先月の北星女子高校音楽科の演奏会に続いて、今回は札幌大谷高校音楽科の演奏会を聴かせていただく機会があった。音楽の専門家を目ざす(?)彼ら、彼女らの演奏は真剣そのもので難度の高い曲目に挑む姿に感動を覚えた。
昨夜、札幌コンサートホールKitara(今回は大ホールではなく小ホールでの演奏会だった)において札幌大谷高校音楽科の第39回定期演奏会があり、知人が入場整理券を入手してくれたので演奏会を聴く機会に恵まれた。
今回の演奏会も北星女子高校と同様、音楽科生徒52名の校内オーデションを経たうえで選抜された10名がソロで演奏を披露したそうである。例によって演奏された曲目と独奏、独唱の違いを紹介すると…、(演奏した生徒名は割愛)
① F.リスト/即興的ワルツ S.213 (ピアノ独奏)
② パイジェッロ/もはや私の心には感じない 他(ソプラノ独唱)
③ F.リスト/ハンガリー狂詩曲 第6番 (ピアノ独奏)
④ J.S.バッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 他(サクソフォン独奏)
⑤ ラフマニノフ/《楽興の時》第1番 変ロ長調 Op.16-1 (ピアノ独奏)
⑥ ラヴェル/《スペイン狂詩曲》より「祭り」 (電子オルガン独奏)
〈 休 憩 〉
⑦ 田中喜直/《たんぽぽ》 他(ソプラノ独唱)
⑧ J.ユー/《ファンタージー》 (フルート独奏)
⑨ バルトーク/《戸外にて》より1.「笛と太鼓で」 他(ピアノ独奏)
⑩ A.トマジ/《バラード》 (サクソフォン独奏)
⑪ プロコイエフ/4つの練習曲 第2番 Op.2-2 e-mooll (ピアノ独奏)
そして最後に音楽科生徒52名による合唱曲2曲が披露された。その曲目は…、
◇武満徹/ 混声合唱のための《うたⅡ》より「死んだ男ののこしたものは」
◇上田真樹/混声合唱とピアノのための組曲《夢の意味》より「4.夢の意味」「5.
夢の名残」
以上だったが、北星女子と違い大谷高校は共学ということもあり、男子生徒の出演ももちろんあった。④、⑤、⑪は男子生徒の演奏である。
私はいつもこの種の演奏会を聴くときに、私なりの感想をプログラムにメモするようにしているが、今回も逐一演奏ごとにメモし続けた。
そのメモをもとに私なりの感想を述べてみると、第一にピアノ独奏はいずれもが難しい曲に挑戦していたのではないか?と思われたことだ。いずれの演奏者の曲も、非常に速い運指を必要とする曲だったが、さすがに高校生ともなると「凄いなぁ」と率直に関心した。ただ、それがソプラノ独奏となると、大人の声とは違い成長途上の声という印象は否めなかった。しかし、それは人の成長に伴って肉体が変化していくことに伴うものだから致し方のないことでもある。サクソフォン、フルート、電子オルガンについても、各人が高度な技を獲得して演奏に臨んでいたと思えた。
そして北星女子のときと同様、各人が演奏する曲目をどのように解釈し、どのように演奏しようとするのか、その思いをプログラムに寄せていたが、それぞれが演奏する曲目を深く理解して演奏に臨んでいたこと窺わせてくれた。
いずれにしても、将来的に音楽の専門家を目ざしているであろう若い高校生たちの真摯な努力の成果に触れることができ、満ち足りた思いでKitaraを後にした。