映画「万引き家族」

2018年のカンヌ国際映画祭の「パーム・ドール」を受賞したことは、ニュースで知ってはいたがこれまで視聴していなかった。先日、オーストラリア人の友人からぜひ見るべきといわれて、見てみた。
古い家に暮らす家族はそれぞれの事情で一緒に暮らしているが、血縁でつながっているわけでもなくお互い過剰な干渉をすることもなく穏やかに暮らしている。しかし、彼らの生業は安定的なものではなく、「おばあちゃん」は年金と言ってはいるが、月命日に亡夫の家を訪ねては金を受け取っている。「とうちゃん」は日雇い、「かあちゃん」はパート、かあちゃんの「いもうと」は風俗店で働く。そして、「しょうた」は学校には行かず「とうちゃん」の指導で万引きをしている。そこに「りん」となづけられたネグレクトされた少女が保護されて連れてこられる。やがては、「おばあちゃん」は死を迎えて床下に葬られる。
彼らはいわば「疑似家族」にすぎず、社会の底辺に生きる人々で世間的には真っ当とは言えない生計のたてかたなのだが、家族とはなにか、親とはなにか、家族間の人間関係とはなにか、暮らしとはなにか、様々考えさせられる。

