あんな話こんな話

会津生まれの会津育ち…三匹の猫と柴ワンコや家族に囲まれ、家庭菜園に勤しみ都会には住めそうにないローカルな私の日常。

『介護うつ』を読んで

2010-04-14 22:43:02 | 読書感想文
思いがけずに朝から霙になり霙から雪へと…4月ももう半ばなのに
ようやく咲いた梅の花も霙の滴に寒そうに縮こまっているような一日だった。


まさか…もはや雪は降るまいと思っていたのに…。


目の前の山にはうっすらと雪化粧、これが4月14日の写真とは信じられない。


そう、雪や霙こそなかったものの、こんな寒い雨の降る日だったのだろうなぁ。
元アイドルでタレントの清水由貴子さんが父親の墓前で自らの命を絶ったのは。
介護をしていた母親も一緒に…の、つもりだったようだが
幸か不幸か母親は軽い肺炎を起こしただけで死には至らなかった。
そんな清水由貴子さんの妹さんが書いた『介護うつ』という本を
一度読んでみたいと思っていた。

近くの本屋さんでは見つけられずに
以前ちょっと離れた本屋さんへ行った時に見つけたのだが
なかなか読む暇がなく、それでも時間を見つけては少しずつ読み進めていた。



妹さんから見た、お姉ちゃんである由貴子さん。
早くに父親を亡くし病弱だった母親と妹の支えになって
いつの間にか名前ではなく、みんなのお姉ちゃんとなってしまった。
そんな由貴子さんは長女なるがゆえに頑張りすぎてしまったのか
これも生真面目さや責任感の強さからでもあったようだ。

タレント業を休んで、時には好きな絵手紙に癒されながらの介護生活。

本誌には生前の由貴子さんの介護生活などが書かれていて
ディケアとの連絡帳には、実にたくさんの連絡事項として
母親を気遣い、施設への労いの言葉などが綴られており
本当に真剣に母親を気遣いながらの生活ぶりが記載されていた。

少しでも母親が不快を感じないようにと、寝る間を惜しんでの介護は
元気そうに見えていても、気付かない所で少しずつ由貴子さんの心を蝕んでいったのか。
細く長くとは、どのくらいの細さなのか…個人的に差があり
先の見えない介護生活に、いつの間にかうつへと拍車がかかって行ったのかもしれない。



介護は孤立してしまったら、誰にでもうつに陥る要素がある。
幸いな事に、私には弱音や愚痴を受け止めてくれる家族やケアマネージャーさん
また定期的に訪問してくれる民生委員さんなどがいて
時にはプチドライブだとか畑で遊んだりブログでの交流や
好きな省吾の曲やコンサートで癒されたりがあって
まだまだ頑張れる余裕があるのは、ひとえに吐き出せる場所を持っているからだと思う。

介護うつの割合は、高齢になるほど高くなると言われている。
軽度なうつを含めると、かなり確率で
本人が気付かない場合も考えると
介護している誰もがうつに陥る危険性があると言う事だ。

我慢強いとか愚痴を言わないだとか、親だから当たり前だとかの言葉
そんなものはクソ喰らえだ!!(すみません 言葉が悪くて…^^;)
生真面目な由貴子さんには、そこそこにとか…まぁ 良いかとか
性格上出来なかった結果なのかもしれない。

あの優しげな清水由貴子さんの笑顔が浮かんだ。
厚生省の調査によると、在宅介護者の4人に1人が軽い鬱状態にあり
さらに介護者の年齢が50歳前後の場合、約2割の人が「死にたい」と考える状態にあるそうだ。

生活の100%を介護に費やさずに、せめて半分…いや30%くらいかな。
そんな感じで続けて行こうと、この本を読んで私は思った。



という事で、霙に濡れた…咲いたばかりの梅の花をUP




 

コメント (30)
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