我が国において最も北に位置する北海道が、もし冬季の寒冷期に地震などの被災地となった場合は大きなリスクを負うことになることは容易に想像できる。専門家から「もしも…」の場合の心がけや備えについてお話を聴いた。
本日午前、札幌市立大学公開講座がアスティ45で開講されたので受講した。
テーマは「積雪寒冷期の地震災害への備えはできていますか?~避難生活で起こり得るリスクと必要な備え~」と題して同大学看護学部の講師である鬼塚美玲氏が講師を務めた。
※ 本講座は市民の関心も高いようで満員の盛況だったが、要請に応え12月に追加開催を予定しているとのことだった。
我が国は北海道に限らず意外に北国のようだ。鬼塚氏によると、「寒冷法(積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法)」によると我が国の中で62%が「積雪寒冷特別地域」にあたるそうだ。さらには、国交省では国土の50%が「豪雪・特別豪雪地帯」に指定されているそうだが、その中でも特に北海道では寒冷や雪による影響が受けやすい地域であることは疑う余地がないところだ。
さて、そのような北海道においてもし寒冷期に地震災害などに遭ったら、地震による一次的、二次的被害に加え、寒冷・雪環境による影響が加わり被害拡大のリスクが増大するということも容易に想像できる。
具体的には、避難行動ができない。避難所に入れないという避難困難。陸路と空路の制限による支援物資の到着遅延。ライフライン途絶の長期化。冷えた食事の摂取。避難所での寒冷暴露。寒冷ストレスが引き起こす健康障害。低体温症。脱水症・エコノミークラス症候群。一酸化中毒。季節性感染症の拡大。等々、実に多彩なリスクが考えられるという。
講義はここからそうしたリスクが考えられる積雪寒冷期における備えのポイントに話は移った。大きくは次の4点について備えよう!と講師は呼びかけた。
① 最低一週間分を備蓄しよう!
② カロリー摂取&温食のための備蓄をしよう!
③ 様々な防寒グッズを準備しよう!
④ 「濡れない」準備をしよう!
留意点としては、一般的なカセットコンロは気温5℃以下ではガスが十分に気化しないため使用しないこと。またAEDも0℃以下では作動しないことがあるので要注意とのことだ。
耳寄り情報としては「防災アルミブランケット」が安価(300~400円)にもかかわらずコンパクトで断熱性・保温性に優れているのでぜひ備えてほしいとお話があった。
※ 講師から紹介のあった「防災アルミブランケット」です。
講義を受けて、我が家の場合はまだまだ備えが不足していることを痛感した。「もしも」に備え、上記の4点を意識したいと思った。