田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

しゃべくりの天才、古館伊知郎講演会

2024-10-06 19:35:40 | 講演・講義・フォーラム等
 当代随一と称しても過言ではない元キャスターの古舘伊知郎氏のしゃべくりは健在だった。立教大学主催の講演会だったのだが、それは紛れもなく古舘伊知郎氏の速射砲のようなしゃべくりが90分間続いた古館伊知郎ショーだった。

     

 昨日(10月5日)午後、札幌プリンスホテル国際館パミールにおいて、立教大学主催の公開講演会が元キャスターの古館伊知郎氏を講師に招き開催されたので、参加を希望したところ受講が許可されたので参加した。しかし、講演会と称しながら演題は付けられていなかった。
 それもそのはず、古舘氏はハンドマイクを持ちながら、ステージを縦横に動き回り、速射砲のように繰り出される氏のしゃべくりに終始し、特に何か主題を語るというでもなく、会場内を古舘ワールドに染め上げたように私には映った。おそらく主催者である立教大学も全てを彼に委ねたのだろう。
 そもそも古舘氏が立教大学の講演会に何故招請されたかというと、古舘氏が立教大学出身であり、かつ2019年から母校の客員教授に就任していることから招請されたようなのである。
 古舘氏は最初からエンジン全開だった。司会者から名前を呼ばれ、扉を開いたときからハンドマイクを握り、彼を一躍有名にしたあのプロレス中継の実況中継をほうふつさせるような口調で会場内に入ると、一気にそこは古舘ワールドに染め上げられた感じだった。

   
   ※ 講演会の様子は写真NGだったが、講演前に一枚撮った。しかし、講演時には正面の演題は取り払われ、古舘氏はステージを縦横に歩き回った。

 話題は古舘氏の興味や関心事を中心に多岐に富んだ。私は少しでもメモすることができたらと身構えたが無駄だった。
 ただ、古舘氏もどこかで “講演会” ということは意識していたのだろう。おそらく最近の彼の関心事なのだろうと思われるが、立教大学出身ながら宗教に関してキリスト教ではなく、仏教に関心を抱いているようだ。それも日本に広まっている「大乗仏教」ではなく、仏教の始まりされている「釈迦仏教」に関心を持たれているようで、お話の中に何度も「釈迦仏教」に関して述べられたのが印象として残った。古舘氏によると、「釈迦仏教」とは「原始仏教」とも称され、釈迦は「天上天下唯我独尊」(この世界に生きる人々は誰一人として尊いものである)と説いたという。こうした釈迦の教えに対して、釈迦の時代より500年後に起こった「大乗仏教」は、世の人たちに受け入れられやすいように釈迦の教えを広義解釈するなど、時代に即した形に改められたものであるという。
 したがって古舘氏は仏教が生まれた初期の教え(釈迦仏教)をもっと私たちは意識していくべきだ、と主張したと私は解釈した。(この辺り、私の受け止めもかなり怪しいものなのだが…)
 しかし、講演全体としてはそのことを主として論及したわけでなかったことも事実だ。
 古舘氏のお話を聴いていた私は、来年70歳を迎えるという古舘氏がその年齢を感じさせることなく、明晰な頭脳と衰えぬ活舌の良さに感心しながら、90分間古舘ワールドに酔いしれたというのが実感である。
 数年前に彼のトークライブ「トーキングブルース」を聴く機会があったが、できれば今一度古舘氏の「トーキングブルース」のステージを体験したいと思わせてくれた昨日の立教大学公開講演会だった。

※ タイトルの「しゃべくり」という言葉には多少語弊があるかもしれない、しかし、古舘氏のそれは私から見れば「しゃべくり」そのものとも受け取れるので敢えてこの言葉を使わせていただいた。