を入手したので駆け付けた。東区の札幌小学校というと我が家からは地下鉄「東西線」、「東豊線」と乗り継ぎ、「環状東」駅で降りてから、徒歩で15分ほどにところにあった。
 “地域ふれあい” というのだから東区民が対象なのだろうが、私のように他区民も混じってはいたようで、定員500名という札幌小学校の体育館はほぼ満員の盛況だった。
 出演はパレットの他に、地元札幌中学校吹奏楽部の生徒の演奏もあったが、メインはやはりアンサンブルグループ “パレット” だった。
 “パレット” は、フルート・クラリネット・ヴァイオリン・パーカッション・ピアノによるアンサンブルで、全員が大谷大学音楽部の出身ということだった。私にとって “パレット” は確か3度目となるコンサートである。
 アンサンブルグループというと、昨日レポした “奏楽” も同じであるが、“パレット” もクラシック畑であるのは同様だが、曲目から伺うには  “パレット” は同じクラシック畑でもややライトな音楽を志向しているようにも見えた。この日演奏された曲目は…、
 ◇葉加瀬太郎/情熱大陸
 ◇楽器紹介を兼ねてそれぞれがソロで曲のさわり演奏した
  ・モンティ/チャルダッシュ(ヴァイオリン)
  ・ビゼー/「アルルの女」よりメヌエット(フルート)
  ・ポーランド民謡/クラリネットポルカ(クラリネット)
  ・ベートーベン/ソナタ第8番「悲愴」より第2楽章(ピアノ)
  ・ハチャトリアン/バレエ音楽「ガイーヌ」より剣の舞(マリンバ)
 ◇中村泰司/ファイターズ賛歌
 ◇久石譲/ジブリ音楽(・さんぽ・君をのせて・いつも何度でも・海の見える街・となりのトトロ)
 ◇アンジェラ・アキ/手紙~拝啓 十語の君へ
以上が演奏された曲目だったが、私が “ライト” といった意味がお分かりいただけたかと思う。それぞれが音楽を専攻された方々だから演奏の方は確かなものだったし、楽しませてもらった。きっと彼女らは道内の各地を巡りながら、音楽の楽しさを伝え、クラシックの良さを伝える伝道師的な役割を果たされているんだろうな、と想像した。

     

 続いて札幌中学校吹奏楽部の皆さんが2曲演奏した。その2曲とは…、
 ◇RPG
 ◇J-BEST(Mrs.GREEN APPLEメドレー)
という2曲だったが、正直に言わせてもらえば選曲の意図が理解できなかった。RPGとは、Role-Playing Gameの略称らしく、つまりコンピューターゲームのバックミュージックということのようなのだ。そして2曲目も同様な音楽に私は聴こえてきたのだが、はたして老壮年が聴衆の中心のコンサートの曲目として相応しかったのか疑問が残ってしまった。指導者も若く、中学生には人気の曲なのかもしれないのだが…。
 最後に “パレット” も加わって◇和泉宏隆/オーメンズ オブ ラブ という合同演奏だったが、この曲目も私には前2曲と同様に聴こえてきてしまった。
 せっかく聴かせていただいて苦情を述べるのは申し訳ないと思いながらも、本音をちょっとだけ漏らしてしまった。しかし、全体としてはほのぼのとした雰囲気に包まれた心楽しいコンサートだった。

久しぶりに “奏楽” を聴いたコトニクラシック

2024-10-02 15:14:28 | ステージ & エンターテイメント
 アンサンブルグループ “奏楽” は私が好きなグループの一つである。その理由の一つは、大人の音楽を奏でてくれるからである。西区の文化の殿堂(?)コンカリーニョで “奏楽” の演奏を楽しんだ。
     
 9月27日(金)夜、コンカリーニョで「Kotoni Classic in Concarino」が開催され、知人から入場整理券を譲られたので喜んで馳せ参じた。
 喜んだのは、出演が「アンサンブルグループ “奏楽”」だったからだ。アンサンブルグループ “奏楽”は、元札幌交響楽団の団員だったオーボエ奏者の岩崎弘昌さんが、市内の若手演奏家たちの活躍の場を広げようと呼びかけて結成されたグループと聞いている。

      
      ※ "奏楽" の代表である元札響団員の岩崎弘昌さん

 これまで私は “奏楽” の演奏を何度か聴いているが、岩崎さんがリードする音楽は若い集団なのだが、どこか落ち着いた大人の音楽を提供してくれるという思いがある。さらに、専門にMCを担当するピアノの前田朋子さんのユーモアと知性を併せ持ったアナウンスが、とても暖かく上品なコンサートへと導いてくれるところが魅力なのだ。

       
      ※ "奏楽" のスポークスマン的存在のピアノの前田朋子さん
  
 この日も、上記お二人に加え、クラリネットの福井遥香さん、ファゴットの石黒玲さん、ホルンの畑田咲藍さんを加えた5人のグループでの演奏だった。例によって演奏曲目を紹介すると…、
《第1部》
 ◇リックル/カッサシオン 変ホ長調より 第一楽章Adagio₋Allegro
 ◇モーツァルト/きらきら星変奏曲
 ◇ビゼー/「カルメン組曲」より ハバネラ、セギディーリャ
 ◇シューベルト/「ロザムンデ」間奏曲
 ◇モーツァルト/ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K452より第1楽章
      
※ コンサートの様子の写真撮影はもちろんNGなのだが、コトニクラシックのHPに当日の様子を写したものが掲載されていたので、それを拝借しました。

《第2部》
 ◇フォスター/ビューティフル・ドリーマー、金髪のジェニー
 ◇本居長世/七つの子
 ◇岡野貞一/紅葉
 ◇ロドリゲス&奏楽/ラ・クンパルシータ SORAバージョン
 ◇バーンスタイン/「ウェストサイドストーリー」より、マリア、トゥナイト
〈アンコール〉アイルランド民謡/ロンドンデリーの歌
 いずれの曲も “奏楽” らしい落ち着いたメロディ―を楽しむことができた。特に私としてはモーツァルトの五重奏曲「変ホ長調 K452より 第1楽章」は五つの楽器の音が適度に重なり合って気に入った一曲だった。
 前田さんのMCもいつもどおりユーモアも交えた心地良いものだった。
 “奏楽” のコンサートをこれからも機会あるごとに聴いてみたいと思わせてくれたコンサートだった。