悪友が電話をしてきた。虚礼廃止で年賀状は来ないから、「今年もよろしゅう頼むばい」が挨拶。
話によると勤めていた会社のOB会が催されたらしく、久しぶりに上京したらしい。「数の少のうなってね・・」と一言。
そのついでに、熊本出身の友達にもあってきたという。
その時の会話に「阿蘇に□鼻□石」てあってばってん(有るそうだが)、酒飲んどったけん何のことやら判らんまま帰ってきたが、あらなんのこつかい(あれは何のことだろうか)?、という。
急に言われても返事に窮する。
「遠見が鼻」と「象の鼻」くらいは判るし、「的石」くらいの地名しか思い出せない。
電話を切って熊日選書の「隈本の消えた地名」を開いてみたら、「阿蘇の七鼻」という記事があった。
その中に「七鼻八石」と記されていて、是が悪友が聞いてきたものらしい。
阿蘇郡誌には「古來阿蘇谷の人々は七鼻八石と称すれどもその何故かを知らず」と記されているという。
阿蘇外輪から内側に突出した処を「鼻」というようだ。「石」については解説がない。
「七鼻八石」と判明したから、ググってみると、「肥後国 くまもとの歴史」というサイトに阿蘇七鼻八石(あそななはなやいし)の記事を見つけた。
一覧表があり、疑問が氷解した。メールで連絡をして一件落着と相成った。
昭和27年高浜虚子は阿蘇を訪れた。そして前年亡くなった熊本の弟子の宮部寸七翁の為に次の句を捧げている。
君がため遠見ヶ鼻の竜胆を
私は現在「大観峰」と呼ばれる場所が「遠見ヶ鼻」という雅な名前であったことを知って、この名前が消えたことを残念に思っている。
これもついでに教えてやると、「よか歌ね、覚えとこう」と・・・・
=付け足し=
虚子の「小国」に寄せての句 小国町南小国村芋車 も大好きな句である。
これも教えると「わあ小学生の俳句のごたる、これも良かねえ」とご満悦だった。