『パチンコ(上)(下)(電子書籍)』
1910年から始まる長い物語。釜山の南の影島(ヨンド)の少女ソンジャの家族からはじまり、ソンジャの孫のソロモンまで、日本に暮らすようになった在日家族の日本社会における様々な葛藤を描いた。著者は、アメリカに移住した韓国人で、日本人と韓国人の血を引く夫と日本で暮らしたことがある。彼女はアメリカでの経験や日本で暮らしたときの在日の人々へのインタビューを加えて本書を描いた。
日本の多文化多民族状況について想像力を巡らすためにも読むと良いと思う。歴史的な事実もさりながら、在日の思いが描かれている。決して日本社会に交わることはないとしても、また、逆に、日本社会が近未来を見通すとしたら見落とすことができない、センスが込められていると思う。