田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

キレの良いギターテクに聴き入った

2024-10-09 16:16:26 | 講演・講義・フォーラム等
 竹形貴之さんのキレの良いギターテクニックは抜群だった!2曲目の「アルハンブラの想い出」を聴いたとき、私の思いははるか50数年前に跳んで懐かしさで胸がいっぱいになってしまった。

     

 昨日(10月8日)のお昼時、かでる2・7の展示ホールにおいて第122回の「かでるコンサート」が開催されたので駆け付けた。
 今回のゲストは、道内各地で演奏活動を繰り広げているプロのクラシックギター奏者の竹形貴之さんだった。竹形さんは拝見したところ40歳前後と思われるが、高校時代に全国ギターコンクールで優勝したり、海外の国際コンクールで入賞したりするなど、錚々たるキャリアをお持ちの方だった。
 1曲目のブローウェルの「11月のある日」を弾き始めたのを聴いたとき「これは素晴らしい!」と感じた。非常にクリアな音が私の耳に届いた。プロだから当然といえば当然なのだが、音にキレがあり、いわゆる雑味が全く感じられなかったのだ。

    
    ※ かでるコンサートで演奏する竹形貴之さんです。

 期待をもって2曲目のタレガの「アルハンブラの想い出」を聴いた。この曲は代表的なギター音楽として知られている一曲である。ギターテクニックの一つである「トレモロ奏法」を駆使して音が流れるように進行するのが特徴である。
 私はこの曲が始まったとたん、はるか昔の50数年前にタイムスリップしていた。1969年2月、私はフランス郵船の貨客船でインドのボンベイ(現在のムンバイ)からタイのバンコクを目ざす船の甲板上にいた。
 最安値の3等室船客は、私同様ヨーロッパやアジアを旅した貧乏学生に占められていた。その中の1人に確か明大のマンドリン部に所属していたという学生がギターを抱えて旅していた。その学生はヨーロッパの街角でギターを演奏して旅の資金を稼いでいたと言っていた。その彼が船上で盛んに弾いてくれたのが「アルハンブラの想い出」だったのだ。
 ヨーロッパ・アジアを10カ月かけて旅して歩き、帰路に就いていた私は多分に感傷的になっていたのだろう。かの学生が弾く「アルハンブラの想い出」にいたく心を打たれてしまったのだった。そのことが竹形さんのギターを聴いたとたん走馬灯のように想い出されたのだった…。

   
※ 主催者からは写真撮影禁止のお触れが出たが、竹形さんから演奏に支障のないかぎり写真撮影OKの言葉があり、数枚撮らせていただいた。写真はコンサートの会場の様子です。

 その他に演奏された曲もどれも素晴らしいものだった。例によって今回演奏された曲目を紹介すると…、
 ◇ブローウェル/11月のある日
 ◇タレガ/アルハンブラの想い出
 ◇アルベニス/アストゥリアス
 ◇マンシーニ/ひまわり
 ◇スペイン民謡/禁じられた遊び
 ◇日本古謡/さくら変奏曲
〈アンコール〉
 ◇ロドリゲス/ラ・クンパルシータ
 短い時間ではあったが「アルハンブラの想い出」をはじめ、ギターの名曲を並べたミニコンサートは私に満ち足りた思いを抱かせてくれたコンサートだった…。